移転前の日記で連載していた小説があります
そのほとんどはトップにある再録のほうに保存してあるのですが
連載中だった
人魚にまつわる話の三作目
一話から三話がまだ再録できてません。
ひとまずカテゴリも作ってみたので
一日一話、また記事として書きます
中身は以前のものと変わりありません。
連載をやめるつもりもありませんので、引き続きよろしくお願いします。
ではでは、さっそく第一話
当時の記事をそのままコピペするので、よくわかんないこと書いてたら時事だと思います。
読み流してください。
そういえば今朝、幼女と一日過ごす夢を見ました。
幼女がかわいくて仕方がなく、ちょっとつっけんどんだけど別れ際に寂しそうな表情されて身悶えながら目が覚めました。
幼女かわいい大好き
んだば追記からどうぞ
BLはファンタジー!
ファンタジーだ!非現実だ!
わかってる!
さて今回から新連載
人魚にまつわる話
人間×人魚
テーマは狂気
頭がぐるんぐるんになりそうな話を目指すぞ!
いや無理だな!
相変わらず注意をば。
女性が出てきます
人が死んでますその描写もあります。
不快感を覚える方は回れー右!
ちなみに今回は攻め視点。
──────────
小さな入り江。
砂をさらう波の音。岩を抜ける風の音。木々を撫でる潮の音。四季を帯び、移りゆく時を感じさせるその小さな入り江から、少し歩く。
入り江から続く林、森。城下町を遠く離れ、ここには気配がない。人も獣も、あるいはなにもかも。音と色彩だけが意味を失い漂い続ける。
整えられた、道。足跡は残らない。後ろには部下を連れ、金属のかすれた声を響かせて進む。
なにか薄い膜のようなものを破いて、しかしそれはただの妄想であるのだが、それでも何かを感知せずにはいられず、腹をさする。この世ではないような、夢うつつのような、間。自分を欠くような、予感。
道が拓く。葉に遮られていた陽光が射し、現れた。世界から切り離されたかのように、悠然と建つ屋敷。
曾祖母の、暮らしていた家だ。
──曾祖母は海洋学者だった。
非常に明晰な人間だったと聞いている。快活で、笑顔の絶えぬおおらかな人だったと。加えて研究熱心な彼女は、早熟の頃に莫大な借金を背負い、立派では言葉足りぬ屋敷を建てた。
海の近く、さらには山の近くがいい、と場所を探して入り江を見つけた。城下町からも港からも離れていたが彼女はかまうことなくそこを選んだ。
屋敷は家であり同時に研究所でもあった。所狭しと水槽が並び、砂がまかれ、岩が置かれた。無数の海洋生物が飼われていたことも当たり前だった。
彼女の研究は、国に知識を与え、富をもたらした。功績はもはや、彼女がともに暮らしていた生物たちの数のごとく、数えられるものではなかった。
しかし彼女は驕ることなく、研究を行った。海の母と称された彼女は、何よりその言葉を喜んだという。海を愛した彼女は一族の誇りであり国の誇りだった。
研究者として、学者として地位も名誉もなにもかもを得た彼女だが、その最期を看た者は誰一人としていない。
海と生き、その知恵を国や国民に広め、海と生きる術を教えた彼女は、ある時から独りを選んだ。
50年。曾祖母が行方知れずとなって、50年以上の時が経つ。屋敷が建てられた頃に遡れば、100年近くの月日を数える。
私は、困惑していた。
幼き日、祖母に連れられ一度だけこの屋敷を訪れたことがあった。緩やかな坂道がとても辛く、祖母に苦言を呈したのを強く覚えている。
屋敷は妙な静けさを纏い、そこにあった。当時の私は自慢である曾祖母に近づけることをただ純粋に喜んでそれを見ていた。
だからこそ、今。私は困惑の直中にある。
「……入りますか」
親しい友人でもある一人の部下が私に問った。
入るか、否か。愚問である。目的は屋敷の中。入るしかないのだ。──だが。部下が私に問いかける意味も承知できる。
「ああ。鍵はあるか」
「はい」
かちり…と鉄がこすれた。部下の怪訝な視線を読む。古い鍵だ。しばらくその存在が失われていたが、最近になって倉から発見された。ひどく錆び付き、使い物にはならない代物だった。しかし、それを元に複製し、今は鍵が二つある。
真新しい鍵を、もう一人の部下が私に手渡す。──かすかにふるえていた。
「本当に、入るのですか」
「ここまで来たからには、引き下がれない」
「しかし」
「もう後戻りはできない」
「……異様です、ここは」
「わかっている」
背後に立つ二人の部下。厳しく鍛えられた姿勢が崩れることはない。国に仕える兵士たちの中でも秀でた才を持ち、特別階級を与えられている。私が公私ともに信頼を置く仲間でもある彼らでさえ、しかし恐怖を隠せずにいた。
目の前の屋敷を見上げ、顔をしかめてしまう。異様。まさにその言葉が当てはまる。
幼き日の情景。祖母の目には諦念があった。思い出が目前と重なる。
「……すまない、面倒に巻き込むやもしれない」
「いえ、かまいません」
「あなたが進むのならば、我らも共に」
「……ありがとう」
強い風が吹いた。足をすくい取られてしまいかねないほどの、暴風が一陣。被っていた羽根つき帽がさらわれた。
とっさに私の身をかばう二人だったが、すぐさま立ち直る。目を見合わせ、再び姿勢を正した。
手にある鍵は、鍵師に特別にあつらえてもらった特注品だ。100年も前の品であるため、苦労したと聞く。重い鉄はもちろん錆の一つすらなく、手心地も悪くない。
そして、凹部分となる扉の鍵穴を見た。きらびやかな彫り細工がなされ、当時の技術に感激すら覚える。同時に、瞠目する。同じ鉄製品であるそれもまた、錆の一つも見受けられぬ新品の様だったからだ。
いや、鍵穴だけではない。扉から門、壁、支柱、煉瓦、窓、瓦、木々が掘られた細工、装飾に至る細部までが100年の時を忘れているのだ。
世界から切り離されたかのように
穴へ滑り込む鍵。かちり、と解除が伝わる。
部下たちののどが鳴り、私もまた手の震えを押さえることができなかった。
曾祖母が暮らした屋敷
ふみこむ
──────────
ということで。
なんでだろう…書こうと思ってたとこまで書けなかった
人魚と遭遇させるつもりだったのに。ひいばあちゃんの話ばっかり書いちゃったよ?あれ?
まぁしかたない
次回…人魚と遭遇
がんばろ。