京都に清滝トンネルというトンネルがある。トンネル手前に設けられている 交互通行用の信号が青になっていると、霊が呼んでるというので 有名なあのトンネルだ。僕はあのトンネルに何度も行ってるんだけど、 信号はいつも赤。でもたった一度だけ信号が青だったときがあった。 それは、清滝のトンネルをこえた所にある 愛宕山山頂の廃墟の写真を取りに行くときだった。

不思議なものでなんとなく信号が青だって、信号が見えてなくても わかるんよね。 「うわっ絶対青や」って思ってカーブを曲がったらやっぱり青だった。

廃墟の写真を撮るためにデジカメを持ってきていたので、ゆっくり運転しながら 右手でハンドル、左手でデジカメを操作して、トンネルの中を撮ることにした。 暗いところを走りながら撮るので、撮影モードは、スポーツにあわせた。 で、トンネルに入るとパリチと一枚撮影。

トンネルを出ると、すぐ脇に車を止めて写真を確認した。 撮影モードは確かにスポーツ。

しかしおかしい。

写真が白黒なのだ。スポーツモードはカラーで撮影される。 しかも白黒モードなんて設定で複雑な操作をしないと変えられない。

しかも、その写真はやけに不気味だった。 霊感のない俺には、それがどういうものなのかわからないが でも、霊感がなくても何か不気味さを感じた。