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わざわざフリーページにすることでもないような気もしましたが、記事だと直ぐに流れてしまいそうな気がしましたゆえ、この扱いです。
ボークスさんの注意喚起を受けまして、ユーザーだから言えることもあるのではないかと思い、言葉を連ねることにした次第です。
とぅいったーにも同じ主旨の呟きと呼べないくらい長い呟きを上げています。
ここに書かれていることは、相性の良いメーカーさんの直営店が行動圏内にあり、毎年ホームタウンドルパが開かれる土地に住むドールオーナーの、謂わば綺麗事です。
それでも、綺麗事や理想がなければ道も足元の現実も見えてこないと思うのです。
だから、無理をしなくても、強がらなくても、綺麗事を口にして理想を叫ぶことができる人間として、敢えて、綺麗事を綴る所存です。

私がサンディをお迎えした頃、キャストドール市場はまだ小さく、ほぼボークス1択SD1択という状況でした。
それから10年強、市場と呼べるかすら怪しかったキャストドールは、大人の趣味として、「そういう世界がある」程度には認識されるようになりました。
一方で、早い段階から、人気モデルの悪質な転売が問題になっていたのも事実です。
新品未開封や不備がないか確認するために開けただけのものを転売するのは(それ自体も立派にアウトですが)序の口です。
服だけ抜いて売る(通称追い剥ぎ)、ヘッド・ボディ・ウィッグ・ドレスを別個に売り飛ばす、直営店や公式代理店から徒歩数分圏内の中古ショップに持ち込むetc.
それがさらにエスカレートしたのがリキャストだと、私は思っています。

SDさんの場合、フルチョヘッドだけで通算122種類、里での稼働ヘッドに限っても90種類を超えます(ともに2016年12月現在)。
それに加え、限定モデルや天使のヘッドが大量に存在します。
正直、一般のユーザーが全てを把握するのは不可能ですし、スタッフさんでもご自身がユーザーだった頃からのヘッドを全ておぼえておられる方の方が少ないのではないでしょうか。
それだけ多くのヘッドが発表された今、SDさんはリキャストホイホイ状態ともいえると思います。
今はそうでもないメーカーさんも、遅かれ早かれ同じ状態になるのではないでしょうか。

ネットでもリアルでも散々言っていますが、私は、ドールをお迎えするときは、相性の良いメーカーさんで、このこだと思った子をお迎えすべきだと思っています。
SDさん以外のキャストドールをお迎えはおろか抱っこすらしたことがないのは、SDさんとの相性が良すぎたからだとも、何度も言っています。
けれど、それとは別の話として、ボークスやSDは、キャストドールを愛する人形者にとっては特別だと思うのです。
ボークスのSDから、キャストドール市場は始まったから。

だから、それが綺麗事でも理想論でも、SDオーナーがしっかりしなくてはいけないし、声をあげていかないといけない。
ボークスユーザーが、SDオーナーが、リキャストを受け入れてしまったら、キャストドール市場全体にリキャストが受け入れられてしまうから。
少なくとも、リキャストという売り方に、市場への門戸を開いてしまうことにはなるだろうから。
そう、思います。

SDもDDも、そもそもドルフィー自体が、商標登録された、ボークスの財産です。
リキャスト品は、SDやDDの名を冠して売られています。
つまり、犯罪です。
犯罪ですが、ここまでキャストドール市場が成長してしまった今、メーカーだけでリキャスト品の供給を断つことは不可能です。
メーカーにできるのは、ユーザーに向けてメッセージを出すことくらい。
リキャストを市場から締め出せるかどうかは、私たちユーザーにかかっているのです。

相性の良いメーカーの子って、本当にかわいいです。
かわいがり方はそれぞれの考え方やスタンスによるでしょうが、自分のかわいがり方で良いならずっと大事にしようと思えます。
10年以上片想いできるヘッドも、普通に出てきたりします。
一目惚れしてお迎えした子が、永年の片想いを経てやってきた子と看板を張れたりもします。
そのくらい、ひとりひとりが、特別になります。

リキャストで作られた子が、特別になる。
それ自体は、否定しません。
わかっていてお迎えするのは論外ですが、わからない場合もあるでしょう。
けれど。
特別になった子が、実は犯罪の産物だったら。
もしかしたら自分は、犯罪の片棒を担いでしまったのでは。
そんな思いを、誰にもしてほしくないのです。

私は、SDさん純粋培養で、ドール本体は全て正規のルートでお迎えしました。
だから、自分の「特別」が違法コピーだと知ったときの気持ちは、想像することしかできません。
それでも、もしツカサが、カナデが、違法コピーだったら。
考えようとすると思考が止まるくらいには、辛い現実であることはわかります。

ずっと、正規品だと思ってきた。
ちょっと難ありだったからお値段お安めと聞いて、信じていた。
これまでリキャストの子を連れ込んでサービスを断られた中には、そんな人も、少なからずいらしたと思います。
これ以上、そんな人を増やしたくない。
そう、願っています。

長い上に纏まりのない文章で、申し訳ありません。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
今は綺麗事のこの文章が、いつか、良い意味で過去の遺物になりますように。

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