どんな子なんだろうと思ったのは高校1年生の終わり頃。
彼女に興味はないけれど、新開さんが恋をする女性には興味がある。
恋してるのは新開さん。
新開さんの恋だ
。
たまたまかも知れないけれど、僕の知る新開さんの彼女って人は、授業中はよく寝てるし、いつも小走りでいるイメージだ。
新開さんの彼女のことをあまりよく知らないとき、
友人は彼女の事を「天真爛漫」と表現した。
だけど僕は思った。この学校で1番気の向くままに行動する人なんだ。と
何より、授業中に寝てるのは新開さんの彼女として良くないと思う。
彼女の、いわゆる彼女らしさを見る度に僕はそこにマイナス点を付けていく。
それにしても、
新開さんはおしとやかな女の子が好きなんだと思っていた。
新開さんと彼女が一緒にいる所を初めて見たのは2年生になった時だった。
新学期が明けたばかりの放課後。
僕は廊下を歩いていた。
新しい2年生の教室には、彼女を訪ねに新開さんが訪れていた。
そこは僕の教室でもある。
この春、僕は新開さんの彼女と同じクラスになったのだ。
空はまだ青々としている。
教室には「彼」と「彼女」の2人しか居ないようだ。
彼女は机に向かってせっせと何かを書いていて、多分日誌かな。
新開さんはその向かいに座り頬杖をついてる。
で、ひたすらに彼女の顔を見つめてた。
遠くから見ていても、その愛でるような雰囲気が凄く伝わる。
そう、・・・愛でている。
二人がチラッと視線を合わせると、くすぐったいみたいに笑う声が漏れてきた。
それを見ていたら、なんだかふと恥ずかしくなって僕は立ち去った。
立ち去る後ろの耳で「照れます。」と控えめに笑う彼女の声がかすかに聞こえた。
普段の彼女とはまた違うのかな。
新開さんはきっと、そんな一面を知って好きになったのかもしれない。
どんな一面なんだろう?
気が向いたら<つづく>!