第一段はワタイエだよ!
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久しぶりに会った同郷の竜使いである彼の最初の言葉は「年寄りくさい子供だ」でした。
「ボクが…ですか?」
「他に誰がいる」
オマエは馬鹿か?と言わんばかりの表情を向けられちょっと腹が立ちましたが、それより驚きの方がありました。
人からは年より幼く見られるし、自分でも子供っぽいと思っていたからです。
「見た目じゃなくて…中身の話だ」
木の上に立っていた彼は、根元で寝転んでいた僕の隣に飛び降りてきました。
彼とこんなに近くで対峙するのは、あの戦い以来では無いでしょうか。
「例えば若者らしい熱い部分も無く何も考えずただ安穏と暮らして、それを幸せと思っている所とかな」
「…まぁそれは性格ですし」
「とりあえず、俺はオマエのその年寄りくさいところが嫌いなんだ」
「ひどいや!」
「あと甘いところはもっと気に食わない」
「ますますひどいや!」
そんなことをわざわざ言いに来たのだろうか?
ちょっとショックを受けてると、それに気を良くしたのか彼はふふん、と笑ってまた口を開きました。
「…だからって俺から何かを言われたところで、お前はそんな自分を変えようとは思わないんだろうな」
彼の言葉を頭で少し反芻して、ボクは頷きました。
「それが、僕ですから」
言ってから、ハッとしました。
あぁ、これはつまり、彼とは相容れないということなのだろうか、と。
「…お前のそういう所は気にいってる」
彼の笑う顔は満足そうで、なのに何だか淋しそうに感じました。
…淋しそう、だって?
「…もしかして、貴方は僕にトキワを重ねてませんか?」
口から出てきた言葉は自分が思ったより支離滅裂で、けれど初めて、彼が驚いた表情をしました。
考えてみれば彼は世界を変えようとして人間に喧嘩をふっかけて、それを返り打ちにしたのは僕で、そんな僕にトキワの森は力をくれていて、えぇとつまり、
「トキワの森は貴方に敵対してるとか思ってんじゃないか、とか」
「…凄いな、お前は」
彼のかすかに震える声に、僕の心臓がドクンと大きく鳴りました。
「え…?」
「…よくそんな面白い話を思いつけるな」
「…………は?」
思わず出た間の抜けた声に堪え切れなくなったのか、お腹を抱えて笑いだす彼に僕の寛容な堪忍袋も限界を迎えました。
「な…っ!元はと言えば貴方があんな風に笑うから」
「あんな風?」
「〜っ、もう良いです!!」
悩んだ自分のアホさにため息をつきつつ隣を睨み付ければ、彼はまた楽しそうに笑いました。
(――――……本当は捨てたハズの昔の自分を重ねてた、と知ったらお前はどう思うだろう?)
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ウチのワタイエは仲が悪いみたいです。イエローはワタルにはレッドとまた違う感じでペースを崩されれば良いと思います。
からかうワタルとからかわれるイエローみたいな。
ワタルはこの後イエローが女だと知ってちょっかい出しつつもどんどん気になっていって最終的にドSな変態になりゃ良いと思います。
(良くねぇー!!)