どくり
にじむ
毒液

曖昧な
安楽へと
変換

甘くて苦い
苦くて痛む

乾いた傷

どくり
にじむ

過ぎてきた夜

数え損ねた羊

見ないふりをしたのは
羊ではないなにか

なんだろう

数えられない

見えてるようで
見えていない

可哀想

だから

見ないふりをした

それは

空想の中の中

その
生き物の名は

知らない

確かにあれは

「ひつじ」だったはずなのに

眠れるおまじない


一つ二つ

その中で

通りすぎてくなにか

見えるのに見えていない

可哀想な生き物

まるで

まるで

「 」

そうだった

あれは確かに

「 」

誰にも言えない

空想の中の中

朝になればぼやける

にじんだ夜に

もう一人
もう一つ






よびとめられない
とどめておけない

夜のなかに

じわり
にじむ
毒液に

とけて
微睡む
夢の中

ひつじ
重なって
連なって

ほどけて


夜の終わり

朝の始まり

おはようで

おしまい