話題:毒親
私は親に家のことを誰にも話すな!と命令されていた。
それが何故なのか?
分かったのは小学高学年末の頃だった。
その頃になると、イジメも減り、それなりに喋る同級生も増えていた。
どんな話の流れだったかは覚えていない。
私は同級生の口から衝撃的なことを聞いた。
『打たれたこと1度もないよ〜』
男女分け隔てなく誰に聞いても同じ答。
人格否定もなく、成績が良ければ褒められ、頭を撫でられる。ご褒美がある。
それが私以外の同級生の日常。
私の日常とは大違いだ。

私の日常?
親の理想通りにミッションをこなせないと、殴られ蹴られ、木刀で袋叩き、人格否定だよ。
成績がいいのは当たり前。だから褒められもしない。
基本、学校に行く以外の外出禁止。
家事は、やって当たり前。
私の日常は、朝弁当を作り、朝御飯を食べたら学校に行き、帰ってきたら親の理想通りに炊事場にたまった食器類を洗い、夕飯の下準備をし、それが終わったら宿題。
しかし、どんなに自分では出来たと思っても、毎日、親の理想通りではないらしく、父親が帰ってきたら、暴力と人格否定。
でも…それが当たり前だと思ってたんだ。
同級生の暮らしを聞くまでは。
だから、どんなに辛くても我慢しなくちゃいけない。不満を抱いてはいけない。だって当たり前だから。親は私のためにやっているんだ。
そう思ってた…
でも、そう言われれば、妹達は1度も打たれたことないなぁ…

私は知った。
何故、親が私に箝口令を強いたのか?
親も人に知られると、マズイことだと知ってたんだね。
知りはした。でも、もうその頃には私の心も麻痺していて、誰かに告げようなんて気はなかった。
私は親にとって、感情のない道具であればよい。それが私に認められた生きてていい証だった…
そんな昔の話。