赤髪金髪コラボで深夜テンションちっくなのを、と。
ライニさんが美人さんで色っぽいのでそういう描写に妙に力が…
アネットだって、たまには狼になるんです←
*attention*
・赤髪金髪コラボで深夜テンション(BL注意です)
・女装状態のライニさんとそれにちょっかいかけるアネットを書きたかった
・ちょっと狼さんになっちゃうアネット
・ライニさんは絶対こういう色気があると思うんです。
…これなら理性とんでも仕方ないかなって(ぇ)
・相変わらずに妄想クオリティ
・ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞー!
「ふぅ……」
静かな部屋のドアを開け、艶やかな金髪を背に流した少年……
ハイドリヒは部屋に入ってきた。
今日は外で遅くの夜会の任務。
よって、現在の彼の姿は黄色のドレス姿である。
幾度もこなした女装任務のため、なれているといえばなれているが、
それでも本来男であるハイドリヒにとって、
女として振舞うことは決して楽な仕事ではない。
挙句、今日は遠くであった夜会に参加していたために、
結局帰りは深夜近くなってしまった。
「疲れ、ましたね……」
ハイドリヒはそう呟いて、ベッドに腰を下ろした。
ヒールの靴を脱いで、一息吐く。
シャワーを浴びてから休まなければ。
でも疲れたしゆっくり湯船に浸かりたい気もする……
それならば湯を張ってこなければ……
疲れきってぼんやりした意識の中でそう考えると、
ハイドリヒはルームシューズをはいてシャワールームに向かう。
軽く浴槽を濯ぐと湯と水を同時に出して、部屋に戻った。
ベッドに体を沈めると自然と溜息が漏れる。
得られた情報も多かったが、遠くだっただけに疲れも多い。
器用に立ち振る舞いつつも的確に情報を聞き出す。
それに費やす体力や精神力はなかなかのものだ。
図らずとも瞼が下がってくる。
―― 少しだけ……湯が溜まるまでならば……
揺らぐ意識の中で自身にそう言い訳をして、ハイドリヒは静かに目を閉じた。
***
それから数分後。
「ラインハルトー?」
相変わらずにノックもなしで部屋に入ってくる少年の姿。
真っ暗な部屋に響くのは浴室から聞こえる水の音。
怪訝そうな顔をしつつ、彼は静かに部屋に足を踏み入れた。
真っ暗で何も見えない。
アネットは部屋にいるはずの彼を呼ぶ。
「ラインハルト?帰ってるんだろ?」
不思議そうに声をかけるも、返事はない。
風呂かな、と思って近づいて声をかけるが、やはり返事はない。
「ラインハルトに限って溺れてる、なんてことはねぇと思うんだけど」
アネットはそう呟きつつ、そっとバスルームの扉を開ける。
人の気配は一切なく、出しっぱなしの湯が浴槽から溢れていた。
アネットはそれを見て慌てて湯を止める。
溢れていた湯は既にバスルームの床をびしょ濡れにしていた。
「ラインハルトにしちゃ、珍しいなー……」
そのまま出かけちゃったのかな?と呟きつつ部屋に戻り……
漸く目が効くようになってきたのか、部屋の中が見えた。
ベッドの上に横たわっている探し人。
「なんだ、居たのか……返事くらいしろよな」
……眠っている人間には無理である。
ただ、アネットは彼の声を聞きたかったらしく、そう呟いていた。
まったくもう、と口を尖らせつつ、アネットは彼に歩み寄る。
ベッドに眠っている彼はアネットが入ってきたことにも気づいていない様子。
長い金髪を白いシーツに広げたまま静かに寝息を立てている彼。
無防備に投げ出された両足。
ふわりと広がる、少し丈の短いドレス。
「外で、パーティの任務だったのか……」
彼の姿を見て、アネットは小さく呟いた。
ベッドの上に寝転がったままの彼は、静かに寝息を吐いている。
規則正しく上下する胸。
男性だということはよく知っているのだが……
あまりに良く似合う、ドレス姿。
幾度も見てきたその姿だが、アネットは"どんな女性より綺麗だ"と思っていた。
無論、それを口に出せばハイドリヒは怒るだろうし、
周りの貴婦人たちにも失礼だと理解しているために口にしはしないが。
「にしても、美人だよなぁ……ラインハルトは」
アネットは彼の顔を覗き込みながら呟く。
長い睫毛が閉じた瞼に影を落としている。
長く美しい金髪は白のシーツの海に流れるように曲線を描いている。
アネットは小さく息を吐いて、"どうするかなぁ"と呟いた。
風呂に入るつもりだったのだろうということは推測がつく。
しかし、こうもぐっすりと寝入っている彼を起こすのは気が引けて。
「……部屋に、帰ろうかな」
彼が出した結論は、それ。
此処で彼を起こして風呂に入らせたところで、
再び彼が風呂で寝てしまうというおそれが高い。
それを防ぐためには、アネット自身が此処に留まるのが得策だろう。
しかし、それを出来ない"理由"がアネットにはあった。
このまま此処にいたら、きっと……
「ラインハルトを、余計に疲れさせちゃいそうだもんな」
アネットはそう呟いて苦笑する。
眠る彼の姿はあまりに美しい。
理性を保つのに、正直必死だった。
仕事で疲れているであろう彼の負担には、なりたくない。
帰ろう、とアネットが呟いたその時。
「ん、……」
ハイドリヒは小さく息を吐く。
ふ、と零れた吐息は何処か色っぽく、アネットは体を強ばらせた。
図らずとも視線を彼に移してしまう。
薄く開いた唇。
化粧をしているのか、ほんのりと色づいた頬。
アネットは困ったように頭を掻いて、ひとつ溜息。
「……ラインハルトの所為だからな」
小さく呟くと、そのままベッドに乗るアネット。
正式に言えば、眠っているハイドリヒに馬乗りになる体勢で。
ベッドが沈む感覚に彼は漸く目を覚ました。
そして、その状態に大きく目を見開く。
「な、なんですか……?」
ハイドリヒは驚いた表情で自分の上に馬乗りになっている赤髪の彼を見た。
彼の碧眼を見下ろしている、ガーネットの瞳。
そこに灯っているのは鮮やかな光。
「あんまり無防備な格好するのなしだぜ、ラインハルト」
「な、にを……」
唐突に、と声を漏らすハイドリヒ。
つかめない現在状況に少々動揺しているのだが、
それを必死に押し殺して冷静に問いかける。
アネットはそんな彼を一瞥して小さく熱を孕んだ息を吐くと、
いつもより幾分低い声で、呟くように言った。
「俺だってお前のこと大好きだし、こうして触れたいんだ。
ラインハルト、仕事忙しそうだからあんまり負担かけたくないし……
ちゃんといつもは我慢してるけどさ、
たまには俺の相手だって、して欲しいんだよ?
ラインハルト、わかってるか?俺がどんだけお前が好きかってこと。
こんな無防備な格好で寝てるお前見たときの俺の気持ち……」
わかってるか?とアネットはハイドリヒに深く口づけた。
相変わらず、お世辞にも上手いとは言えない口づけではあるが、
一生懸命に自分を求める舌使いにハイドリヒは戸惑いつつ応えてやる。
アネットは一瞬驚いた顔をするも、すぐに目を細めた。
「……馬鹿だなー……俺を本気にさせて、どうすんだよ」
「は……?」
微かに上がった息でそういうアネットに、ハイドリヒは不思議そうな顔をする。
アネットはにかっと笑うと、ハイドリヒの両手を軽く押さえて、耳元で囁いた。
「ラインハルトが嫌がったら、俺もやめるつもりだったけど……
もう、無理。俺だって、男なんだからな」
―― 好きな奴の無防備な姿みておとなしくしてろって方が無理だろ?
そんな、若干彼らしくないセリフ。
ついでに言うのならば、それは"男性が女性に言うべきセリフ"だ。
とはいえ、それにツッコミを入れる余裕はない。
ハイドリヒは驚きに目を見開くも、既にアネットは彼の服に手をかけていた。
「ちょ、っと……!アネットさ……」
寝起きで混乱したままの思考でも、ハイドリヒは彼に声をかける。
待て、と。
しかしアネットは小さく笑っただけだった。
「嫌、ってわけじゃないだろ?」
な?と訊ねる彼は、いつもどおりの無邪気な表情。
しかし、その瞳の奥に灯る色は紛れもなく劣情の色。
ハイドリヒはそんな彼を見つめて、少し挑戦的に笑ってみせた。
「全く……貴方がそういう態度をとるとは、思っていませんでしたよ」
内心の動揺を押し隠すように彼は言う。
余裕の表情を見せるハイドリヒを見て、アネットは少し顔を顰めた。
「……ラインハルト、狡いや。
何か、俺がお前を襲ってんのに、お前に弄ばれてるきがするもん」
―― ま、立場なんかすぐに逆転させてやるけどな。
負けず嫌いな彼はそう言って、小さく笑った。
歯を見せて笑う彼。
一瞬それが獣の牙のようにさえ見えた。
肉食獣を思わせる、強い光を灯した赤の瞳。
アネットはハイドリヒが着たドレスをそっと脱がせにかかる。
……が。
「……脱がせにくい」
ぼそり、と文句をいうアネット。
普段のハイドリヒは親衛隊の制服姿だ。
あれならば形もアネットたちの騎士服に似ているから大丈夫。
しかし今のハイドリヒはドレス姿。
無論、女性と"そういう関係"になったことがない彼にとっては難しい所業だろう。
ハイドリヒはおかしさに思わず小さく笑った。
それを見て、アネットはむっとする。
「何で笑うんだよ」
「ふふ、アネットさんがおかしいもので、つい」
「……そんな余裕、すぐになくしてやるからな」
アネットはそう言いつつ、若干強引に彼のドレスをずらす。
そんな彼の様子が何処か愛おしいと感じる自分がいた。
覗いた白い肌に一瞬躊躇うも、アネットは覚悟を決めたようにキスを落とす。
一度軽く噛み付くようにキスをして、痕を刻みこんで。
その甘い刺激にほんの少し肩を跳ねさせるハイドリヒ。
ちら、と顔を上げた彼と目があった。
アネットは若干不服そうな顔をする。
「……何でそんな余裕そうな顔するかなぁ……」
「ん……っふふ、余裕をなくしてやる、といったのは貴方でしょう」
ハイドリヒは妖艶な色を湛えた碧の瞳で彼を見つめ返した。
まだまだ甘い、というように。
わざと挑戦的な口調で返してやれば、一層ムキになるアネット。
なれぬ行為であっても、愛しい彼を酔わせたいという思いが先行していた。
探るように、躊躇うように肌に触れる温かな手。
―― ラインハルトはマジで綺麗だから触るのになんか躊躇っちゃうんだよな。
あれだよ、硝子細工とか俺すぐに壊しちゃうタイプだから。
お前のことは壊したくないっていうか、なんていうか。
ハイドリヒはアネットが以前言っていたことを思い出す。
まさに、彼の触れ方はそれだった。
壊れ物を扱うように、優しく、躊躇いがちな触れ方。
しかし、それはもどかしさを煽るばかりで。
少しずつ高められる熱に、ハイドリヒは時折甘い息を漏らした。
それを感じて、アネットは小さく微笑む。
「やっぱ、ほんとに可愛いや、ラインハルト……
なぁ、俺も……少しは成長しただろ?」
晒した白い胸に軽く舌を這わせながら、アネットはそう問いかける。
気持ちいいか?という問いかけに小さく首をふろうとするも、どうにもうまく行かなかない。
温かな手でそっと腰を撫でられ、びくりと体が跳ねた。
体を痺れさせる快楽に、ハイドリヒは小さく声を上げる。
「は……ん、ぁ……待って、アネットさ……!」
少しずつ余裕がなくなり、甘い声を漏らし始める愛し人。
ガーネットの瞳に灯る劣情の色は濃くなっていく。
「待たない。待てない。……煽ったのは、ラインハルトだぜ?」
―― 今更お預けは聞けないよ、と。
そう囁いたアネットの声に、一層熱は高まって。
彼が熱を含んだ声で囁くいつもの言葉がハイドリヒの体を痺れさせる。
甘い吐息を漏らす彼を見て、アネットは嬉しそうに目を細めた。
―― I love you. So… ――
(お前のことが愛しいからこそ大切にしたい
それと同時にもっと触れたいと言う欲だって感じてしまうんだ)
(まるで壊れ物を扱うように私に触れる彼の手は
躊躇いがちで優しくて、それでも確かに力強くて…)
2013-4-28 23:49