現パロフォルスタでちょっぴりシリアスもの?
というか、トラウマネタです。
スターリンさんごめんなさい
*attention*
・フォルスタss
・現パロ設定
・スターリンさんのトラウマネタ?
・願わくば、一生なりたくない状況←おい
・相変わらずの星蘭妄想クオリティ
・ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞー
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主に創作について語ります。 バトンをやったり、 親馬鹿トークを繰り広げたりします。 苦手な方は、どうぞ戻ってやってくださいませ! (私のサイト「Pure Rain Drop」) → http://id35.fm-p.jp/198/guardian727/
現パロフォルスタでちょっぴりシリアスもの?
というか、トラウマネタです。
スターリンさんごめんなさい
*attention*
・フォルスタss
・現パロ設定
・スターリンさんのトラウマネタ?
・願わくば、一生なりたくない状況←おい
・相変わらずの星蘭妄想クオリティ
・ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞー
―― とある、休日のこと。
「なんで俺がおまえと買い物なんか……」
はぁ、と溜息を吐く、浅緑色の髪の少年。
隣を上機嫌で歩いている茶髪の少年は、笑顔で答えた。
「だって、絶対書記長様の方がこういうののセンスあるでしょ。
僕だってたまにはお兄さんぶってみたいんだよね」
そう言いながら、さっき上のフロアで買った商品の入った袋を揺らす、フォル。
それを見て、スターリンは呆れ顔。
「また怒られるんじゃないか……
お前の妹、女らしい格好するの死ぬほど嫌がってるように見えたけど」
「小さい頃は大人しく着てたのにねぇ……嘆かわしいことだよ」
肩を竦めるフォル。
そう、彼らが此処……大型のショッピングセンターに来ている理由。
フォルはスターリンと一緒に彼の妹へのプレゼントを選んでいたのだ。
―― 僕とデートしてくれない?
そんな冗談めかした電話がかかってきたのは今日の朝。
何のつもりかと言えば、
"フィアにプレゼントを選びたいから付き合って欲しいんだよ"と要件を述べた。
以前、食事をご馳走になった礼のつもりもあり、
そういうことなら……と、付き合うことにしたのだ。
もともと、バイトをしている場所が場所だ。
スターリンのセンスは確かなもので、フォルも直ぐに気に入ったものを見つけた。
ただ……それを受け取る人間……フィアの好みはまるで無視したもの。
スターリンはそれがプレゼント、というよりはただの嫌がらせになる気がしたが、
本人(あに)がそれがいいというのだ。
"自分が知ったことではない"とスターリンはとりあえず選ぶのを手伝ってやった。
「ボーイッシュな格好を好む妹に、
フリルのワンピースを買ってやるお前の気がしれない……」
「嫌がってる顔も可愛いと思わない?」
にっこり、と笑うフォル。
彼らしいといえばらしいが、どこまでも……
「悪趣味だな……」
嫌がっている顔を見たいとは。
これ以上嫌われたら本気で此奴は妹に刺されるんじゃないか、と若干不安になった。
しかし、フォルは全く気にしていない。
「大丈夫だよ。フィアもあれで一応女の子だからさ。
外出するときはたまにちゃんと女の子らしい格好してるし、無駄にはならない」
「その点は心配してねぇけど……」
「ついでにお菓子でも買って行けば機嫌直すと思うし」
「お菓子って言うと……一番下のフロアじゃねぇかよ」
「最後に寄ろうと思ったんだよ……あ、ちょうどエレベーター来たね」
上がってきたエレベーターに乗り込む。
偶然ほかに客はおらず、フォルはほっとした顔をする。
彼は、人が多い空間が嫌いなようで。
最初に乗ったエレベーターは人が多すぎて、
乗っただけなのに「疲れた」とこぼしていたくらいだ。
「貸切だね」
「こんな短時間で貸切もなにもあるかよ……」
何も嬉しいことねぇよ、とスターリンが言おうとしたとき。
不意に、エレベーター内の電気がふっと消えた。
モーター音も止まり、あの下降するエレベーター独特の浮遊感もなくなる。
スターリンは目を見開いた。
「え……!?う、そだろ……?!」
「あー……電気落ちちゃったのかな」
かちかち、とフロアのスイッチを押すフォルだが、反応はない。
非常用の電話のボタンを押すも、反応なし。
動きもしない。モーター音も聞こえない。
ついでに、電気もない。真っ暗だ。
「非常時に使えないなんて意味ないじゃない、これ」
呆れたように溜息をついて携帯を開くフォル。
しかし、生憎電波状態は劣悪。
これでは外に連絡を取ることも不可能。
「やれやれ……これは、外の救助待ちか」
ふぅっと息を吐いて、フォルは一緒にいる彼の方に視線を移す。
そして、彼の様子がおかしいことに気づいた。
落ち着いている、のかと思ったらそうではないようで。
小さく、肩が震えていた。
「?書記長様?」
フォルはそんな彼を不思議そうに見て、大丈夫?と、肩に軽く触れる。
すると大げさなまでに跳ねる、彼の肩。
「や、やだ……」
聞こえた声は、か細く震えていた。
顔を覗き込むと琥珀色の瞳が、小さく揺らいでいる。
彼の吐く呼吸は浅く、速い。
フォルはこの空間でも至って平然としていたが、彼はどうやら違うようで。
スターリンはこの状況に酷く混乱し、怯えていた。
微かに頭に浮かぶ、"記憶"の中で、
暗闇も、狭い部屋も、彼にとっては辛く、苦しい記憶……――
今は違うと、わかっているのに。
ちらついて消えない、恐ろしい幻影。
フォルはそんな彼を見て、そっと呼ぶ。
「書記長様……」
カタカタ、と小さく震える彼の体を、そっと抱きしめる。
スターリンは軽く振り払おうとしたようだが、それが精一杯の強がりで。
大した力も効果もなかった。
「暗いところ、ダメなの?」
フォルは静かな声で、問いかける。
震えている、挙句漆黒の闇の中では彼の表情もよく見えない。
しかし、微かに頷いたように、見えた。
フォルはふ、と息を吐くとそっと彼を抱きしめて、一緒に座る。
「座っていよう?たってるの、辛いでしょ?」
スターリンは答えない。
しかし、フォルが支えながら座ると、彼もそのまま座り込む。
声が聞こえているのか、それとも単にフォルの体の動きに合わせただけか。
どちらかは、わからない。
エレベーターの壁に寄りかかったまま、二人は座っていた。
顔を俯けたままのスターリンからは、表情を見て取ることはできなかった。
しかし、彼の様子を見ているだけで、何となくわかる。
感じているのは紛れもない、恐怖。
それはこの漆黒の空間に対するものか、
狭いエレベーターの個室に閉じ込められているという状況に対するものか、
……はたまたその両方か。
いくら鈍いフォルでも、それは理解できた。
親が子供を抱きしめるように、フォルはそっとその体を抱きしめる。
そっと頭を撫でながら、穏やかな声で言う。
「大丈夫。ひとりじゃないから……僕も、此処にいるよ」
自分がパニックを起こす質でなくてよかった、と思う。
共にいるこの少年を慰めることができてよかった、と。
「早く……復旧してよね」
ぽつり、とフォルは呟く。
別に、自分ひとりだったら何時間閉じ込められても平気だっただろう。
しかし、現在は状況が違う。
愛しい人が、隣で怯えている。
少しでも早く、この人を安心させてあげたい……
そう思った。
「書記長様、顔上げてご覧」
「フォル……?」
何で、と言うような顔をしつつ、スターリンは顔を上げた。
だいぶ闇に慣れてきたためか、微かに涙で潤んだ瞳が、見えた。
フォルはそれを見て微笑む。
「僕の顔、ちょっとは見えるようになったでしょ。
暗順応、って言うんだよ。生物で習った?
一年生じゃやらないかな……」
こんなところで彼が勉強の話を出すとは思っていなかった。
しかし、彼なりの……精一杯な、励ましだった。
なんでもいい。この漆黒の空間から、彼の意識をそらしたくて。
「……瞳が、目立つ……な」
スターリンは小さく、震える声で言う。
滲んだ、暗い視界でもはっきりと見えたのは、蒼色の瞳。
まるで猫の目のようにきらめくそれは、暗闇でも目立って見えた。
―― 無論、未だ恐怖は消えない。
しかし、彼が精一杯返答したのは、
自分が怖がっていること、怯えていることを少しでも隠したいからか。
フォルは微笑みを崩さないまま、そっとスターリンの頬に触れた。
「よく言われる。フィアにもね、"おまえは猫か"って。
……ね?僕は傍にいるよ、大丈夫。
すぐに明るくなるから……少しだけ、我慢してて?」
スターリンの体をしっかりと抱きしめるフォル。
華奢な体はすっぽりと、その腕の中に収まる。
フォルは怯える彼を安心させようとするように、
優しく、しかし力を込めて抱きしめていた。
「知らなかったな。君が暗所恐怖症だって」
知っててもどうにもならなかったけどね、
と言いつつフォルはそっとスターリンの長い髪を梳く。
スターリンは少し躊躇ってから、その背に腕を回した。
なんでもいい。
縋れるものが、欲しかった。
傍にいる彼に触れていれば、
ほんの少しであっても恐怖は薄れる、気がして。
と、その時。"管理棟です、大丈夫ですか?"という声が聞こえた。
どうやら、電気が復旧したらしく、
緊急連絡用の装置が使えるようになったようだった。
フォルは"ちょっとだけ離してね"と言ってスターリンから離れると、
装置に向かって、言う。
「大丈夫には大丈夫だけど、さっさと動かしてくれないかな?
早く外に出たいんだよ、僕たち」
フォルはぴしゃり、と言うとさっさとスターリンの傍に戻った。
「もうちょっとしたら、出られると思うから。
……もう、今度からはエレベーター使うのやめようか、歩く?」
冗談めかした口調でいう彼の言葉に、純粋に今は安心できた。
***
その、帰り道。
無事にエレベーターから出られた二人は、しばらく休憩してから店を出た。
空は、夕暮れ。
かなり時間が経ってしまっていたが、暗くなる前には帰れて、二人共ホッとする。
「ふぅ……大変な目にあったね」
にこ、と笑っていうフォル。
スターリンは無言で、答えなかった。
フォルは首をかしげる。
「書記長様?大丈夫?」
「……大丈夫」
「……さっきのことなら、気にしなくていいからね?
人間誰しも、怖いものくらいあるさ」
ね?と言って笑うと、フォルはスターリンの手をそっと握る。
「な、にするんだよ……」
「手、つないで帰ろうよって」
「嫌だ……」
「いいじゃん。さっきはあれだけ甘えてきてくれた癖に」
その言葉にスターリンはカッと顔を赤くする。
"もう忘れろ!"というが、フォルは笑顔で首を振る。
「可愛かったよ、君には悪いけれど……」
「おま、え……!」
いいかげんにしろ、と言おうとしたが。
ふと、振り向いたフォルは、真剣な顔。
「でも、怯える顔はもう見たくないな」
それを見れば、聞けば、もう何も言えなくなる。
本気と冗談を半分半分で。
彼は、笑ってそういうから。
「……もう、俺はお前という人間がわからないのだよ……」
スターリンはため息混じりに、そういった。
フォルは笑顔で言い切る。
「僕は、僕だよ。
ね、書記長様?たまには頼りになる、って思ってくれたかな?」
くすり、と笑った彼に、スターリンは"思わねぇ"と返答した。
しかし、内心……少なからず、
"あの場に彼がいてくれてよかった"と思っていたのも、また事実で……
―― 漆黒の闇の中で ――
(改めて思ったんだ。"彼が愛おしい"と)
性 別 | 女性 |
年 齢 | 29 |
誕生日 | 7月27日 |
地 域 | 静岡県 |
系 統 | おとなしめ系 |
職 業 | サービス |
血液型 | AB型 |