シュタウフェンベルク兄弟でのお話です。
ほのぼのな三者面談…なお話を。
三者じゃなくなってるけど気にしちゃいけない←おい
*attention*
シュタウフェンベルク兄弟でのお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話です
ほのぼのなお話です
三者面談ネタなお話です
三者…ではない←
とりあえずペルを可愛がるお兄様たち
ペルもそれに喜んでるだろうなと
先生はちょっと苦笑してればいい(笑)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
いつも通りの穏やかな夜。
夕食を終えた後、長い黒髪の少年……ペルが一枚のプリントを持って、リビングに来た。
「兄さん、これ……」
出すの忘れてた、とペルはいう。
いつもならば夕方に家に帰ってきた時にプリントを出す。
しかし今日は出し忘れてしまったらしい。
ベルトルトはそれを受け取って視線を向ける。
そして、そのプリントに視線を走らせた。
目を細めつつ、呟くように言う。
「へぇ、三者面談かー」
そう。
ペルが持ってきたのは三者面談のお知らせのプリント。
ベルトルトの言葉にペルはこっくりと頷きながら、言った。
「うん、進路のこととか、色々……お話、するんだって」
そういうペル。
ベルトルトはそれを聞いて瞬きをする。
そして、穏やかな表情を浮かべながら、言った。
「そっかそっか。
ペル、進路は普通に、学校の高等部にすすむんだよね?」
そう問いかけるベルトルト。
ペルは小さく頷いた。
そして目を伏せながら、小さく溜息を吐き出しながら言う。
「うん……ほんとは、兄さんたちと同じ学校、行きたいけど……
ふらぐめんと、じゃないと、駄目なんでしょ?」
小さく呟くように言うペル。
唇を尖らせている彼は、何処か残念そうだ。
彼の兄たち……ベルトルトやアレクサンダー、クラウスが通う高校はフラグメントしか入学できない。
上の兄たちは卒業してしまうけれど、クラウスはまだ通っているわけだから出来る事なら入学したいが……
それは、叶いそうにないわけで。
とりあえずは今通っている学園の高等部に進学するよ、と彼はいう。
ベルトルトはその言葉に目を細める。
そして小さく頷きながら、言った。
「そうだねー」
「大学からだからな、一般入学も可能になるのは」
話を聞いていたようで横から顔を出したアレクサンダーもそういう。
よしよし、と頭を撫でる兄たち。
ペルはその手を感じながら言った。
「頑張って、高校卒業する……」
「はは、そうだな」
良い子、とアレクサンダーは彼の頭を撫でる。
そんな彼らの様子を見ながら、クラウスは言った。
「それで、面談はどうする?いつだ、ペル」
そう問いかけるクラウス。
ペルはぱちぱち、と瞬きをしながら、言った。
「土曜日……兄さんたちが学校ないときの方が良いだろう、って」
先生がそういってた、とペルはいう。
それを聞いてベルトルトは目を細めて、言った。
「先生流石だなぁ」
ペルの担任である教師は、彼の家の事情も知っている。
保護者がわりである兄たちも、ペル同様に学生だ。
平日だと、都合が悪いだろうと、学校がない、或いは半日であろう土曜日に面談の日程を組んでくれたらしかった。
「で、誰が行く?」
そう問いかけるベルトルト。
アレクサンダーがペルの頭を撫でながら、言う。
「俺が行くよ、別に用事もないし」
「いや、僕が行くよ」
僕も何もないし、とベルトルトも言う。
ペルは少し驚いたように兄たちを見上げた。
そんな彼らのやり取りを見て、三男であるクラウスがいった。
「兄さんたちはすることもあるだろうし、私が行こう」
私には家の手伝いもさしてできないし、というクラウス。
僕が、俺が、いや私が、と終わりのないやり取りをする彼ら。
それを見て、ペルは少し困ったような顔をしていた。
暫し騒いでいた兄弟だったが、話が一段落するとペルの方を見た。
そして、彼に問いかける。
「ペルは誰が来てほしい?」
その問いかけにペルは大きく目を見開いた。
そして視線を彷徨わせる。
兄三人は自分をじっと見つめている。
彼ら三人ともが自分を大切に思ってくれていることは、良く分かっている。
暫し悩んだペルは目を伏せた。
それから小さく息を吐き出す。
そして顔を上げると、口を開いた。
「……僕、は」
***
―― 土曜日。
普段は学校がないその日。
ペルはいつも通りの自分の教室に来ていた。
面談用に並べられた椅子に腰かける。
そんな彼と、その保護者を見て、彼の担任教師は少し困ったような顔をした。
「えーっと……」
苦笑する彼。
自分の前に座っている"四人"を見て、言った。
「三者面談っていうのは、生徒と保護者の方、そして教師の三人でするものなん、だけど……」
どうしたものかな、という彼の目の前にいるのは、ペルとその兄である三人。
つまり四人いるわけで。
普通の面談ではない。
そう言いたげな教師。
ベルトルトはにっこりと笑いながら、言った。
「兄三人でちょうど良いかなって」
三者だし、と彼はいう。
それを聞いて、教師は思わず噴き出した。
「いや、まぁ、いいんですけどね。さ、始めましょうか」
そういってトン、とファイルを机の上で整える。
そして、ペルの黒い瞳を見つめながら、言った。
「えっと……進路は、決めてるのかな?」
そう問いかける担任。
ペルはこくん、と頷いて、言った。
「此処の、高校、行く……つもり」
です、とペルはいう。
それを聞いて教師はにっこりと笑いながら、言う。
予想できていたことらしい。
「そっかそっか。
お兄さんたちも、それは聞いてますよね」
その問いかけにベルトルトが頷いた。
昨日ある程度の話は聞いていた。
「聞いてますよ」
「ペルは勉強も好きだし成績も良いから問題はないですね。
外部入試も可能だけど……まぁ、必要ないね」
そういう彼。
ペルは担任の言葉にこくり、と頷いた。
「うん……」
「進路関連はこれくらい、かな?
後は、学校生活とかそのあたりで気になるところありますかね。
ちょっと特殊な環境だからお兄さんたちも心配なこととかあれば……」
そう問いかける教師。
兄たちは顔を見合わせる。
クラウスが顔を上げると、首を傾げつつ問いかけた。
「ペルは、楽しそうにしてますか?」
一番気になることはといえばそれ。
家では楽しそうに話しているけれどもしかしたら、ということもある。
やや心配性な兄として気にかかるところだった。
そんな彼の言葉に教師はにこりと笑って頷く。
「えぇ。
お兄さんたちと暮らすようになってから、とても楽しそうにしているよ。
私としても彼のことはずっと気にかかっていたから良かった」
そういって微笑む教師。
それを聞いて、兄たちも嬉しそうな顔をする。
「それならよかった」
「俺たちもそれなら何よりだ」
「あぁ」
良かった、と嬉しそうに笑いながら、笑う兄弟三人。
ペルはそんな兄たちを見て嬉しそうに笑う。
そんな彼らの様子を見て、教師は穏やかに笑っていたのだった。
―― Parent and child meeting ――
(笑顔がなかった少年に笑顔を与えた、彼の"兄"
そんな彼らと直接会ったのは初めてだったけれど…)
(幸せそうに笑い合っている兄弟。
その姿を見ていると自分まで何だか幸せになってきて…)