久々にシュタウフェンベルクご兄弟でのお話です。
仲良しな兄弟でぎゃあぎゃあやっているところを書きたくて…←
不器用な弟さんだったら可愛いと思った結果な話ですすみません…←←
*attention*
シュタウフェンベルクご兄弟でのお話です
ほのぼのなお話です
ヘフテンさんもちょろっと
兄弟でワイワイなお話です
小さい頃からずっと一緒だからこそ、という風を出したくて…←
スキンシップ過多なお兄様良いと思うのです
それにやや戸惑いつつも、っていう弟さんなら可愛いなと(^q^)
そして結局こういうテンションになるのでした←おい
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
穏やかな秋の空気。
それを吸い込んで黒髪の少年……クラウスは青い瞳を細める。
澄んだ空気。
穏やかな風。
秋独特の、何処か落ち着いた、物悲しいような……そんな空気。
「たーいさ!」
ぽんっと後ろから誰かに飛び付かれた。
クラウスはその衝撃に少し驚きつつ振り向く。
飛び付いてきたのはにこにこと笑っている、金髪の少年。
予想はついていた。
そう思いつつクラウスは小さく息を吐き出す。
「ヘフテンか……どうした?」
さりげなく彼を引き剥がしつつ、クラウスは彼に問いかける。
少しそっけないその反応に剥れたような顔をしつつ、ヘフテンは彼から離れた。
そしてクラウスを見つめながら、微笑んで、いった。
「お兄様たちがお見えですよ。
大佐がお出掛けだったようなので、探しに来たんです」
その言葉を聞いてクラウスは納得したように頷いた。
彼の兄たち……ベルトルトとアレクサンダー。
クラウスが仕事で国を離れている時には、彼らの方から遊びに来ることがある。
今回もどうやらそのケースらしい。
彼はそう思いながら小さく溜め息を吐き出す。
別に、兄たちが遊びに来ることは嫌なことではない。
寧ろ歓迎している。
クラウスも、兄たちのことは大切だと思っているし、大好きだから。
けれど……
彼らの弟好きが少々過剰すぎるから、それだけがやや不安要素。
最近仕事が忙しくて家に帰る時間も少なかったし、
兄たちと一緒に過ごすことも少なくなっていたから……
「いつも以上に、だろうな……」
クラウスはぼそりとそう呟く。
ヘフテンはそれを聞いてきょとんとしてた。
「?どうかしましたか、大佐?」
「いや……何でもない。
今日は別段任務はなかった、よな?」
クラウスはヘフテンにそう問いかける。
ヘフテンは少し考え込んでから小さく頷いた。
「えぇ、ありませんよ。
たしか今日が締め切りになるような書類もありませんでしたし……
お兄様たちに会うのも、久しぶりでしょう?」
ゆっくりしてきてくださいね、とヘフテンは笑顔でいう。
彼はいつもそうだ。
クラウスが兄たちとあっている時には気を使っているのか姿を消している。
別にそこまで気にしなくてもいいと思うし、兄たちもいいと言うのだけれど、
ヘフテン自身がせっかくの兄たちとクラウスの団欒を邪魔したくないと思うようで、
いつも途中まで一緒にいても姿を消してしまうことが多いのだった。
一緒にいても構わないのにといってもたぶん同じことだろう。
そう思って小さく息をはきつつ、クラウスは小さく頷いた。
「あぁ、いってくる。
ヘフテンもゆっくり休んでいてくれ」
そういって彼が休んでくれるかは、わからない。
けれど仕事をすることはないという意味を込めて、クラウスは彼にいう。
それを聞いてヘフテンはにこりと笑って、頷いた。
「了解です大佐、ありがとうございます」
笑顔で言う彼の頭を軽く撫でる。
大きな彼の手を感じてヘフテンは嬉しそうに目を細めた。
―― また彼とも出かける時間を作りたいな。
兄達と一緒に居る時間もだいぶ少なくなっていたけれど、
それと同時、仕事以外の時間でヘフテンと過ごす時間もだいぶ少なくなっていた。
だから、彼とゆっくり過ごしたい。
……そんなこと、本人の口の前で言うことは出来そうになかったけれど。
密かにそんなことを思いながら小さく息を吐き出すと、
クラウスはヘフテンが教えてくれた兄達が来ているという部屋に向かったのだった。
***
そうして辿り着いたのは彼らのいる部屋。
ドアを軽くノックして開けば、室内の椅子に腰かけている自分そっくりな二人の兄の姿。
「クラウス!」
ぱっと椅子を立ってクラウスの方へ来たのは長兄であるベルトルト。
彼は躊躇いも何もなしに彼をぎゅっと抱きしめた。
その行動にクラウスは思わず体を強張らせる。
「ちょ……っ、兄さん……」
さっきのヘフテンもそうだが、どうして自分の周りの人間はこうスキンシップが過多なのか。
……否、主にこの兄が、だけれど。
「ベルトルトクラウス困ってるぞー?」
そういいながら苦笑を浮かべている次兄、アレクサンダーだが、
彼も別に、クラウスからベルトルトを引きはがそうとはしない。
寧ろ、隙あらば自分が抱き付こうとしている始末だ。
やれやれ。
そう思いつつクラウスはやや諦めの溜め息を吐き出す。
そしてやや強めの力でベルトルトの体を押した。
「はなれてくれ兄さん……恥ずかしい」
ぼそりと彼は言う。
事実恥ずかしがっているようでクラウスの頬は赤く染まっている。
そんな彼を見て少し唇を尖らせながら、ベルトルトは言う。
「恥ずかしいって……
僕とクラウスの仲なのに」
「いや、私と兄さんの仲だからこそまずいだろう……」
兄弟でべたべたしているのは、おかしいだろう。
クラウスがそういうとベルトルトは一層拗ねた顔をした。
「小さい頃はそんなこと言わなかったのになぁ」
「そうだなぁ、小さい頃は抱き付こうが何しようが嬉しそうにしてくれてたのに」
ベルトルトばかりかアレクサンダーまで加勢する。
そんな彼らの反応にクラウスは面食らった顔をした。
あわあわと、視線を彷徨わせる。
「こ、子供の頃は子供の頃だろう……」
そう吃りつついうクラウス。
彼の頬は赤く染まっている。
確かに幼い頃は何も躊躇いなんてなかった。
兄と抱き合うのはスキンシップだったし、下手をすれば挨拶がわりに軽いキスさえした。
それがやや過剰すぎる兄弟間スキンシップであるとわかったのは、
今も親しくしているクヴィルンハイムに指摘されてから。
それまではあまりオカシイという自覚はなかったものだから……
恐らく、その頃からだろう。
一応、兄と過剰にそういうスキンシップをとるのを避けようとしたのは。
兄たちはそれが少し寂しいらしい。
……もっとも、それがやや極端であることは本人たちも知っているようで、
その上で弟への愛情を示しているような気がするけれど。
「ちぇー……面白くないなぁ」
ベルトルトはそういいつつ溜め息を吐いてクラウスを離す。
クラウスはそれにほっと息を吐き出した。
はなれていった温もりがほんの少し寂しいような気はしたが……
それを口に出した場合、間違いなく兄が調子に乗るから、言わないけれど。
「でも、本当に久しぶりだよなぁ、クラウスと会うの」
気を取り直したようにアレクサンダーがいう。
クラウスはそんな次兄の方へ視線を向けて、いう。
「本当にそうだな……
兄さんたちが二人で遊びに来るのも、久しぶりだし」
「クラウスはなかなか帰ってこないしね。
仕事忙しいの?」
ベルトルトはクラウスに首を傾げてみせる。
クラウスは小さく頷いて、答えた。
「あぁ。でも、だいぶ落ち着いてきたから……」
近いうちに帰ると思う。
クラウスがそう答えると二人の兄は嬉しそうに笑った。
「そっか、それならよかった」
「帰ってきたら一緒に夕飯も食べれるもんな!」
それが楽しみだよ、と彼らは言う。
仕事のためとはいえ、なかなか帰れないことに微かに罪悪感が湧く。
しかし今の言葉通り、もうすぐに家に帰れる。
そうしたら、彼らと幼い頃のように一緒に買い物に行ったり、食事をとるのもいいだろう。
「楽しみ、だな」
彼はぼそりと呟く。
頬を微かに、赤く染めたまま。
そんな末弟の可愛らしい発言に一瞬固まった後、二人の兄は同時に彼を抱き締めた。
「可愛いこと言いやがってクラウス!」
「あーもう!こういうとこは変わらないんだから!」
そんな二人の勢いと声の大きさにクラウスは思わず声をあげた。
「兄さんたち頼むから少し落ち着いてくれあと離れろ……!」
外まで聞こえたら恥ずかしい。
ついでに人がこようものなら一層だ。
そう思いつつも、心の何処かでこうして兄弟三人で一緒に居られることを幸福におもう自分もいる。
クラウスはそんなある意味複雑な感情のまま、小さく溜め息を吐き出したのだった。
―― 仲良きことは…? ――
(仲良きことは美しきかな、などというけれど…
兄弟間でこの距離感というのはアリなのだろうか)
(でも、兄さんたちの行動に少し戸惑いつつもこうして一緒に居られるのは嬉しいと思う。
それは間違いなく、事実なのだよな…)