学パロ科学者道化師コラボのお話です。
ムッソリーニさんの卒業式後のお話を…
深夜テンションにいきかけたのを止めました←おい
*attention*
科学者道化師コラボのお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話です
ほのぼのか甘めなお話です
ムッソリーニさんの卒業式のあとのお話で…
幸せすぎて怖い、って思ってるのってかわいいなぁと思いまして…←
カルセから指輪を贈らせたかったのです(^q^)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がokと言うかたは追記からどうぞ!
綺麗な月明かりが射し込む、マンションの一室。
そのベランダに立って月を見上げているのは金髪の少年……ムッソリーニ。
綺麗な満月。
もしかしたら少し欠けているのかもしれないけれど、
肉眼では感じとることができない、たぶん満月だろうなと言うような月。
それを見上げながら、ムッソリーニは青い瞳を細める。
そんな月がまるで自分の気持ちみたいだな、と思いながら。
満たされている、と思う。
すべてを、満たされていると思う。
でも、それが本当にきっちり満たされているのか、
またその満たされている状態が幸せすぎて、欠けることが少し怖い……
そんな気分。
机の上におかれた卒業証書。
今いる場所は愛しい恋人の部屋。
恋人本人は現在シャワーを浴びにいっているけれど、
ほどなくして帰ってくるだろう。
無事に大学が決まって。
無事に卒業できて。
愛しい愛しい恋人と一緒にいて……――
「幸せすぎて、怖いなぁ……」
ムッソリーニはそう呟くと、苦笑した。
幸せすぎて怖い、と。
この状態が幸福すぎて怖いのだ、と。
ずっと、変わらないと思っていた。
とにかくはしゃいで周囲を笑わせて、でも自分はついつい心の奥に苦しさを隠して。
それには誰も気づいてくれなくて、それでもいいと思う日々が続くと思っていた。
ヒトラーにとってのクビツェクのような。
スターリンにとってフォルのような。
そんな存在がほしいと、思い続けていて……
そんな彼の願いは、ある日突然叶った。
自分より一回り年上の、男性が現れてから。
彼は、ずっと自分を見ていたと言う。
危なっかしいと、彼はそういって苦笑していた。
彼は感じ取ってくれた。
ムッソリーニが笑顔の裏に隠した涙も、来るしさも、虚しさも。
それを感じ取って、隠さなくていいといって、抱き締めてくれた。
大人っぽくて、色っぽくて、少し悪戯好きな、愛しい"恋人"……――
そうだ。
心から、安心して彼のことを"恋人"と呼べる。
それも、嬉しいことだった。
彼は教師。
自分は生徒。
そんな関係が、続いていたから。
幾ら学校は違うとはいえ、教師と生徒の恋愛等、許されるようなものではないだろう。
致し方ないことと知ってはいても、やはり少し不安だったし、怖かった。
他の恋人たちのように表立ってデートすることも出来なかったし、
ばれたらどうしようとひやひやすることも多々あった。
でも、もうそれを心配することもない。
自分は、もう高校生ではないのだから。
ムッソリーニがそう思うと同時。
「風邪を引きますよ」
不意に後ろからかけられた声。
ぎゅっと抱き締められる感覚。
他でもない恋人……カルセの声と温もりだった。
「もう大分冷えて来ていますから。
ちゃんと室内に入っていてくださいな?」
髪も濡れていますよ、といいながらカルセはムッソリーニの髪を撫でる。
そんな彼の手に擽ったそうに首を竦めつつ、彼と一緒に部屋に帰った。
「そういうカルセさんも髪びしょ濡れじゃん」
風邪引いちゃうよ?といいながら、ムッソリーニは長いカルセの髪を撫でる。
それは確かにまだ濡れていて、絞れば水滴が落ちそうだ。
カルセはそんな彼の言葉にふっと笑いつつ、軽く髪を梳いて言う。
「本当は乾かしてから出てこようと思ったんですけどね……
貴方が何やらベランダに一人で佇んでいるのでどうしたのかなと」
そう思って、とカルセは言う。
ムッソリーニは彼の言葉に一度大きく目を見開くと、すまなそうな顔をしていった。
「ごめん、俺の所為だね」
「貴方の所為と言う訳ではないですよ」
カルセはそういいながらそっとムッソリーニの頬にキスを落とす。
そして小さく首をかしげながらいった。
「それで?貴方は一人ベランダで、何を黄昏れていたんです?」
彼の問いかけにムッソリーニは瞬く。
そして、苦笑を漏らしつつ、いった。
「あぁ……幸せすぎて怖いなあ、って」
そう思ってたんだよ、と言うムッソリーニ。
カルセは彼の言葉を聞いて不思議そうな顔をする。
更に首をかしげた彼を見て、ムッソリーニはいった。
「無事に大学決まって、無事に卒業できてさ……
そればかりか、こうやってカルセさんが一緒にいてくれて……
それが、俺にとって、すごく幸せなんだよ」
「そう思ってくれるのは嬉しいのですが……
それがどうして怖いのですか?」
やはりそこが、納得いかないらしい。
ムッソリーニはそんな彼を見てくすっと笑うと、いった。
「そうやって、いきなりすんごく幸せになっちゃったからさ……
夜に眠って、目を覚ましたら全部夢なんじゃないかなぁって思ってさ」
すべてが幸福で、満たされている。
だからこそ、それが実は夢だったなんてことがないかと、不安にさえなるのだ。
或いはこの幸福が明日には消えてしまうのではないか、と……
そう話すムッソリーニを見つめて、カルセはまばたきをする。
そして、ふっと笑った。
「馬鹿なことを言いますねぇ……」
カルセは小さく呟く。
そして、ひょいっとムッソリーニの華奢な体を抱き上げた。
「わ?!」
驚きの声をあげる彼を構わず抱いたまま歩いて、ベッドルームに入る。
そして大きなベッドの上に彼を下ろした。
「!か、カルセ、さ……」
彼がなにをするつもりなのか想像がついたらしく、ムッソリーニは頬を赤くする。
わたわたと焦ったような表情を浮かべている彼だが、逃げる様子はない。
カルセはそんな彼を見て藍色の瞳を細めて、彼の上に乗る。
ぎし、とベッドのスプリングが軋んだ。
「ふふ、可愛い反応は相変わらずですねぇ……
でも、こういうことも本当にOKな訳でしょう?」
―― もう私たちは教師と生徒じゃないのですから。
カルセはそういいながら、ムッソリーニの唇を優しく塞いだ。
そして緩く舌を絡める。
「ん、んぅ……ふ、あ……」
キスの合間にムッソリーニの口から小さく息が漏れた。
それを感じて、カルセは微笑む。
「まだこのキスには慣れませんか?」
そう問いかけるカルセに、ムッソリーニはこっくりと頷いた。
少しうっとりとした様子の彼。
それを見て、カルセはふわりと笑いながら、そっと彼の金髪を撫でる。
「可愛い人ですねぇ……」
「んん……っ」
そっと首筋にキスを落とされて、ムッソリーニは体を強張らせる。
カルセは彼の首筋にそっと舌を這わせてから、一度体を離した。
そして、一度部屋着のポケットに手を差し込んだ後、
不思議そうな顔をしているムッソリーニに何かを差し出した。
「これ、受け取ってくれますか?」
「え?これ……」
ムッソリーニは差し出されたものを見て、驚いたような顔をした。
カルセに差し出されたのは、指輪。
シンプルなデザインの、シルバーの指輪だ。
凝った装飾はない、リング。
それが却って……結婚指輪か何かのように見えた。
カルセはムッソリーニの手を取ると、そっとその薬指に指輪を通す。
サイズは、ぴったりだった。
「貴方が高校を卒業したら渡そうと、そう思っていたんです」
私も同じものを持っていますよ、といいながら、
同じような指輪をポケットから取り出して、指にはめる。
「え、ぺ、ペアリング……?」
ムッソリーニの問いかけにカルセはこくりと頷いた。
そして悪戯っぽく笑いながら、問いかける。
「嫌ですか?私とペアリングでは」
「!ううん、嫌じゃない……!」
すごく嬉しい。
ムッソリーニはそういいながら、へにゃりと笑った。
カルセはそんな彼を見つめて、嬉しそうに微笑む。
「それはよかった……
ならば、貴方が私を嫌いになる日まで、持っていてくださいね?」
そういって、カルセは微笑む。
ムッソリーニは彼の言葉に頷きながら、いった。
「わかった……だったらたぶん、もう外さなくていいと思うな」
そういいながら、ムッソリーニは彼に指輪をはめられた手をそっと撫でる。
この指輪は、もうはずす必要がないと思う。
自分が貴方を嫌う何てこと、ないとおもうから。
そんなことをいいながらムッソリーニは笑った。
カルセは彼の言葉に藍色の瞳を一度見開いた後、幸福そうに微笑んだ。
そして、優しく彼を抱き締めて、言う。
「貴方は本当に……それを狙って言わないから、恐ろしいですよ」
恐ろしいほどに愛しい。
そういいながら、カルセはそっとムッソリーニに口づけたのだった。
―― 愛情の証を ――
(今更形に見える愛情何て要らないかとも思ったけれど
この幸福が消えるかもと貴方が恐れるのならば形に残る愛をあげましょう)
(指に通された揃いの指輪。
それには微かに彼の体温が移っていて…)