推測を裏付けるように、声。

「……だ、見つからないのかしら?」

「へぇ」

「そう、残念だわ。若い子も欲しかったのよ? ……でもしょうがないわね。そろそろ始めるわ」

女将だった。武器を持った男達と和やかとも言える調子で談笑している。
その姿は先刻と変わらないが、纏う気配が一変していた。かぐわかしい腐肉の花を思わせる、おぞましい芳香へと。
女将が何事か唱え始めると、死体の下に幾何学模様が明滅する。少年が息を呑み見つめる先、呻きを上げ死者達が身を起こした。