「ブレーキなんかかけなくていいわ!! ひたすら突っ走る、のみっ!!」

「呼んだ? え、呼んでない!? やだ冷たいじゃない!!」

「とりあえず青春って言っとけば許されるような気がする曖昧さと青臭さとやけくそ気味の強引さが青春の醍醐味でしょ!?」

「今日の夕飯は季節野菜のてんぷらですーん」

「はーん! ちおりんちおりんちおりんちおりーん!!」

「やだっ、テストのヤマ全部外れた……!!」

「新刊の発売日なのに近所の本屋に入荷してないなんて!! 信じらんないっ!!」

「ちおりん聞いて、大変よ!! あたしたち高校卒業するまでロリータってカテゴリに分類されちゃうみたいなの!! どうなってんの法律!!?」

「得意料理は肉じゃがよん!」

「おせんべ食べる?」

「にゅふーん。もうー千織ったらー。くねくね」

「なんでうちの学校は屋上が閉鎖されてんのかしらん。屋上でおべんと食べたかったにゅー。あ、ほらちおりん、あーん。美味しい?」

「こう、腰に手を当ててぇー、セ・ク・シ・ィ!!」

「そうね、全ては遅すぎたのよ……」

「あたしは補欠と書いて〈ベンチを暖める者〉だから」

「うにゅーん……部活引退してから体鈍っちゃった」

「大地鳴動と書いてアースクエイクと読むはず!!」

「……好きな人はいないけど恋はしてみたいというユミナっちの気持ち、あたしにはちょっと理解できてなかったりする」

「彼氏彼女の関係になるよりぃ、大人数で一緒にわいわいやりたいんだけどねん……」

「やっぱし高校はブレザーがいいわ! 可愛いやつ!!」

「おひゃよんユミナっちー! ……ってどうしたの、朝っぱらから顔がグラデってるわよ!? 何、また後輩女子から告られたの!!?」

「ユユユユミナ――――っち!!!!」

「櫻井夜麻登……サクライヤマト……ヤマトナデシコ……。そうね、ナデシコちゃんってあだ名はどうよ。どうよ!?」

「ヤマトは思考がちょいちょいヤの人ね!? 拗らせたシスコン恐いわー」

「やっほー爆弾狂さん。はろー、はろはろー? 最近調子はどうなのかしらん?」

「宇治川は進路どーすんのよー? 花火職人?」

「ナオちゃん意外とロマンチストねん? 乙女か。このこのー」

「あんさー……ナオちゃん。うちの弟の馬鹿な方が君の弟に多大な迷惑かけてるみたいで……何かその、ごめんね」

「やはー、よくわかんにゃい……」

「いやん。ちおりんったら大っ胆!」

「待って。今かっこいい技名考えてるから……!」

「あたし、弟二人いんだけどさー、最近上の弟が『俺はワルになる』とか言い出して困ってんのよん。下の弟はのんびりしたいい子なんだけどねー」

「お母さんが勝手にあたしの制服着ようとしてた……」

「やだっちおりんってば過激! ラジカル!! でもいいわ!! 素敵よ!!」

「ぶっちゃけあたしってば千織を友達だとは思ってないのよねん。もっとこう、近しいような、家族並みの距離感っていうか、魂魄に穿たれし楔みたいな絆を感じるわけよ……何であたしの熱計り出すの?」

「やーん、参ったわこれ。君にそんな顔されたらあたし、なにがなんでも頑張るしかないじゃない」

「君はあたしのことばかばか言うけどさ、君も相当よね……。あたしたち、二人揃って大馬鹿だわ」

「あたしは多分、ずっと君のことを待ってた」



 * *

ルカ「可愛い女の子だと思った? 残念、ルカちゃんでした!!」
千織「あんた、ほぼ奇声と造語と謎テンションじゃねーか」
ユミナ「あと千織です」
ヤマト「ほぼ千織です」
千「うるせえよ、被せんなよ双子」
ナオ「元気な喋り方だよね。いつも明るくて活発って言うのかな」
千「元気の無いルカなんか見たくねえよ」
ユ「これだから千織は!」
宇治川「つか、ちょくちょく語尾に『ん』が付くのな」
ヤ「だから千織のあだ名が『ちおりん』になったんですね?」
ナ「そういうことなの!?」
ル「……よくぞ気付いたわねん!」
宇「本人も今気付いたっぽいな」