ここにきてようやくこの相談が少女の恋心に由来するものだと気付き、テロルはげんなりと椅子にもたれた。なんとなく疲労さえ感じる。
「なんかもー、色恋沙汰とかひたすら面倒くさいわね。あんた達さっさとくっついちゃいなさいよ」
ズビシと告げれば、ミーナは目に見えて動揺した。しどろもどろになり、指先を意味も無くもじもじ組み合わせたり離したりする。
「べべべ別にわたしはケトルさんが好きとかそうでないとかでなくてですね!? 確かに感謝していますがそれとこれとは……」
「あーハイハイ。でも多分当人以外は皆気付いてると思うわよ?」
給仕のマイトあたりも気付いていなさそうだが割愛する。
「でで、でも、結局はケトルさんの気持ち次第じゃないですか。……ケトルさん、ムキムキにしか興味ないかもしれないじゃないですか」
言いながら悲しくなってきたのだろう。どんどん俯いていく。
そこに、
「でもヨー、気にすることないと思うヨー?」
リャオはコップの水をあおった。不敵に笑う。
「だって男は基本的に筋肉が好きヨ!」
「何言い出してんのこいつ」
「そっ、そうなんですか!?」
「あんたも信じるなっちゅーに」