「みなさんに相談があります」

いつになく沈んだ声でミーナが言うので、テロルはサルファーと顔を見合せた。
冒険者の酒場の一角、その円卓を取り囲む。ミーナの正面にテロルが座り、左右にリャオとサイードが着席した。サルファーはいつものようにテロルの頭の上に乗っている。他の卓から野次馬がチラチラと視線を寄越すのを、店主が手を振って散らしていった。
店主は気を使い、陶器の水差しと人数分の木製のコップを置いていった。コップに口を付け、喉を潤してからミーナは沈痛な面持ちでこぼした。

「ケトルさんは、女性に興味がないのでしょうか……?」

「いきなり何の話よ!?」

テロルは即座に突っ込んだ。