去年の年末に再放送した稲垣版のドラマから興味を持ち、『八つ墓村』の原作を読んでいます。まだ途中、半分を過ぎたあたりです。


ドラマ版とは異なり、原作は辰也さんの手記という形で展開します。
だから語り手たる辰也さんの視点で読者は物語に入って行くのですが、
@辰也さんの性格が昨今のラノベやギャルゲーにおける「巻き込まれ主人公」に見える
A初対面から辰也さんへの好感度がMAX状態の女性キャラが複数人登場する
この二点において非常に「巻き込まれ型の主人公が何故かモテモテなハーレムラノベ」的だと感じるわけです。

しかし辰也さんがいきなりモテる理由は下記の描写から推察することが出来ます。
「私の肌はたいへん白く、きめも細やかで、女のように美しいのだ。」(P,32)
「お島という若い女中は、大きく眼をみはって私の顔を見ていたが、いくらか頬を染めるようにして」(P,84)
「姉はちらと私の顔を見ると小娘のように頬をあからめ、」(P,85)
つまり辰也さんは顔が良い。
だからモテてもおかしくはないのです。


ヒロインは三人。
きっぷの良い姉御肌な美也子、病弱な姉春代、「お兄さま」と慕ってくる従妹の典子。
典子は読めば読む程「ラノベヒロインか?」とツッコミたくなる属性満載です。ちょっと過積搭載すぎやしませんか。
驚くなかれ、これ戦後から数年後に書かれた小説なんですよ…。

テキストそのままで、萌え系の立ち絵を付けてサウンドノベルにして販売しても違和感ないと思います。『かまいたちの夜』にも萌え系の立ち絵が付きましたし、商業としてイケるような気がします。
問題といえばテキスト量が文庫本換算で500ページあることくらいです。


というか既にありそう…と思って調べたら、2009年に任天堂DSでゲーム化されていました。
サウンドノベルではなく、金田一探偵を操作して謎解きをする推理ゲームです。

ちなみに販売元はフロムソフトウェア。大爆笑。
『キングスフィールド』や『シャドウタワー』がわかる人なら笑えると思います(鍾乳洞で足滑らせて死にそうという意味で)
…それとも世間的には『アーマードコア』の方が有名なのでしょうか(鍾乳洞で騙して悪いがされて殺されそう)

いやまあそんな(フロムソフトウェアへの偏見に満ちた)展開はなくて、プレイ時間大体4時間くらいの推理ゲームらしいですよ。