『超人幻想 神化三十六年』読了

會川昇


現在アニメ二期が放送中の『コンクリート・レボルティオ』の小説を、アニメの脚本家自ら執筆したものです。アニメの時系列よりも数年前ですが、前日譚というよりもパラレルワールドに近いと思いました。
アニメを観ていなくても内容は独立しているからわかりますし、逆に小説しか読んでいなくてもアニメの内容はわかります。でもどっちも知っているとより作品世界に理解が深まります。

「神化」という架空の昭和を舞台に、「超人」を巡る人々の思惑が交錯するSF小説ミステリ仕立て。でもその定義も曖昧なんですよねってお話です。

もし本当にアニメや漫画や特撮の登場人物――超人が存在していたら、現実に起きた事件はどうなっていただろうという架空の昭和世界のお話です。登場人物も起きる事件もオマージュであり、元ネタがあり、それがわかるとニヤリと出来ますし、元ネタを調べるのも楽しいです。

アニメで描かれた神化四十年代は、色合いがポップでいっそ毒々しく、ノスタルジックな感慨を切り離したようなカラーテレビの世界を縦横無尽に超人が活躍する世界でした。
一方こちらの小説は、復興後の日本の街並みや生活風俗、人々の口調にもその当時の時代感みたいなものを感じました。私はその時代にはまだ生まれていない為に想像するしかなく、絵が無い分、それはくすんだ色合いを持って脳内に像を結びました。父が物心ついていたかいないかの時代というのは一周回って目新しく感じました。


これは書物の形をしたラブレターだ。
それが読了後の感想でした。

主人公のモデルは小説家で脚本家の辻真先氏と思われます。名前はアナグラム、担当番組もバスと市電の違いこそあれどおおむね一致しています。
辻氏はコンレボのアニメ一期と二期のゲスト脚本に呼ばれています。會川氏はどんなに辻氏が好きなのでしょうか。
ヒロインのモデルがどう考えてもあの人というのも面白すぎです。いいんですか、これ。

先人への果て無きリスペクトと、要素の再構築と伏線回収の巧みさ。アニメにも共通する面白さは健在でした。

正直、最初はいまいち話に乗れなかったのですが、主人公が一回目のリープをしたあたりからどんどん引き込まれました。後半はもう怒涛の展開。あの人の目的がわからなくてもやもやしましたが、その分主人公が自身のスキルで一泡吹かせる展開が良かったです。

でもあのオチにするなら、ぼかした方が良かったんじゃないかなって思います。


なんだか懐かしくなり、手塚治虫氏の『ふしぎな少年』(小学館文庫版)を読み返してみたら、巻末のエッセイが辻氏で笑ってしまいました。

追記で微妙にネタバレです。
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久々に運転

一年以上のブランクを開けて、久し振りに自動車を運転しました。
しかもいきなり一時間以上も。ブランクありでこれは結構キツかったです。

でも、思っていたよりは感覚を覚えていたかなと(実際に出来るとは言っていない)
車線変更が下手なのは元々でしたしねー。ウインカーの出し方とか、もうね。

整備された道路なら走るの気持ち良いです。窓開けて風を受けて六十キロ走行。
狭路は嫌いです。しかも正面から対向車が来たりしたら最悪。
高速道路に進入する時に一気に加速するのが好きだと言ったらスピード狂扱いされましたが、これでも法定速度しか出したことはないです。むしろ一般道路では遅いくらいなので馬力を頑張ります。

天使と悪魔と聖職者(※男女CPネタ注意)

某所で見かけた、「天使と悪魔と聖職者でCPを作ったら、性癖がわかる」というネタ。

いやいや、そんなの当てはめるキャラクター次第でしょう。
そう思いながら試しに考えて見たら、私の好きなCPはほぼ聖職者×天使になりました。びっくりでした。


今から勝手な妄想をします。

例えば『デュラララ』の新羅とセルティなら、「天使セルティが天界に帰らないように人間界に繋ぎ留める聖職者新羅」という解釈をします。新羅はセルティに信仰を見ますが、その信仰さえも恋心のために利用するのではないかなと勝手に思いました。
例えば『機動戦士ガンダムSEED Destiny』のシンとステラなら、人間の世界では生きていけない天使ステラを天界に返そうとする聖職者シンという話に当てはめてしまいます。(本当はシンは聖職者ではなくて普通の人間の方が似合う気がするのですけども、選択肢に普通の人間が無いから仕方ないです)

ふと思いついた例外は、今のところ『左門くんはサモナー』のさもてしです。
この二人を当てはめるなら悪魔×天使です。だって二話の扉絵が悪魔の羽の左門くんと、天使の羽の天使ヶ原さんだったからです。しかも互いに片翼。完全な悪魔でも天使でもない、二人で一対のさもてし…。


個人的にはこういう流れがいいです。
聖職者からは尊敬と思慕と若干の崇拝に似た感情。
天使からは興味から始まる慈愛と庇護欲。

聖職者はあくまで人間ですが、だからこそうつくしくもおそろしい上位存在に惹かれるのです。
天使は必ずしも慈愛に満ちているわけではないのですが、自らを地上から見つめる聖職者に気付き、興味を覚えます。
そうして聖職者に天使は寄り添います。
同じ時を生きることは出来ませんが、時を共有することは出来るから。それはお互いにとって、とても穏やかで幸福な時間なのでしょう。

そんな恋愛話が読みたいです。

追記でBLの場合の話をします。注意です。
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恐竜展に行った時の話をします

添付画像はお土産です。こんな感じのクッキーを買いました。



先月の話ですが、上野科学博物館の特別展に行って来ました。
目玉はティラノサウルスやスピノザウルス!どうして予測変換候補に入っているのでしょうか不思議です。

いつもの如く滅茶苦茶写真を撮りまくったのですが、iPadで撮影したため画像サイズは大きすぎてブログにアップロード出来ませんでした…。


いやぁ、ティラノサウルスは足腰がしっかりしていて格好良くてですね、スピノザウルスは背中が特徴的で興味深かったです。大ホールで睨み合う二体の恐竜は迫力満点でした。

勿論これだけではありません。

個人的には、爬虫類が翼を得るために試行錯誤していた課程に興味をひかれました。羽毛を得たり、コウモリの羽を得たり、翼竜みたいな翼を得たり、ムササビみたいな皮膜に挑戦したり。同時期に色々な爬虫類がそれぞれの方法で飛ぼうとしていたのです。私はそこにロマンを感じました。

他にはパラサウロロフスの鳴き声を再現したり、親子恐竜がいたりしました。恐竜の中には進化の過程とは関係なく元々体毛を持っていたかもしれない種類もいたようで、わくわくしますね…!

化石の発掘作業の際はコンクリートで固めて運ぶそうです。
そのコンクリートやらなんやらから骨だけを取り出すにはどうするか?答えは削るのです。細かい彫刻刀みたいな道具でちまちま削るのです。当然ながらとても時間がかかる作業です。
生憎私が行った時は化石修復作業はお休み中でしたが、案内映像を見る限り非常に根気の要る作業ということはわかりました。
まだまだ作業の進んでいない化石は沢山あるのだそうです。それらが研究されて、在りし日の恐竜の姿がより一層身近になったら素敵なことだと思います。

非常に好奇心を刺激される、いい展示でした。

一次創作メモ・高槻家と水無瀬家

ルカと千織の家は隣同士です。
小説を書く際に、二人の家の距離間を考えておこうと思い、Excelで簡単に家の間取りを描いて、ああでもないこうでもないと首を捻っていたところ、弟から「馬鹿じゃねーの」って言われました。馬鹿じゃないです。

とりあえずですね、高槻家の方が古いお家で、水無瀬家は昭和四十年代〜五十年代に建築された普通の民家のイメージです。
高槻家は考えるたびに部屋数が変化するので保留として、水無瀬家は5DKです。一階が三部屋、二階が二部屋。
ベランダで会話出来る距離です。この設定がネックで、中々高槻家の間取りが決まりません。だって幼馴染はベランダ越しに会話しないとロマンが!ベタな設定が大好きです。

流石に外観まで作る気は無いですよ。絵に描くわけでもあるまいし(フラグ)
でも両家とも瓦の屋根でしょうね。
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