『光圀伝』読了しました。
ブログタイトルは帯から。

思わず『天地明察』の漫画版を全巻購入してしまいました。とても晴れやかな気分です。後悔はしていません。
漫画版は春海先生が可愛くて格好いいのですよ。そして私はことさんスキー。


前置きが済んだ所で、『光圀伝』についてネタバレしない程度にさらっと感想をば。

何故光圀は「あの男」を殺したのか?

『光圀伝』とは、水戸の御老公による殺人事件、その動機を「犯人」たる光圀の手記を交えて追う歴史ミステリと読むことも出来ます。

藤井紋太夫殺害事件。
史実では真相が謎のままになっている事件。
その事件の作者なりの解釈が、この小説の根底に横たわっています。つまりは史実を元にしたフィクションなのですが、その着地点は見事としか。スッパリと、落ちるべき所に落ちたな、と。何とも言えない、心地よい読後感を味わいました。

ちなみに私はその事件の存在さえ知らなかったため、謎が気になってどんどん読み進めることが出来ました。途中までずっと「何故!?」と思っていました。だから後日「史実では真相不明」と知り、驚きました。

時代小説だから敷居が高いとか、そんなことは関係なく、読みやすくて面白いから読んで欲しいです。他の時代小説は読んだことありませんが、同作者の時代小説は『天地明察』も読みやすかったです。