生理になるたびに思い出す。
絶命させた、
わたしの赤ちゃん。

産んであげられなかった、命。

何度も何度も思い出す。

出産のときの光景。

絶命した我が子がタオルに包まれて
隣に置かれたこと。
恐る恐る開いて見た顔。

なんとなく自分に似たところのある
あどけない顔。

息をしていないこと。

まだまだ成長の途中で
未熟に造られた身体。

息をさせてあげられなかったこと。
産声をあげさせてあげられなかったこと。
育ててあげられなかったこと。

募っても募ってもやり場のない
怒りと恨み。

苦しくて悲しくて、
でも誰にも言えない。

今も泣きながら打ってる。
泣いても泣いても呪縛から
逃れられない。

生理がくると、
まだわたしは赤ちゃんが産める体なんだと
思う。
女なんだと自覚する。

気持ち悪い。

苦しい。

消せないんだよ、
可愛いと思ったあの顔。

表情のない、
未熟な顔。

頭に焼き付いてる。

何度も何度も蘇る。

忘れちゃだめなんだよ。
酷いことしたことを。

殺しちゃったことを。

どんなに苦しくても。

早く供養してあげたい。

名前もつけてあげられなかった
あの子を。
戒名をつけてあげたい。

ごめんね、産んであげられなくて。
産みたかった。
育てたかった。

あんな状態じゃなきゃ。

言い訳だとわかってるけど
許されないとわかってるけど、
わたしだって生きてるのが
不思議なくらいギリギリだった。

死のうとしてた。
産んでも心中しようとしてた。

産まれてきて殺されるより、
産まない方がましっていう選択をした。

後悔なんてもんじゃない。

殺したいのはアイツだ。
のうのうと生きてるのが憎い。

ごめんね、可愛い我が子。
生きたかったよね。
産まれたかったよね。
祝福されたかったよね。
愛されたかったよね。

ごめんね。

毎月、
毎月、
生理がくるたびに
こうやって泣くんだ。

後悔して。
苦しくて。
悲しくて。
辛くて。
憎くて。
恨んで。

泣いても消えない痛みに。

女じゃなかったらよかったのに。
産める体じゃなかったらよかったのに。
妊娠できる体じゃなかったらよかったのに。
あんな旦那と結婚しなければよかったのに。
死ぬ気で逃げればよかったのに。

後悔しても遅いから後悔。

毎月こんな思いして生きてくんだ。

一生こんな思い抱えて生きてくんだ。

耐えなきゃいけない。
ごめんね。、ごめんね。
本当にごめんね。
悔しいよ。