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すいません、先に謝らせてください。口調がおかしく、キャラ崩壊が激しくなっております。無糖です。
この先に行く勇気ある方は自己責任でお願いします。

毎回投げこんでてすみません...
キャラを掴めないままですが、このシリーズもそろそろ終盤に…!(ノ△T)


石田三成視点のつもりです


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私を裏切るなと幾百も幾千も口にしておきながら


―…私は嘘を吐いた。


「間違ってはおらぬよ。我であってもそう答えたに違いない」

「だが、」

「主のいう嘘は優しかろ。嘘の内にも入らぬわ」

「…それでも嘘は嘘でしかない」


事実を知ったとしたら傷付いてしまうかもしれない。
僅かに過ぎたその考えから、涙する綱吉が安易に想像でき、それを口にすることを躊躇われたのだ。


「ならば、今からでも誠の事を云えば良かろう」

「それは―…出来ん」

「なんと我が儘な事よ。だが、隠しておってもいずれは知れる事は分かっておろう?」

「ああ、十二分な」


"偽り"をあれだけ嫌っていた昔の己を思い出し、僅かに目を伏せる。


「真偽等関係ない。それを受け取った者によって幸か不幸かが変わる。それに…―必ずしも真実だけが傷付かないとは限らないのだとも」


同じたった1つの事でも、それを受け取る個々の性格や境遇などによって変わる。
事実、秀吉様の事も例外になくそうであった。


「どちらにせよ傷付けてしまうと分かっているならば、少しでも長く笑っていて欲しいと思うのだ。どうでもいいなら、それこそ関わろうとも思わん。大切だからこそ…この胸が痛もうが嘘を吐くのだろう?」

「―…それは分からぬよ分からぬ。我は何時だって己が為にしか生きてはおらぬ故」

「…刑部、」

「ヒッヒッヒッ、そう睨むでない。それに三成が悩んでおる事はまだ先の話であろ?綱吉もああ見えてなかなか聡い童よ、我等を責める事はなかろ」


ゆっくりと机に置かれた書状を見やり、伏せがちだった顔をあげる。
"永遠"なんてものがないのは、痛い程分かっているのだ。


「"また"と言ったのだろ?次の約束としたならば、三成なら何時か叶えてやれるものよ。2つの口約束の内1つは叶わぬとしても、もう1つが出来ればそれは嘘にはならぬ」

「…私はどちらも叶えたかった」

「それは我も同じよ同じ。だが、それは綱吉を苦しめるだけよ」
「分かっている。だからといっては何だが1つ提案がある。私と刑部から家紋入りの紋玉を綱吉に贈るのはどうだ?」

「ふむ、なかなかの名案よ。…我等が共にある証拠にもなる」

「では早急に手配させる!」


勢いよく立ち上がると、刑部がそう急くでないと笑う。だが善は急げと言うものだ。早めに用意しておくにこしたことはない。
時間は止まる事を知らないのだから、刻一刻とその時が今も近付いていて惜しいのだ。


―…隣にずっと居てやる事はできないが、紋玉があれば互いの心の中に在るんだと思い出してくれるかもしれないだろう?



君色、空の唄番外編
(最初で最後の嘘を吐く)



―…私は嘘を吐いた。


『みつにぃとよしにぃが、ずっといっしょだもん!もっとおはなしして、あそびたいよ』


夕日を背に無邪気に笑った綱吉に、誤魔化すように嗚呼と返事を1つ。
それに満足げに笑って駆け回る綱吉をぼんやりと目をやりながらも、頭に入ってくるのは今朝方届いた書状の内容だった。