優しい音楽を聞いた

冷たい水に顔をさらし
涙を隠して顔をあげた

海を撫でた風が
長くのびた髪をカーテンにして
大きくふわりと舞い上げる

一歩踏み出すには
熱くなりすぎたアスファルトに
通り雨がカーペットを敷いて
エスコートをしてくれる

その先は行き止まり

果てしなく続く青い行き止まり。

この世界を丸く作って
「終わりなんてないよ」と
屁理屈をこねた神様へ

私はあなたの元へ行きたいのに
歩いても歩いても
ただ地べたを這うばかりで
永遠にあなたに会いに行けなくなってしまったよ

青い空と青い海はよく似ているのに
境界線は交わることなく
ずっとそこに横たわっている