およそ140字で紡ぐ散文
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2016.1.14 Thu

古びた絵画に描かれていた青い空、透き通る海、茂る緑。

街は灰色、薄暗く染まった空、黒を溶かした海。そしてそんな世界の終わりを告げられた日。絵画に描かれたような澄んだ光景は今ではどこにも存在しなかった。

私たちが私たちによって消し去った色彩。それは遠い過去の回帰されない夢物語。



2015.12.26 Sat

柵の向こう側にて一歩踏み出せば落下の定め。

夜明け前の刹那、静寂、澄んだ空気。陽が昇る前の黒から藍へ、そして赤へのグラデーションが私は好きだった。最後に見る藍の空は相も変わらず綺麗で涙が溢れた。

途絶した未来。故に途絶に向かう私がここに居る。

…この空へ今、終止符を打とう。



2015.12.18 Fri

「昨日はついアイス食べ過ぎちゃって頭がキンキンして寝不足なんだ」

「本当にアイス好きだよな、食べ過ぎには気を付けろよ」

「うん、さすがにちょっと食べ過ぎたみたいで体調悪いや。次から気をつける」

「たまにはアイスくらい奢ってやろうか?」

「ん、そのアイスはいいよ、いらない」



2015.12.18 Fri

事故で負った後遺症は徐々に記憶が失われてゆくという物だった。

気付けば子供の頃の記憶が無かった。家族の愛情も思い出せず、気付けば君との出会いの時さえも損なわれていた。やがては君の事も僕自身の事も消えてしまうのだろう。それは死と違わない。

消えゆく世界と君に贈る最後の言葉は、



2015.12.12 Sat

窓からの光が眩しくて眠れず窓を開ければ綺麗な満月が見え少し悲しくなった。何時からだろう、余裕が無くなったのは。
子供の頃は怒られても夜更かしして空を眺めていた。僕は夜空が好きだった。
忙しい日々は感情さえ失う。今日だけはあの頃に戻ってみよう。気付けば僕はいつまでも空を眺めていた。



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