話題:今日見た夢
寝つきが悪かったせいか、また生々しい描写の悪夢めいたもんを見たんだが。


孤游戦から5日後くらい。鼎はまあまあ快方に向かっている。この間にも怪人は度々出現し、本部はてんてこ舞いな状態だがなんとかなってはいる。


昼下がりの病室。御堂がふらっと訪れた。

「だいぶ回復してきたと聞いてやってきたぞ。退院の目処、立ったんだってな」
「あと2日で退院出来ると聞いた」
「鼎がまだ包帯姿ってことは…異変はまだ治まっていないのか…」
御堂は鼎をチラ見。

「痛みが消えただけマシだ」


「それにしても謎だよな〜。鐡一派にやられた被害者は多数いるのに、なんで鼎だけ異変が起きているんだよ…」
「鐡一派からしたら、13年前の都筑家放火事件はターニングポイントだった可能性はある…」


紀柳院鼎の本名は都筑悠真。この事件唯一の生存者だが、事件後に名前を変えている。
御堂は気になることを口にした。

「鼎の対の刀ってどこに仕舞ってあんの?しばらく鼎は使えないだろ。せめて紅炎刀だけでも貸してくれねぇかなって」

和希は短時間なら火焔発動出来るんだったな…。ほんの数分だが。


「言っておくが武器庫にはないぞ。彩音に預かって貰っているからな」
「彩音経由なの!?」

「特殊な刀剣の1つだ、武器庫に入れておくわけにはいかないだろうに。研究室か司令室も考えたが…」
「わ、わかったから。鼎は休んでろよ。とにかく寝てなって」

御堂は紅炎刀を取りに本部へと戻った。


解析班。朝倉はなんとなく烏丸に聞いていた。この日の烏丸は淡いラベンダー色のゼノクスーツ。

「烏丸さん、そろそろゼノクに戻りたいとか…ないか〜」
「い、いえ…戻りたいです。私本部にこんなにいたことないし…ホームシックっていうんですかね…」


ヤバい、烏丸かなりヤバい。なんだか泣きそうな声になってる。烏丸はゼノク隊員。
ゼノク隊員が本部に派遣されること自体が稀というか。同じく派遣された御堂の妹の柚希もゼノク隊員だが、柚希は派遣された支部隊員や本部隊員とも馴染んでる。

「私にちょっとした案があるんだけど…いいかな?室長の許可が降りたらゼノク、行こう」
「…案?」


司令室。朝倉は単刀直入に室長の元へ。

「烏丸と二階堂をトレードしたい?…てか、トレードって…朝倉お前の言い方〜」
「二階堂さんがいないとますますヤバくなりますって、今こそ本部に二階堂さん…いや二階堂先輩を呼ぶべきです」
「あいつ…来るかねぇ。表に出られなくなるほど心の傷が深いのにさ…。いくら長官と和解したとはいえ、ねぇ…」

宇崎は微妙な反応だが、朝倉は何か資料を出した。
「二階堂先輩とは既に連絡しています。数ヶ月前にゼノクは鐡によって多大な被害が出たんですよね…。二階堂さん、あの後ずっと裏方で調査してたって。そしたらかなり早い段階で禹螢一派と鐡一派の繋がりを見つけたそうで、協力したいと」
「あいつ、マジなの!?解析班の部屋見たらどう反応するかな…。ほぼファーストチーム時代のまんまだぞ…」


異空間。禹螢と筬羅は鐡を蘇らせる儀式の準備をしていた。そこに何も知らない樋野が現れる。

「禹螢様、何をしてるんですか」
「樋野、ちょっとこれであいつらと遊んできてくれよ」

禹螢は鋸刀を渡す。よくわからないまま樋野は姿を消した。禹螢と筬羅はほくそ笑む。
樋野はこの戦いで鐡復活の人柱となる…。鋸刀は鐡の欠片の気を精製して出来た、いわば分身のようなもの。


樋野はまだ禹螢に利用されてるとは知らない。樋野のターゲットは御堂ただ1人。鋸刀の禍々しさに樋野は圧されそうになる。
御堂と戦うのは明日にするか…。今日は地下要塞にいようか。この刀、扱えるかどうかもわからない。


一方、御堂。彩音を探し、対の刀の保管場所について聞いていた。
「私は鼎から預かっているだけだからね。しばらく鼎は刀を使えないんだからさ。鼎がそういうなら、紅炎刀…貸すよ」
「彩音、なんか悪ぃな」

彩音は紅炎刀を渡した。彩音も御堂が短時間なら火焔発動出来ることを知っている。
御堂さんがあの刀借りるって、何かあったのかなぁ…。


朝倉は烏丸を連れてゼノクへと向かっていた。

「まさかすんなり通るなんてな〜。烏丸さん、ゼノクへ帰れるよ。まだ着かないから寝てなよ。そのスーツだとちょっと目立つから後部座席にして正解だったね」
「組織の車両だから大丈夫だと思うのですが…」
「ま、そうなんだけどさ〜。ゼノクの治療スーツを知らない人からしたら『のっぺらマスクの全身タイツの人がいる!』…ってなるじゃんか」

ゼノクの治療スーツの欠点、そこなんだよなぁ。見た目があれすぎてちょっと怖いのが…。


ゼノクでは二階堂が荷物が入ったバッグを持ち、ロビーで朝倉の到着を待っていた。
二階堂もゼノクスーツの上に服を着ている。マスクの上からウィッグも着けてる。スーツの色が薄いベージュなせいか、動くマネキン感が強いが。


「烏丸さんと入れ替わりに私が本部に行くのか…不安だよ…」
二階堂は独り言を呟く。
「あ、二階堂いた〜。良かった…間に合って」
来たのは西澤室長。

「室長どうしたんですか」
「二階堂は表に滅多に出ないから、人混みに慣れてないでしょ。それにそのスーツ姿だ、やむを得ず人が多い場所に行く時はこのマスクを使えって長官が」

「何ですか?これ」
二階堂はシリコン製?ゴム製?らしきマスクを手にする。マスクは首筋まで覆うもの。

「スーツの上から装置するタイプのものだよ。薄いベージュか肌色のスーツがベストだってさ。二階堂の素顔をモデルにしてるから違和感ないとは思うが、不安ならつばの広い帽子を被れという長官の伝言」
「これにあの器具装着すれば食事は出来ますよね」
「確かにね。二階堂、不安なら本部からあまり出ない方がいいぞ。出ても近隣だけ、仲間と一緒なら大丈夫だろうよ」

西澤は無理すんな!…と背中を押した。


しばらくして朝倉が運転する組織の車両がゼノクに到着。烏丸は久しぶりのゼノクに元気が出た。
「朝倉さん、送ってくれてありがとうございました」

烏丸は朝倉に礼をし、ゼノクへと戻った。


「朝倉さん、乗っていいかな…」
二階堂はかなり遠慮してる。普段はあんな感じなんだ…。

「乗るなら後部座席がいいよ。ゼノクスーツって悪目立ちするからね。のっぺらマスクだから顔ないもんなぁ…ゼノクに長くいる人はわからないか」
「このスーツ、悪目立ちするの…?」
「場所によるかな。首都圏でもゼノクスーツで生活してる元入居者はいるから、本当に場所によるとしか。本部周辺は意外といるみたいだよ。組織の施設付近と郊外は多いみたい」


翌日の午後。樋野は御堂をある場所に呼び出した。鋸刀を持って。そこは海が見えるロケーションの廃倉庫。
この様子を禹螢は異空間から楽しげに見てる。

鐡復活のカウントダウンが始まったか…。
御堂はいつもの装備に加えて、鼎から借りた紅炎刀も装備していた。


鼎はぞわぞわと胸騒ぎを覚えた。明日、退院だが…何かが起こりそうな気がする。


和希は紅炎刀を使えるが、炎を発する火焔発動は約3分しか使えない。これは主ではないため。
対の刀の使い手(主)である鼎なら火焔発動は15分使えるが、時間オーバーすると死ぬリスクが高まるという、ハイリスクハイリターン。


健康体でも3分しか使えない火焔発動は諸刃の剣とも言える。消耗が激しいから。紅炎刀は超攻撃型の刀というのもある。
蒼閃刀の閃光発動に関しては基本的に居合いのスピード勝負のため、鼎の消耗は少ない。蒼閃刀は浄化の刀というのもあるのか?

幹部クラス以上が相手となると、必然的に通常発動では効かない。



悪夢じみていた描写、鼎と御堂の微妙なやり取り。2人とも不器用なのでなんかじれったい…。あと鋸刀の下り。ヤバい武器感が半端ない。
鼎さんはしばらく動けないんで、もやもやしてる。

二階堂はゼノクからほとんど出ないため、本部に行くことが不安な模様。
烏丸はホームシックがひどいことが判明。烏丸も無理していたんだね…。


ゼノク職員・隊員はだいたい訳ありな人がなってるんで、かなり複雑かと…。
特にゼノクスーツを着てる職員・隊員は複雑な事情がある様子。


しれっと禹螢は鐡復活させるために動いてるが、樋野をちゃっかり利用。樋野はまだ知らないのがな〜。
樋野も禹螢からしたら捨て駒に過ぎない模様。


解析班チーフの朝倉の行動力がヤバい。考えるよりも先に動いてしまうタイプっぽい…。矢神、放置される。

解析班に二階堂が急遽来たことで進展しそう。御堂vs樋野は決着が着きそうだが。