話題:今日見た夢
頭痛のせいだかわからんが、やけに生々しいくらいにリアルな夢を見たんだが〜。


強化態を含む怪人との戦いの翌朝、鼎は明らかに様子がおかしかった。

鼎はなんとか部屋を出るとどこかへ向かおうとしたが、激しい息切れのためかうまく歩けない。たまたま空操が鼎の異変に気づき、館内の病院へと連れて行くことに。
「鼎さん、昨日から様子がおかしいですよ?大丈夫ですか」
「大丈夫なわけ…あるか…。知らず知らずのうちに無理していたのかもしれん」


病院に着く頃には鼎は気を失いかけていた。しばらくして、鼎は気がついた。
どこだ…?ここは…。
「鼎さん、気がついたんですね?良かったぁー」
空操は泣きそうな顔をしている。空操はここは病院だと教えてくれた。ゼノク館内の病院の病室にいたらしい。


「紀柳院さん、悪いが君が気を失っている間に色々と調べさせて貰ったよ。昨日の戦闘で身体にかなりの負荷がかかってる。久々の覚醒を使ったのもありますが、反動がものすごい。このまま戦い続けると戦えなくなります」
「蔦沼長官…?なんでここに?」鼎はまだぼーっとしている。
「とにかく話だけでも聞いてくれ。紀柳院さんは短期間でいいからゼノクに入るべきだ。このままだと戦えなくなります。原因不明の搬送が多いのも気になるな…。長坂に利用されたのが引っ掛かるが」
「私はいずれ戦えなくなるのか…?」鼎の声は小さい。
「火傷のダメージが大きく影響しているね。それと昨日の戦闘による反動で、一気に身体に負荷がかかったものだと推測される」
「身体への負荷は軽減出来るのか…?」
「ゼノクの技術でならなんとか。短期間…1週間になるか1ヶ月になるかはわかりませんが」


「…というわけで、勝手ながら紀柳院鼎は一時的にゼノクに預けることにしたから。このままにしておくと彼女、戦えなくなるからね。それは困るだろう?宇崎」
「長官、ちょっと強引すぎませんか!?」
「彼女も素直に受け入れてくれたよ。2、3日病院にいてもらうことにしたから。思っていたよりも深刻だからなんとかしたかったんだ」
「そんなにも深刻なんですか…」

「彼女の場合は火傷の治療はしてあるが…彼女の後遺症は軽度だが少し重くなっている状態だよ。昨日の戦闘が響いたらしい」
「覚醒による反動…晴斗はないですが」
「彼は至って健康体でしょ?だから何ともないの。だけど、紀柳院の場合はぶっちゃけハンデがある状態だから身体に負荷がかかりやすいのさ」
「お願いします」
「紀柳院のことは任せておいてよ。本部に戻る頃にはだいぶマシにはなってるから」


怪人はしばらく出現しなかった。毎日出るわけではない。その間に鼎はゼノクへ短期間の入居の準備を進めていた。組織内の宿泊スペース→ゼノク居住区へと移動。


肌全体を覆うスーツも支給された。着るのは自由だが、鼎は素顔を見られたくないのもあり着る選択をする。
入居当初は白黒2種類のスーツが支給されるが、鼎は黒いスーツを着る。白いスーツは嫌なことを思い出す。長坂に傀儡にされた時、白ずくめ姿だったのが。


鼎はスーツに慣れるために、最初はスーツ姿で過ごすことにした。女性で黒いスーツを着る人はほとんどいない。戦闘用スーツは別だけど。

近くの部屋が柚希なので、ゼノクでの生活に関しては色々と教えてくれる。柚希は鼎を心配し、度々部屋に来た。
「紀柳院さん、そのスーツ慣れました?」
「まぁね。仮面と違って違和感がすごいな…。このスーツ、ただのスーツではないと聞いてるが」
「とんでもない技術が使われてるみたいなんですよ。見た目は全身タイツなのに。体の保護の目的もあるとかで」
柚希はクリーム色のスーツに服、ウィッグを着けている。一方の鼎は黒いスーツ姿のまま。端から見ればシュール。
「ゼノク入居者の7割がスーツ姿なの、わかった気がする…。これは治療も兼ねているのか」
「鼎さん、短期間ここにいると聞きましたがそんなにも深刻なんですか…」
「長官からあんなこと言われたらゼノクに入るしかないだろう。戦えなくなるのは嫌だからな」


アラートが鳴り響いた。居住区にも防弾シャッターが降りる。数日間怪人が出現してなかったので、ゼノク全体に防衛システムが作動。柚希はアラートに怯えていた。
「怖いのか?」
「この音、苦手で…動けなくなるんです」
「今は2人だ、大丈夫だよ。私は戦えないがな。戦うなと言われたから」


「ゼノク館内にはなにがなんでも侵入させるなよー!わかったかー」
今回は西澤が指揮してる。臨時隊員達と空操・桐谷は怪人を立て続けに倒してる。
「鼎さん、大丈夫でしょうか」と空操。
「あのスーツに慣れた頃だとは聞いたけど、あれから全然姿を見せてくれませんよねぇ」桐谷も雑魚を倒しながら会話してる。今回の敵は雑魚だけ。


戦闘後、空操と桐谷は長官はわざと戦闘を長引かせてるのではないかと思い始めた。敵の動きも怪しい。なぜ一気に研究施設を攻めないんだ?


数日後、鼎はようやく空操・桐谷の前に姿を現した。

スーツに慣れたらしく、その上から私服を着ていた。顔はのっぺりしたマスクなので顔はわからない。鼎は黒いスーツを着ている。
鼎も自分が女だとわかるようにウィッグを着けていた。

「鼎さん…だよね?暑そうに見えるけど大丈夫なの?」
「スーツに慣れたから大丈夫」
「治療は進んでるんですか?」
「辛いけど、身体の負荷が軽減されるなら…って耐えてるよ。戦えなくなるのは嫌だから」
「それでずっとスーツ姿なのか…」
「この姿を見せたくなかった。すまない」

鼎は病院へと向かって行く。これから治療を受けるらしい。空操と桐谷は複雑そうに鼎を見送った。
鼎さんがゼノクにいるのは短期間って聞いたけど、1ヶ月くらいはかかりそうだな…。


病院には長官がいた。
「あれから1週間くらい経ったが、調子はどう?」
「まだわからないです…。スーツの意味はわかりましたけど」
「身体の保護と治療による苦痛を和らげる意味があるんだよ。見た目はあれだけどさ」
「だからスーツはとんでも技術なのか…。よくわからない技術はすごいなゼノク…」
「紀柳院さん、スーツに慣れたみたいだね。女性で黒を選ぶ人は滅多にいないよ」
「単に汚れにくい色にしただけだが…。短期間だからあまり気にしてないし、違う色もある」
「あぁ、ごめんね。たまたま今日は黒なのか」


「長官、もしかしてこの戦闘わざと長引かせようとしてませんか?どうも引っ掛かる…敵もおかしいですよ。なぜ一気に攻めない?」
「敵は探っているかもな…ゼノク内部を。僕が生きてると知ったら長坂はどうすんだろうね〜」


鼎のゼノク生活は1週間経過。2週間目に突入しかけてる。
本部では鼎がゼノクに短期間いることを宇崎は伏せている。時々宇崎は鼎と連絡はしていたが、鼎の姿は見せられない…。


本部ではそんな宇崎を疑っている人がいた。御堂と晴斗。

「最近、室長は誰かと連絡してるみたいだけど相手誰なんだろ…」
「晴斗も気になってんのか?相手はゼノクにいる人間みたいだな。スーツ姿だったし、でもあの声…鼎っぽくなかったか?」
「まさかそんなわけないでしょー。あの黒いスーツ姿の人、ウィッグ着けてたような気がする」
「ウィッグか…相手は女じゃねぇの!?」


「風の噂で聞きましたが鼎さん、身体の負荷がどうとかで短期間ゼノクにいるって本当なのかな?」
「誰が流したんだよその情報」
「…ゼノクに敵が出た瞬間に本部が暇になるとか、よくわからない…」
「敵は完全にゼノク研究機関を狙ってるってことだろ。動きが不気味だが。今、ゼノクの指揮してんの蔦沼長官か西澤室長だろ?何かあるんじゃねーのか?」



どこが生々しいほどリアルかって、病院での鼎と長官とのやり取りってかそこらへん。
ゼノクの内部事情もちらっと見えたりとか。
肌全体を覆うスーツ、そういう意味だったんかよと。見た目があれなのでゼノク以外だと無理すぎる。

研究機関の謎技術を敵は狙っているっぽいが…。


長官はわざと戦闘を長引かせてるらしい。ゼノクに敵が出た瞬間に本部がある東京近郊は逆に暇になってる。
不自然なくらいに敵がいなくなったが、ゼノクに集中してるため。

敵はゼノクを探ってるっぽい。


ほとんど鼎さんの話になっとる…。鼎関連は妙に生々しい描写が多いの、何でなの。
そこ、リアルじゃなくてもいいのにってところがリアルすぎて寝起きが悪かったよ…。頭痛のせいもあると思う。