話題:今日見た夢
夢2つ見たうちの1つは前の記事で書いたんで、こっちではもう1つの方をば。


臨時隊員の烏丸と深海は本部からゼノクに戻ることに。
ゼノクでは西澤が指揮権を蔦沼長官に譲り、西澤は他の研究者と共にメイン施設の研究施設を防衛することになる。


鼎達本部から増援で来た3人は、蔦沼長官に呼ばれ館内の図書館へと向かった。なぜに図書館?
鼎は晴斗から聞いた動く本棚のことを思い出した。壁際の本棚には仕掛けがある。そこを弄ると本棚がずれ、地下へ伸びる通路が出現すると。

「晴斗は蔦沼長官に会ったと聞いた。どうやらこの本棚に仕掛けがあるようだな」
鼎は本棚の本の配置を変えると、ガタンという音と共に本棚が横にずれ→通路が出現。
「鼎さん、この通路…地下へ繋がっていますよね?」
「桐谷もそう思うか、とにかく行ってみよう」3人は地下へ伸びる通路を進み、やがて地下室へと着いた。


地下室にはフードを目深に被った白い組織の制服の人が座っている。机には複数のモニターとPC。
制服は長官クラスのものなのを鼎は見逃さなかった。


「あなたが…蔦沼長官なのですか?」鼎は恐る恐る聞いた。蔦沼は後ろ向きのまま、答える。
「そうだよ、紀柳院さん。空操くん・桐谷さんも初めましてだね。僕は訳ありなんで極力顔は見せないで話すよ」
訳ありってなんだ…?

「僕は表向きは死んだことになってるのは皆知っているよね?」
「10年前のあの戦いですよね…。長坂の乗っ取り事件」3人の中ではベテランになる桐谷が答える。
「実はあの戦いの後、僕は密かに助けられたんだ。色々と失ったけどさ。両腕もこの有り様だ」蔦沼は右手をひらひらさせてみせた。両腕義手だ…。蔦沼はちらっと鼎達を見る。一瞬顔が見えたがフードでわからない。

長官、白いスーツ姿なのか…?マスクで顔が一切わからなかった…。
「紀柳院さん、心配してるのかい?例の戦いで信じがたいけど、僕は退化する呪いをかけられた。声が若いと感じただろ?そういうことだ」
「若返っているのか?今、長官は54歳のはず…」
「今現在、見た目年齢は17歳くらいにまで悪化したよ。これじゃあ人前には出られない。だからこのスーツ姿なわけ。特殊なスーツだから簡単には脱げないよ」


「…で、長官は何しに呼んだんですか?」空操はいきなり突っ込む。
「臨時隊員の本来の役目についてだよ。ゼノク職員の一部は臨時隊員だ。彼らは本来、ゼノクを守るのが役目なんだ」
「だからゼノクに臨時隊員がいるのか…。本部に派遣はイレギュラーだということか」
「紀柳院さん、正解」
それからしばらく3人と蔦沼は話をした後、図書館を後にした。

「長官の顔見えました?」桐谷が2人に聞く。
「ちらっと見えたが白いスーツ姿だったな。入居者と違う仕様のスーツなのはわかったよ。義手との兼ね合いもあるんだろうな」
「違う?」空操が鼎に聞く。

「マスクに目というか…目の形に近づけた黒いレンズだな、それがあった。戦闘用スーツに近いものを着ているんだろう」
「鼎さんってここにいる柚希さんと親しいんでしたっけ」空操が何気に聞く。
「それで入居者用スーツとの違いがわかったんだ。簡単には脱げない仕様…背中にファスナーがないかもしれんぞ、長官のは」
「蔦沼長官の制服、特注ですよねあれ。フード付きの長官クラスの制服初めて見ましたよ」
「自分が生きていることを悟られないためにああしたんだろうな…。スーツ姿なのも納得がいく。あれなら誰かなんてわからない。長官クラスの『誰か』ってだけにしか見えないからな」


本部では翳珠メンバー全員が一時的に撤退していた。

「九条、一旦撤退ってどういうことさ?」宇崎が聞く。
「敵の動向が変わったみたいなんで俺達は一旦本拠地に戻るんですよ。敵の狙いは『ゼノク』に移ったようだからね。長坂はゼノク潰しを先にしたいらしい」
「お前らはどうすんの?」
「監視しながら戦いますよ。宇崎、とぼけたこと言ってないでゼノクを守れば?」
「ゼノクの指揮は蔦沼長官に任せているから大丈夫。西澤室長もいるからな」
「…蔦沼?蔦沼って…あの人、生きていたのか!?」
「九条、心当たりあるの?」
「いや…なんでもない。お前には関係ないだろ」


長坂は建物の本部(通称:フェノラス本部)にいる。つまらなそうに部屋に亜空間を出現させ、ゼノクの様子を伺っていた。
「研究施設を奪いましょうかねぇ。さぁ、たっぷり遊んできなさい。研究施設は壊しちゃダメですよ」
長坂はニコニコしながら怪人達を放った。この時点では長坂はまだ蔦沼が生存してるとは気づいていない。


ゼノクにアラートが鳴った。敵襲か!?ゼノク館内がざわめく。
蔦沼は冷静に指示を出した。
「敵は強化態2体と雑魚複数だね。とにかくゼノク館内に侵入させてはいけない。研究施設を最優先に守れ!臨時隊員は研究施設の防衛に当たってくれ。深海、お前は本部の3人と共に共闘してくれよ」
「了解です」


怪人達はゼノク敷地内を徘徊している。研究施設を探しているようだが、防衛システム作動のためなかなか見つけられない。ゼノク自体が要塞化しているためだ。
館内の病院ですら、分厚い防弾扉が2重になっている。研究施設はそれ以上。
館内の至るところに防弾扉がある。
鼎は抜刀した。通常時の鼎は戦闘時間に制限がある。覚醒なしで倒せるか?
深海は鼎にある提案をした。
「俺の能力の出番かもしれない。紀柳院さんでしたっけ?15分以内に片付けようか」
「私の戦闘時間に制限があるのを知っているのか?」
「以前、聞いてたからね。俺のアシストがあれば難なく行けるはず」
深海は目隠しを外した。深海は目隠し状態でも戦闘力は高いが、目隠しなしだとどうなるんだ!?
空操は目隠しを外した深海を見た。あの瞳…オッドアイだ。左目は紅く、右目は蒼い。
深海は銃だけ持つと怪人に攻撃をした。鼎も攻撃をするが強化態は以前よりも強くなっている?
鼎は覚醒を使うか迷った。
深海は右目の能力を使う。怪人達は一時的に動きが鈍くなった。深海はその隙に攻撃を叩きこむ。
「紀柳院さん、遠慮しないで攻撃を!」
深海は能力使用後は僅かに動けなくなる。そこを空操と桐谷はカバー。
鼎は覚醒なしでなんとか攻撃を仕掛けたが、敵は強い。雑魚は桐谷達が倒してくれていた。
「深海…敵が強化されていないか?」
「明らかに強化されてるね。こりゃマズイかな」
「覚醒を使うしかないか…」
鼎の戦闘時間はいつの間にか10分くらい経過していた。このタイミングで覚醒を使わないと鼎自身が危ない。鼎は念を込め、刀を大太刀へと変化させた。刀身が赤く染まる。
深海は覚醒を初めて見た。これが覚醒…!
「早く片付けるぞ!深海!」
鼎の顔は仮面に隠れてわからないが、強い意志を感じた。
鼎は一気に片付けようとしたようで、衝撃波だけで攻撃している。ゼノク周辺はバリバリという轟音が鳴り響いていた。
なんとか怪人全て倒した。ほとんど鼎と深海が倒した形。

戦闘後、鼎はぜいぜい言いながら刀を棒代わりにして立っていた。久しぶりに覚醒を使ったせいか、体力がギリギリだったらしい。
「紀柳院さん、大丈夫ですか…?」
「久しぶりに覚醒を使ったから…身体がついて行けなかったようだ…。戦闘不能にならずに済んだが」
「鼎さん、とにかく休んで下さいよ!」
「ありがとう、空操」
鼎は息を切らしながらよろよろと歩いているが、桐谷は心配したのか寄り添った。
「鼎さん無理しちゃダメです。久々に覚醒使って、急激に身体に来たんでしょうね…反動が」
「桐谷…すまない」


鼎は予想外の身体の影響にどう反応していいか、わからない。しばらく覚醒を使わないとこうなるのか…。

組織専用宿泊スペースの鼎の部屋に訪ねてくる者がいた。鼎は扉を開けた。そこには蔦沼がいた。
「ちょ…長官!?どうしてここに!?」
蔦沼は顔を見せたくないのか、うつむき加減で話かける。
「君の覚醒による身体の影響、及び反動について調べたよ。しばらく覚醒を使わないでいると身体にかなりの負担がかかる。戦闘時キツくなかったかい?」
「かなり…しんどかったです…」
「紀柳院さんは無茶しやすいから気をつけな。これは僕からの忠告だ。君の身体の負荷は予想以上なのだからね。その火傷のダメージが影響している。仮面を外せないのはそのためだろ?」
「…ああ」
「紀柳院さん…いや、都筑さんと言うべきかな」
「本名で呼ぶのはやめて貰えませんか」鼎は嫌そう。


「わかってるよ。ゼノクが出来たきっかけの事件、都筑家事件がきっかけだったんだよ。だから宇崎司令は紀柳院さんにゼノク入居を勧めたんだ。その火傷の跡、身体のダメージが軽減されるように願ってね。その顔の大火傷の跡は宇崎は相当気にしていたみたいだから。仮面生活が長いこともわかっていたから」
「………」
「別にいいんだよ。君はここ(ゼノク)に行くのが嫌なのは最初からわかっていた…」
鼎はしばし沈黙している。

「気分、悪くしちゃったかな。とにかくゆっくり休んで下さい。宇崎はああ見えて鼎のこと、心配してるんだよ。言い方はテキトーだけどさ」
蔦沼は少しだけ顔を上げた。白いマスクとフードで顔が一切見えない。
「じゃあそろそろ帰るよ。君は絶対に無理をしちゃいけない…僕のようにはなるなよ」最後の語気が少し強くなっていた。
鼎は長官を見送ったが、左足を少し引きずっているように見えた。左足、少し不自由なのか?


蔦沼は詳細を話さなかったが、10年前の戦いで蔦沼は長坂怪人態により両腕切断に加えて身体に深刻なダメージを与えられたとどこかで聞いた。
晴斗は長官に会った時にその当時の映像を見たと聞いた。かなりエグいものだったと聞く。


室長は心配してゼノクを勧めたと知り、複雑になった。ゼノクは怪人による後遺症治療専門の病院も併設されている。室長は自分の火傷の跡こと、気にしていたのか…。
鼎は仮面を外した。顔の大火傷の跡はなかなか良くならない。身体の跡はだいぶ消えてはいるが、首筋から顔がひどい。
だから人前では鼎は仮面姿。

鼎は再び仮面を着けた。桐谷と空操はその後、鼎の部屋に来た。
「鼎さん、さっき蔦沼長官来てませんでした?」
「…来ていたが…」鼎はなぜか言いづらかった。
「どうしましたか?鼎さん…何かありました?」桐谷は心配してる。
「いや…なんでもない」

「こっちにも蔦沼長官が来たんですよ、鼎さんに無理だけはさせないで下さいって…久々に使った覚醒による反動はかなり身体に影響するから休ませろって」
「深海さんもめちゃくちゃ心配してましたよ。紀柳院さんは戦闘時間に制限があるからどうとか言ってました」
「…なんだか迷惑かけてるな……」
「迷惑じゃないですよ!その身体になってしまった以上、無茶させるなと言われただけで…」
「悪い、しばらく1人にさせてくれ。明日は出撃出来ないかもしれない」
「は、はい…」
2人は長官絡みで鼎になにかあったなーと察した。


長官は地下にいたが、鼎に悪いことをしたなと後悔した。
「彼女に少し言い過ぎたかな…。紀柳院は複雑な事情があるだけに、簡単には行かないんだった…」
鼎に異変が起きたのは翌朝のことだった。



後半がめちゃくちゃ気まずい展開になってるんですけどー。
鼎からしたら複雑すぎる。なんだかんだ主軸が鼎になりがち。


長坂のやつは怪人をまた送りこみそう。強化態が地味に強くなっているんで、鼎の覚醒なしだとキツいはず…。
臨時隊員は戦闘力高いメンバーばかりな上にゼノク防衛なためにいる人達ばかりなんで、案外大丈夫か?

蔦沼はこの身体じゃ戦えないみたいなことを言ってるが、義手に武器を仕込んでいる時点で戦う気満々じゃないかと…。
長官は義手になったことで弱くなってしまったが、実は組織内上層部の中では戦闘力がめっぽう高い方。

長官、最終的に再び戦いそうな気がする。