原田マハの小説「本日はお日柄もよく」を今読み進めている途中。
この人の小説は前から読んでみたいと思っていた。
まずマハっていう名前が珍しくてなんだか引っかかってしまうし、
積読の名人、同期のM氏もマハの小説が好きだといっていたから。

年末年始で本屋さんに立ち寄る機会がたくさんあったけれど、
美術館を舞台にしたマハ氏の小説(タイトルは忘れてしまった)が
新作で出ていた。
それを買ってもよかったけれど、美術のことをよく分かっていない自分が
買うには高尚すぎるような気がして、この小説に決めた。
(小説の裏表紙に載っている簡単なあらすじが、友人の結婚式のスピーチが
うんぬんかんぬんと書いてあって、なんだか俗っぽくて読みやすそうだったから)

この小説はスピーチライターという職業にスポットをあてた物語だった。
最近ことばの伝え方について悩むことが多かった自分にとっては、
なんだかとてもタイムリーで、ためになりそうな気がしている。

まず話を伝える前に、しっかり人の話を聞くことが大切というエピソードがあった。
話し上手は聞き上手なんて、世間の常識になりつつある。
そして、私は自分のことを聞き上手だと信じて疑っていなかった。
でも、このエピソードを読んで、本当に自分が人の話をきちんと聞いているのか、
不安になった。
私は決して聞き上手ではない。
聞くよりも話すほうが苦手で、自然と聞き役に回ることが多いから、
自分のことを聞き上手と勘違いしていた。
相手が話している言葉をかみしめて、きちんと聞いているだろうか。
興味なさそうに聞き流してはいないだろうか。
少しの言葉の違いで、相手が本当に考えていることや、色々な物事の背景も分かってくることがある。

ああ、自分も何か話さなきゃ、上手い返しをしないととあせることが多いけど、
まずはしっかり人の話を聞こうと思わされたのでした。
下手な啓発本よりもなんだかしっくりくるのは、小説には細かいエピソードが書いてあるからなのかな。
それこそ語彙力というか、伝え方の違いによるものだよねえ。