辺りは一面血の海。
人の屍体が何十、何百と戦場に転がっていた。
私の目の前は赤。
血生臭さに目眩がした。
赤い。私の服も手も赤い。
口の周りを拭ったら、どうやら口の周りも赤いようだ。
なぜ?
?
?
ああ、そうだ。私は、忘れていたのだな。あんまり上手に化け過ぎた。
自分の元の姿を忘れるなんて。
次の職場で働くにはカナリ我慢を必要とする。
人としての腐悪鬼忌邪悲
マイナスになりうる部分を捨てなくてはいけないんだ。
信者かよ。
マジに拝まなきゃな。
きしょ。
理想だが、
きしょ。
吐きそうになるね。
アタシは不になる部分も好きなんだよ。
人間だもの。
だがしかし、それは必要無しの聖人さんを目指さなきゃならんね。
きしょ。
耐えられるかな。
あたし、前髪が長めだから、今隣に座る人の顔が見えない。
あっ、今電車なんだけど。
そこで、
妄想を一個。
隣りに座るは唐橋さん。
隣りに座るは唐橋さん。
はあ、トキメキマシタ。
一時ね。
一時だけ、トキメキをありがとう。
これは良い。
今妄想から解き放たれましたが、良いですね。
でも、もし本人だったら、どうしてたかな。
声かけるか。
かけなくても意思は示すだろうな