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天使の街
ファビは自信タップリで黒いストレージを天に翳す。
ざわ………
ざわざわ……
ファビのまわりは戸惑い
黒いストレージに注目
天神:なんだ……
あの中に何が待ち受けているんだ………?
ファビ:よお〜〜〜〜〜く聞けよ雑魚共が
一度しか言わない
このストレージは爆弾だ。
ここら一帯を吹き飛ばす火力のなッッ!!!
天神:な!!?…………なん………
偕:……………だと……?
偕はファビが映るモニターを見ている
静音:ファビ君はこんな時の為に爆弾を所持させました。
ファビ君はDEリングによりデュエル以外のダメージは受け付けない
しかし一般人には爆弾を回避するなんて無理ですわ
ギリ………
偕も親指を噛みながら
偕:こんな無茶苦茶な事を思い付くなんて……
静音:仕方ないですわ
こうでもしなきゃ
たった一人で天使の街を陥落させられない
さあ ファビ君
あと三分で爆発させましょう。
静音の声を聞きファビは叫ぶように宣言
ファビ:あと三分だ!
あと三分でこの場所を消し灰にしてやるぜッッ!!!
ドドドドドドドドドドドドドド
ファビを囲んでいた決闘者達が次々と逃げ出す。
雑魚A:ひ、ひいいいいー!!
雑魚B:イカれてやがるぜあの野郎ッッ!!
雑魚C:予約した深夜アニメ見ないと!
天神:お、おい
待てよお前……ら……
偕はその光景をモニターから見つめ
偕:ぐ…………く
やりますね……
久しぶりです
ウチがここまで驚くのは
偕:面白い
やってみなよ
この現状を変えてみせなよ
スッ………
静音は携帯を出して
静音:……だそうです
聞こえましたねファビ君?
静音の携帯から声がする
ファビ『ああ!!もちろんだぜ〜』
ドドドドドドド……
カシャン……!
偕は携帯を落とし
偕:ウチと同じ事をした………?!
な 何故………?
キミ達はファビ君を探していたはず
それにファビ君は電話で話してる様子は一切なかった
静音:この事は私とファビ君しか知りませんわ
声はイヤホンをつけてもらってました。
偕は初めて戸惑い汗をかく
偕:なんで そんな事をわざわざ………?
静音:此方には 此方の都合がありますの
さあ ファビ君
今こそ切り札を使う刻ですわ
ファビ『ああ、今出した。』
バッ!
偕は素早くファビが映るモニターを見る
ファビは鞄から黒いストレージを出していた。
偕:………
……あの中に何が入っている……
あの表情 あの自信は
ギリギリの状態や敗北を考える表情じゃない
未来を切り開く希望の表情…………
あの黒いストレージで天神と頡頏(きっこう)するというのか………?
ユウリヤはエレベーターに乗りファビの元に向かう。
偕:ふふ
早くファビ君の場所にたどり着くといいね
聞こえたね天神?
スッ………
偕は自分の携帯を静音の顔に向ける
天神『はい!!聞こえましたッッ!!!』
偕の携帯から天神の声が聞こえた。
静音は冷静に現状を分析する
静音:………ハンズフリーにしていたのですね
最初からこちらの会話は聴こえてたんですか
偕:そうとよ
言葉の魔法を使う意味なんて
今は無いからね
天神『やはり!!
やはり 偕様がいれば天使の街は安泰!!
安泰 安泰 安泰!!
もう ファビはおしまいですううううう!!』
静音:じゃあ こちらも 切り札を出すとしますか
貴方の予想を上回る
規格外の出来事をやりますわ
静音は偕の瞳を見つめる
ゴゴゴ………
ゴゴゴゴゴゴゴ………
偕:この現状を打破する切り札があると……?
ファビ君がさらにパワーアップでもするのかな……?
静音:いいえパワーアップなんてしません
宣言します
ファビ君はすぐに天神さんとデュエルをする事になります。
いつまでも話し合いをするつもりは皆無ですわ
偕:ファビ君の能力は
弱肉強食
相手は『勝てないと思った瞬間』再起不能になりデュエルに敗北する
今 みんなは『勝てない事を前提』にデュエルしている
だからデュエルを始めた瞬間敗北してる
気持ちが弱いから
でも………
幹部昇進の話を聞けば全員が勝利の為にデュエルをする
そうすれば一人、一人の倒す時間はかなりのものになる
気持ちが強くなるからね
ユウリヤの偕を掴んでいる手が震え恐れた
ガタ……ガタガタ
ユウリヤ(駄目だ全て見透かされている……)
静音:ユウリヤさん
急いでファビ君の場所に向かうべきですわ!
ユウリヤが静音の声に反応し
ユウリヤ:静音ちゃん……?
でも僕が言っても………
静音:大丈夫ですわ
早くファビさんを助けてあげて下さい
ここは私がなんとかします。
静音がエレベーターのボタンを押し扉が開く
ガー………
偕は見下すように笑う
クス………
偕:ふうん 静音ちゃんねえ
オマケみたいな存在のキミがウチをなんとかするの?
ユウリヤ:夢幻の如く……………??
偕:そう、ファビ君の能力を知る必要は無いとよ
大切なのは言葉と気持ちだから
偕は携帯を見て電話をかけようとした時
ユウリヤは偕の腕を掴んでいた。
ググ………
偕:ん、どうしたの?
なんでウチの腕を掴むのかな
これじゃ電話できないよ。
ユウリヤ:一体 何を話すんだ…………?
頼む 教えてくれ
偕は死んだような瞳でユウリヤを見つめ
偕:ファビを倒した者はこの街で幹部に昇進させてあげる。
この一言を全員に伝えろと天神に話す。
ユウリヤの顔がうつむき苦悩する
ユウリヤ:ぐ……やはり アンタはファビ君の能力を知っているのか………
確かにそれならファビ君の勢いは確実に止まるだろう
クスクス…
偕が透明な声で笑い
偕:ある程度は予想できるよ
あの能力は支配系だからね
ウチも支配系の能力とよ
ユウリヤ:支配系………?
偕:DEリングの中で最も支配力のある能力
ファビ君の能力は支配系の中でも最弱だよ