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月の狂宴[5]【R】
07/10/13 13:13 Sat

※裏日記で連載していた小説は、今後Noteの方へupします。


 

「  ……っ」


何かを訴え掛ける様に、私を見上げる一対の翡翠。

彼を戒める手とは裏腹に、優しい声色で聞いてやる。


「どうした?」


満月の光を反射して輝く柔らかな銀髪を撫でながら微笑むと、痛みに顔をしかめながらも、伏し目がちにぽつりぽつりと話し始めた。


「俺…狂ってるのかも知れない……////」


 

 


「何故?」


今度はもっと優しく、髪を撫でていた手を頬に滑らせながら問い掛ける。

すると、彼は恥ずかしそうに頬を染めた。


「だって、痛いのは嫌いなのに……  になら何されても良いって…されたいって思ってる。  が欲しくて堪らないんだ……」


戸惑いがちにそう告げる彼をそっと抱き寄せると、小さな背を摩りながら安心させる様に囁く。


「…大丈夫。狂ってないよ。」


そう。

狂っているのは他でもない、この私。

こうなる様に仕向けたのも、私。


「余計な事は、何も考えなくて良い。私だけを見ていれば、良いんだ。……愛してるよ、冬獅郎。」


少し困った表情をして眉間に皺を寄せた彼の耳元に唇を寄せ、そう耳殻に吹き込むと、嬉しそうにはにかんだ表情を浮かべた。


「俺も…俺も、  の事…っ!!?」


彼が言い終える前に、小さな唇を己のそれで塞ぐ。

紡がれる筈だった愛の言葉は、私の咥内に吸い込まれ、身体の奥へ流れて行く。

全てが満たされて行く感覚。

あぁ…愛しい、愛しい、愛しい。

狂おしい程の劣情。

こんな事でちっぽけな支配欲を満たしている私は、相当に末期に違いない。

それでも。

解っていても止められない、この狂気。

君を犯して、汚して、壊れる程に愛してあげる。



今宵は、満月。



月の狂気にほだされて、私は君を求め続ける−−−−−………





end



最後が恐ろしく微妙になってしまった……(げふっ←吐血)




 

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