むふふと笑いそうになる本日。


今日はアニメイトに足を運んだら、

『ロード・エルメロイU世の事件簿』シリーズが今現在刊行されている分
全部店の棚に陳列されていたのでソッコーで購入した紫水さん。


Fateシリーズおなじみのキャラで先週FGOにてお迎えしたキャスタークラスのお方。

前々から読みたいなー、と思っていたけれど
前に足を運んだ時はなかったので
アニメイトの店員さんに聞いたら一般書店(だったけな)の流通ルートでは
流れてこなくて(一部の店限定みたいな)、
取り寄せの予約をしても確実に確保できるかどうか、
できたとしても2、3ヶ月ぐらいは待ってもらうことになるとかどうとかという話をしていたので、

あー、とその時は思ったけれど。


今回足を運んだら、あったので

「これを逃したら次いつ入荷されるかわからないから、買える時に買っておこう!」と
いうことで買っちゃいました、あはは。



そんなエルメロイさんはFGOではサポートに特化した性能もちキャラのため、
過労死からは逃れられない状態。

だ、誰か、胃薬を……。

Fate/Grand Order プレイ


先週からぐだぐだ本能寺イベが復刻して、絶賛周回中な紫水さん。

アイテムドロップ率が渋いので、イベントアイテムと交換で貰える素材を
全部回収できるかどうかが不安にゃのですがぁ……。

まあ、ぐだぐだだし(笑


プロトアーサーの育成も終わり、イベント限定礼装が欲しいなぁ、と思って
昨日、ガチャを回したら。

過労死枠代表格の諸葛孔明ことロード・エルメロイU世をお迎え。

太陽と星のフォウくんで強化は済ませているので、
後は種火をあげてレベル上げをするだけ。

霊基再臨に必要な素材は大体揃っているし、
足りなかった禁断の頁も今回のイベントアイテム交換対象になっているので、
必要な分を交換したけれど。



ちなみに本日もガチャを回したら、4人目のアルトリアと
2人目の沖田さんをお迎え。

アルトリア、後1人で宝具Lv5だよ……。

4人目が来るとは思ってもいなかったので、ホントに予想外だった。


……今年のエイプリルフール、FGOは何をするつもりなのかな…・…。

Fate/Gardener  ACT:6(24)

「………しかし、藍堂さんも結構すんなりと捏造話をするもんだねぇ。」
「魔術を隠匿するためですから、仕方がありませんよ。
でも、遠坂さんはこれに納得しないでしょうね。」
「事情説明に納得がいかなくて、
シスターの制止を無視してこっちにきそうなんだけど。」
「それについては時雨が上手く言いくるめるから、
心配するなと言っていましたが。」
「ローゼスフィール、森林地帯に仕掛けられているトラップはどう?」
「……全部、跡形もなく消されているわ。
多分、バーサーカー陣営がライダー達に
勘付かれることなく全てを解除したのだと思う。
………深雪の伯父様にトラップを解除するような趣味でもあったのかしら?」
「あるいは間桐のご老体がその手の技術を持っていたか……。
どちらにしろ、トラップが解除されているのなら、
迷宮は完成しているだろう。
まずは迷宮の出入り口を探すことから始めるべきだ。」
「保護したホムンクルス達はアインツベルン城に避難させた方がいいですか?」
「そうだね。ローゼスフィール、アインツベルンの当主は城にいるのか?」
「いいえ、恐らくはドイツにいると思うわ。
当主がこの地に来ること自体がないもの。」
「それなら、ホムンクルス達の応急処置は安心してできるということだな。」
「ええ。でも、間桐の当主―――間桐白夜、と言ったかしら。
もし、アインツベルン城で鉢合わせをしたらどうするの?
実力は間桐のご老体の方が上よ。」
「相手は長生きをしているから、
時間の重みというのがのしかかってくるけどね。
でも、彼がアインツベルン城で鉢合わせをすることはないと思う。」
「何故?」
「迷宮の最深部にいるバーサーカーの元まで
生贄を連れて行く必要があるから。
バーサーカーのマスターとは言っても、
自分が迷宮に入ってしまえばバーサーカーが倒されるか
迷宮を破壊するかのどちらかをしない限り、
脱出することはできないからね。
そりゃ、深雪達の後を追いかける、っていうのなら話は別だけど。」
「だけど、間桐白夜は私達を充分に追いかけることはできない。
彼は前回の聖杯戦争で下半身不随となっているのでしょう?」
「当時のキャスターに蟲毒へ蹴飛ばされたからね。」
嫌な顔をして話をする満月にローゼスフィールが首を傾げた時、
鳥型の使い魔が不可視を解いてその姿を見せた。
時雨と合流する前、1羽を間桐邸に飛ばしていたのだ。
「……間桐邸をくまなく探してみたけど、
間桐慎三の姿は確認できなかったって。」
「となると、彼もこの森林地帯に……いや、
迷宮の中にいるかもしれないということですか?」
「も、もし、
迷宮の中にいるのなら……伯父さんも
探さなくちゃならないのでしょうか…。」
「それが事実だとしたら、彼も探さないといけないな……。」
満月の言葉に深雪はしょんぼりとした表情をする。
生贄にされてしまうホムンクルスを
全員探すだけでも一苦労をするというのに、
間桐慎三も迷宮内にいるのなら彼も探さないといけない。
満月がため息をついた時、ガサリという音がした。
セイバーとランサーは宝具を構え、3人の前に立つ。
茂みの中から人影が飛び出してきた。
「―――伯父さん!?」
その人影が伯父である慎三だとわかると、深雪は彼に駆け寄った。
セイバーとランサーは宝具を握る力を緩めた。
「………深雪……ちゃん……?」
慎三は胸元を手で押さえつけながら、
息苦しい様子で深雪に声をかけた。
満月は深雪の隣に移動すると、慎三の脈拍を測った。
「体内の蟲が暴走状態になっている。
こんな状態で良くも無事にいられたものだ。」
「私はこれでも無痛症だからね。
この程度の痛みは何ともないが、
息苦しさだけは免れることはできない。」
慎三の言葉を聞いた満月は彼の手の甲を見た。
「―――――――。」
本来ならあるべきはずの令呪が影も形もなく消え去っている。
それはつまり、バーサーカーと繋いでいた因果線が
断ち切られているということだった。
「………間桐慎三、いったい何があった?
令呪がないということは間桐白夜に強奪されたのか?」
「……ああ。俺が聖杯を手にしても、
深雪ちゃん関連のことしか願わないだろうと判断した
爺さんが令呪を強奪した。
間桐は始まりの御三家でサーヴァント召喚と令呪を
考案したからその手の術式には滅法強い。」
「間桐慎吾はご老体の人質にされたのか?」
「……ああ。情けないことにね。
深雪ちゃんを優先したばかりに人質に取られた。」
「伯父さんはいつもそうです。
私のことばかり気にかけるから……満月さんやローゼスフィールさん、
それに和火さんという友達も
出来ましたし……もう少し、
慎吾さんにも気にかけるべきだったと。」
「……そうか。セイバーのマスターの元に居候していたのか……。」
深雪の言葉に慎三は彼女が満月の元に
居候をしていたことを察した。
そして彼はランサーに視線を向けた。
「見ない顔だが、彼は――ランサーか?」
「ランサーのマスターだったクレメンス・オックスフォードは奥方共々、
キャスター陣営に殺された。
今はセイバーと共に私のサーヴァントになっている。」
「……そうか。
知らない間に一陣営が敗退していたのか……。」
「伯父さん、しっかりしてください!」
「無理に体を揺さぶらない方がいい。
蟲が却って動きを活発化させてしまう。」
満月はそういうとウエストポーチから、
蟲を殺す薬が入った注射器を取り出した。
綿に消毒液を染みこませて、腕に塗布すると
満月は注射器の針を刺した。
「今、蟲を殺す薬を打った。
しばらくすれば体内にいる蟲は全て死滅する。
全身に回るのに短くても10分はかかるし、
副作用としてインフルエンザに似た症状が1週間程度出る。」
「………どうしてそこまで……。」
「あんたはもう令呪を失ってマスターという束縛から解放された。
それに深雪からあんたを助けてくれ、というお願いをされた。
バーサーカーをご老体に奪われた以上、
あんたと私は対立する理由もない。
本来なら聖堂教会に保護してもらうのが1番なんだけど、
監督役がアサシン陣営に殺害されたからね。
監督役の息子である草摩先生に身柄を保護して貰うといい。」
「………監督役、が死んだ……?」
「アサシンの短刀を投擲されて、
心臓を一突き。失血死で亡くなられたよ。
アサシンのマスターは死徒だからね。
聖堂教会が排除の対象にしている異端だから、
自分が排除される前に先手を打ったんだ。」
「そう、だったのか……。」
慎三の荒い呼吸が緩やかになっていく。
蟲を死滅する薬が効いているようだ。
「……慎吾は?」
「今、森林地帯前の道路で足止めをしている。
といっても、ご老体の傀儡になっているんじゃ、
事情を知らないシスター達の指示を無視して
間桐白夜の元に行くだろうけど。」

 

「―――そういうわけですから、
お気をつけて校外学習や慰問に向かわれてください。
何か不都合なことがあるようなら、
そちらの学院にいる俺の悪友に連絡を。
そうすれば彼経由でこちらに連絡がつくので。」
「ご迷惑をおかけいたしました。代表してお礼を申し上げます。」
シスターが時雨にペコリ、と頭を下げたその背後で
1台のバスから怒涛や悲鳴があがった。
「……何だ?」
「シスター・カテリーナ、大変です!間桐君が……!」
慎吾がいるクラスを受け持つシスターが叫ぶと同時に
彼がバスから降りて、森林地帯に走って行った。
「す、すぐに後を――!」
「ちょっと待ってください。
この森林地帯は道が複雑になっているので、
下手に動けば迷ってしまいます。
ここは俺に任せて皆さんは目的地へ。
彼を保護次第、すぐに連絡します。」
「え、でも……。」
「それにここは野生動物が出没します。
今年は森の実りがよくなかったのでこの辺りにいる動物は飢えている。
何の準備もなしに歩き回って遭遇してしまえば、
命を落としかねません。
幸い、専門家が先行してこの森林地帯で動き回っているので
彼らと連携して探しますので。」
時雨の言葉にシスター・カテリーナは少しだけ迷ったが、すぐに頷いた。
「わかりました。間桐慎吾君の捜索をお願いいたします。
重ね重ねにご迷惑をおかけして申し訳ありません。」
「市民の生命と財産を守るのが
俺の仕事なのでどうかお気になさらず。
慰問の時間も予定より遅くなると
余計な心配をかけてしまいます。さあ、どうか。」
「はい。ではよろしくお願いします。」
シスター・カテリーナは時雨に一礼をすると
他のシスター達に指示を出してバスに乗った。
停車していたバスが1台ずつ発進していく様子を時雨は最後まで見守った。









                                                                                             続く。

続きを読む

Fate/Gardener  ACT:6(23)

アインツベルン城付近ではライダーとエミリスフィールが
押し寄せてくる蟲の大群を一掃していた。
彼らは森林地帯に設置したトラップが侵入者らしき反応を感知したので、
それの確認に城外へ出たところ、蟲の大群が2人を待ち構えていた。
「よりによってこんなのがたくさんいるなんて………。
少なくともシルヴィアを追いかけた時にはいなかったわ……。」
「不可視の魔術でもかけて、
視えないようにしていたんじゃないのか?
こいつらがトラップに引っかかったということは、
迷宮はもう完成していると見ていいはずだ。」
「でも、迷宮なんて何処にもないわ……もしかして、
不可視の魔術でもかけられているのかしら?」
「となると、この森林地帯は既にバーサーカー陣営の
思いのままになっているのか……?」
ライダーが呟いた瞬間、何処からともなく珂珂々という笑い声が周囲に響いた。
「……何、この不気味な笑い声は……?」
「―――――そこか!」
エミリスフィールを庇うように自分のもとへ抱き寄せたライダーは
魔力で顕現させた短剣を何もないところに飛ばした。
物陰から不定形の影が盛り上がる。
エミリスフィールはそれを密集した蟲の大群かと思ったが、
すぐに首を横に振った。
錯覚は振り払われ、
姿を見せたのは車椅子に乗る、痩せ細った老人であった。
「………誰だ、お前は。」
「珂珂々、バーサーカーのマスターじゃよ。」
「とぼけるのはよしてくれるかしら?
バーサーカーのマスターは貴方よりももっと若い人間のはずよ。
私達だけじゃない、セイバー陣営のマスターも確認しているわ。」
「……バーサーカーのマスターは自分を
間桐の当主候補と言っていたな。
とくれば、当主はまだ健在のはず。お前が間桐家の当主か?」
「珂珂々、いかにも。ワシが間桐家当主じゃよ。」
「始まりの御三家の一角である間桐のご老体が
敵の陣地にわざわざ足を運んだ理由は何かしら?」
「何、ワシらが召喚したバーサーカーと
アインツベルンが召喚したライダーは生前からの因縁があるからのう。
早めに手を打たねば、後々厄介になると判断したまでよ。
それゆえにアインツベルン城があるこの森で迷宮を建造した。
バーサーカーの迷宮は本人ではなくダイダロスが建造したからのう。
魔力による顕現は不可能なのじゃ。」
「だからと言って、
私達の目を誤魔化して建造するなんて――――……。」
「珂珂珂々、お前さん達は常日頃から城におらず
市街地をぶらりと歩いていたじゃろう?
ホムンクルス程度なら、
ちょっとした催眠をかけるだけで
自陣の異常に気づかせないようにするぐらい容易いことじゃ。
特にこの数日はな。
アサシン陣営やお前さんの身の回りを世話していたホムンクルスが
活動停止したことでバタバタとしていたから、
変に怪しまれずに済んだわい。」
「………何てこと………。
知らない間にバーサーカー陣営に
この森林地帯を占拠されていたなんて……。」
「間桐の当主、1つ聞きたいことがある。
バーサーカーのマスターは間桐慎三で、
令呪も彼が持っていたはずだ。何故お前がマスターになれる?」
「珂珂々、サーヴァントと令呪のシステムを
考案したのは我が間桐。
なればこそ、召喚術や令呪には滅法強いも当然のことじゃて。」
白夜の言葉がどういう意味をもたらしているのか、
ライダーはすぐに悟った。
「……強奪したのか、令呪を!」
「慎三は聖杯を手に入れたところで、
自分のために使用しないからのう。
ワシの願いなぞ二の次じゃ。
そうなってしまっては困るので、剥ぎ取ったのじゃよ。」
「彼の同意もなしに摘出したのね……酷いことを………。」
「貴様がそこまでして叶えたい願いというのは何だ!?」
「さほど難しいものではない。ワシの願いはこの足を治すためよ。」
そういって白夜は下半身にかけられていたブランケットを取った。
「――――――――っ!!!」
「きゃああっ!」
ブランケットを外したことで露になった白夜の下半身を
見たエミリスフィールは悲鳴をあげた。
「前回の聖杯戦争においてワシは
当時限界していたキャスターによって
自分が用意した蟲毒に突き落とされ、このような姿になった。
万能の願望機でなければこの下半身を元通りにすることはできぬ。
さてと、無駄話をしている暇はない。
いかにワシでもサーヴァントを相手に充分戦うことはできん。
ならばこそ、出来上がった迷宮において因縁の相手と戦うがよい。
その間にワシはアインツベルン城にいるホムンクルス達を
生贄として捧げるとするか。
女性型がほとんどじゃから、
男については此処に来る小学生で補うとするかのう。」
「……貴様、子供を生贄にするのか!?」
「ライダー、バーサーカーのマスターを殺しなさい。
子供達を犠牲にするわけにはいかないわ。」
「無論だ、全力を持って貴様を倒す!」
「珂珂珂々、果たしてそうはできるかね?
城から出てきた時点でお主らは迷宮内にいるも同然よ。」
白夜がそう言い放ったのと同時に地面が轟音をたてて揺れ始めた。
「これは――――!?」
地面が振動し、エミリスフィールはバランスを崩して倒れそうになる。
「エミリスフィール!」
ライダーはエミリスフィールに駆け寄ろうとするが、
2人を不可視の魔術が解かれた迷宮の壁が分断する。
「ライダー―――……ッ!」
自身に手を伸ばそうとするエミリスフィールが闇に飲み込まれていく。
その姿が見えなくなったのを見計らい、
白夜は忍び笑いをした。
「バーサーカーが彼女を見つけて生贄にするよりも
先に探すことができるか、
それとも迷宮を彷徨うマスターを差し置いてバーサーカーと戦うか。
貴様はどちらを選ぶ?」
「決まっているだろう、俺はエミリスフィールを探しに行く!
あいつは俺がいないと何もできないんでね!
貴様を倒すのは迷宮から出た後だ!」
それだけ言ってライダーは迷宮の出入り口に自ら入って行った。
それを見送った白夜は珂珂々、と笑う。
「ライダー陣営についてはバーサーカーに任せるとして、
ワシはその間にアインツベルン城の地下に行こうとするか。
だがその前に慎吾をここまで連れてくる必要があるな。
この車椅子では移動が不便すぎる。
……生まれついての怪物は生まれついての英雄に
倒さなければならないという筋書きがあるが、
バーサーカーよ。
お主はその筋書きにどう抗うのか、見させてもらうぞ?」
誰もいなくなった森林地帯で白夜は迷宮を見ながら、ニタリと笑った。


森林地帯前の道路にて5台のバスが縦列駐車をしていた。
1台はミカエル学院が所有する小型バスで
残りの4台は貸切りをした観光バスである。
その車内にて6年生と4年C組は自分達が何故、
ここにいるのか呆然とした様子で支給された飲料を口にしていた。
「ということは皆さん、その蟲を目撃した後に
意識を失って気がつけばここに来ていたといことですね?」
「ええ……もう何が何やらさっぱりですが……。
あの蟲達は何処に行ったのでしょうか?」
「それについてはご安心ください。
殺虫剤を振りまいたら、逃げましたので。
催眠作用についてもそれを解除する成分の入った白湯を
皆さんに支給したので、もう大丈夫でしょう。」
「あの蟲は何だったのですか?」
「科学者が生物を用いて集団催眠を試みよう、という馬鹿げたことを
しているとその助手が警察に通報しましてね。
それをやらかしてしまうと世間がパニックになってしまって、
いろいろと面倒ごとを発生してしまうのでそのリスクが起きないよう、
くれぐれも内密にとお願いされたのです。
で、せめてものお詫びということで催眠を解除する成分が
入った薬を溶かした白湯を皆さんに支給したと。」
「そうですか……。」
「皆さんに関しては完全にとばっちりですから、
症状が重ければ病院に向かってください。
白湯さえ飲めば大丈夫だと助手は言っていましたが。」
「それでその助手さんというのは……?」
「科学者の下に向かって説得をしている最中です。」
「お礼を言おうかと思ったのですが、この場にはいないのですね。」
「ええ、ですがお礼は不要だと言っていました。
こちら側の不手際で大変な思いをさせて申し訳ないと。」
事情説明をする時雨の背後にある樹の梢から満月は彼を見ていた。
彼女と深雪は2日間ほど公欠という扱いになっているので、
今出て行けば面倒なトラブルになってしまいかねない。
第三者が事情説明をすればシスター達も納得するだろう、ということで
時雨が生物を用いて集団催眠を試みようとする科学者がいるという
嘘の通報をでっちあげて、話をしていた。







                                                                                           続く。

続きを読む

お待たせしました、ホワイトデーです。

 

 

―――そして。3月14日。ホワイトデー当日。

 

「というわけで、剣崎さんへのお返しには
私ん家の家庭菜園で育てた薬草とか花で作った入浴剤セット。」
「えっと、私や和火さんもやってみたんですけど……。」
「いやー、楽しかったねぇ♪」

「え、これって……姫宮さん達の手作り?」
「そうそう。製造方法は企業秘密だけど。」

ちなみにその製造方法には魔術が関わっているので、
そりゃ企業秘密にもなります。

「あ……、でも。アレルギーとかそういうの大丈夫?」
「へーきへーき。
あー、何か袋越しからでも良い匂いがする。」

「柑橘類やハーブを使ったからね。」


「でもなんか嬉しいなぁ。
陸上部の練習後って結構汗かくから、毎日お風呂入っているんだけど。
早速今日から使ってみるよ。」
「あ、良かったら感想も頂戴ね。」

にこにこと会話をする香夏子と満月を見ていた同級生達は。

「……製造方法が企業秘密って……。」
「特許を取る気はないのかな?」

「…でもさぁ。特許取ったら、製造方法公開しないと
いけないんじゃない?」

「……東京特許許可局かぁ……。」
「こらそこ、早口言葉を言わないッ!」


とヒソヒソ話をしていた。

 


「あ、姫宮さーん!」

そこへ律がパタパタと駆け足でやってきた。


「これ、幸太からお返しだって。」

と紙袋から律が取り出したのは。


ポケモンのピンバッジだった。

ちなみに本人は直接渡すのが恥ずかしいので、
律にお願いして渡してもらうことにした。


「……レシラムとゼクロムとキュレム?」

「えーっと、紅林さんがレシラムで、間桐さんがキュレムで
姫宮さんがゼクロムだって。」

満月達は知らない。
幸太がそれを見つけた場所は半額セールのコーナーだったということに。


「……満月さん、ゼクロムっていうイメージあります?」
「え、でも満月ちゃんってでんきタイプってイメージあるけど私。」
「……え、そう?」
「見た目可愛い……あ、いや綺麗な割に中身はバチバチ。」

「和火さん、それは本人の前で言うのはどうかなぁ、と。」
「………。」

「ほら、目が点になっていますよ?」
「言葉のあや、怒っちゃ嫌だよ?」


「(あれ俺らが言ったら、ガチで10まんボルトがとんできそー……。)」


にこやかに会話をする深雪達をよそに。
同級生達はちょっとだけブルブルと震えていた。

 

「……あれ?そういえば、3人とも。ヘアアクセサリーをしているけど
どうしたの?」

「藍堂さん達がくれたんだYO。バレンタインのお返しに。」

「和火さんはミミッキュ、私はグレイシアです。
私は草摩先生から貰って、和火さんは藍堂さんから。
ちなみに満月さんはランサーさんから貰いました。」


「そっかぁ。」


満月達は知らなかった。
香夏子と幸太が時雨達3人にアドバイスをしたことなど。

 

そして。その日の放課後。

 


「……やるよ。」

つーんとした表情で小さな袋を出してきた幸太に律は首を傾げた。

「なーに、これ?」

「バレンタインのお返し!
今日ホワイトデーだろッ。この鈍ッ。」
「鈍って何よ、鈍って!ひっどいわね!」

とか何とか言いつつ。律は幸太から袋を受け取った。


「開けてもいい?」

「……おう。」

幸太が頷いたのを見て律は封を開けた。

「―――あ、可愛い!」

袋から取り出した可愛らしいシャープペンを見てにこにこと笑う律に。

「お、おう……。」

としか、幸太は言えなかった。


「……あれ?何で顔赤くなってんの?風邪?」
「ち、ちげーよ!ほら、さっさと帰るぞ!」
「あ、ちょっと、急に手を握らないでよぉ!」

そそくさと逃げるかのように走り出す2人を。

「……あーあ、熱いことだねぇ。」

と満月はこっそりと見ていた。

その髪にはカサブランカをモチーフにしたヘアアクセサリーが。

それに指をあてた満月はクスクスと笑った。


「今日はアイリッシュシチューでもするかなぁ。」







                                                   終わり。

続きを読む
前の記事へ 次の記事へ