秋といえば、これですな<6>(終)

 

「漢道」を歌い終わり、2人は互いに不敵な笑みを浮かべた。

それと同時にまたもや、「刀剣乱舞」のイントロが流れた。




「え、また刀剣乱舞?」
「……あ、ひょっとして……!」

2人が歌ったのは幕末Verの刀剣乱舞だった。

「刀剣乱舞で始まって、刀剣乱舞で終わるって………。」


……最後の曲を歌い終わると、観客席から拍手が沸きあがった。



「日程も場所もまだ決まっていないけど、来月!
真剣乱舞祭をやるから、主、見に来てくれるー?」

小夜の言葉にもちろーんと女子生徒達は叫んだ。

「それじゃあ、主。バイバーイ!」

「幕末天狼傳もよろしくー!」


2人はぐるりと観客席を見回して手を振ると、場内を後にした。

 


その後、午後の競技が行われ。

漢道で応援された男子生徒達は、気合MAXで騎馬戦にふさわしい
怒涛の戦いを繰り広げた。

 

そして、最後のプログラムを学年別・部活動別リレーが締めくくり


体育大会は無事終了した。

表彰と閉会式、屋外でのHRが終わってから、
生徒達は更衣室で着替えを始めた。

「はー……楽しかった……。」

「だねぇ〜……。」


更衣室から出た満月達はぽやーん、とした表情で廊下を歩いた。

「おーい、満月!みんなして一緒に帰ろうぜ!」

ランサーと一緒に廊下で待っていた小夜と秋貴の姿を見かけた
満月達は一斉に駆け寄った。
「うん、帰る帰る!」

「お袋が帰りに店に来てくれって、新作の菓子の試食よろしくだって。」
「わー、やった!」
「私達もいいんですか?」
「いいっていいって。人数が多い方が感想聞きやすいって言っていたし。」

和気藹々と談笑をしながら、満月達は陸上競技場を後にした。

………余談ではあるが。
後日、体育大会での2人がやったパフォーマンスはいつものように
写真部が写真を撮って販売していたとかなんとか。








                                                   終わり。
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秋といえば、これですな<5>


「解けない魔法」を歌い終わると、
小夜は耳にかけているワイヤレスのマイクに手をあてた。

「主ー、また会えて嬉しいよ!」

観客席から黄色い歓声がおき、
それと同時に嫉妬にまみれた視線が突き刺さる。

そんな視線をスルーしつつ、小夜は話を続けた。

「主にお願いしたいんだけど、ペンライトの色を
ピンクからライトブルーに変えて欲しいんだ。」

何でー?と言いつつ、ペンライトの色を
ピンクからライトブルーに変えた生徒達に小夜は笑うと。


「今からあいつの名前を呼んで欲しいんだ!
準備はいい〜?」


いいともー、と叫んだ生徒達に小夜は指を立てた。

「それじゃあ、あいつの名前を呼ぶまで3、2、1……!」

「やすさだあ〜〜!!」

と生徒達が一斉に叫ぶと。

 

浅葱色の羽織を身にまとった大和守安定の格好をした満月が
中央まで走ってきた。


観客席からはきゃああああ、と黄色い歓声がとんできた。


「清光ー、お待たせ。」
「なーにやってたのさ、安定。」

「和泉守が内番サボっていたから、堀川に突き出してきたんだ。」
「あ、まあそれはしょうがないよね。あいつ、内番サボりがちだし。」

小夜と満月の会話に観客席からは笑い声がとんだ。

「準備はいい?」
「いつでもいいよ、清光!」

満月がそういうと場内に「Signalize」のイントロが流れた。


「幕末天狼傳の曲も歌うんだね……!」

「阿津賀志山と幕末から歌う曲を選出したみたいですよ、
満月さんと小夜さん。」

ペンライトを振る律の隣で深雪はそう答えた。


「……大和守の格好をしているのはやっぱ沖田組だから?」
「ですね。」

幸太の疑問に深雪はソッコーで答えた。


「Signalize」が終わり、次の曲である「ひとひらの風」のイントロが流れた。


「……姫宮さん達、休憩挟んでないけど咽喉大丈夫なの?」

「咽喉枯れるんじゃね?」

「大丈夫ですよ、心配しなくても。
お2人とも、そうならないように練習していますから。」

見えないところでこっそり魔術を使って咽喉が枯れないように
対策をしているのだが、魔術は隠匿するものなので
それについては何も言わなかった深雪であった。

 


「ユメひとつ」のイントロが流れ、2人は刀を鞘から抜き
歌い踊った。

 

「よおし、次は騎馬戦をする男子達への応援だ!」

「これは僕達も負けてられないね!」


場内に流れた「漢道」のイントロに午後の騎馬戦に出場するため、
入場門で控えている男子生徒達からは歓声があがった。


「ゆ……じゃなかった、加州!サイコーだぜーっ!」

男子生徒の叫びに小夜はピースサインをした。





                                                     続く。
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Fate/Gardener  ACT:8(11)


―――――使い魔に戻るよう念話で命じた後、満月はソファに腰掛けた。
その表情は少しだけ疲労が見えていた。

「……………はぁ。遠坂の別邸に回していた使い魔が
変な気配を察知したから、
追跡とかをしてみれば、変なのが出てきたし……。」
「……変なの、ですか?」
「知覚共有して得た情報を今、水晶球に転送するよ。」
そういって満月はテーブルの上に置かれている水晶球に
使い魔と知覚共有してリアルタイムで得た情報を転送した。
水晶球が淡く発光し、現場にいた使い魔が収集した記録が
映像となって再生された。
「………この黒い靄に包まれた方って……サーヴァントなんでしょうか?」
「前々回の聖杯戦争で参加していたサーヴァントと
自分から言っているもの。サーヴァントに決まっているわ。」
深雪の疑問にローゼスフィールは即答した。
だがその表情は穏やかではない。
「……前々回の聖杯戦争と言えば、アインツベルンが
ルール違反を犯してサーヴァントを召喚したという記録が残っているわ。
多分、エクストラクラスのルーラーでしょうね。
この黒い靄の女性は。」
「ルーラーのクラスには真名看破というクラス別スキルがあるのね。
……となると、セイバーやランサーの真名も
すぐにわかってしまうものね。」
「隠蔽能力を持つサーヴァントに対しては
幸運値の判定が必要になるけどね。
直接遭遇した全てのサーヴァントの真名及びステータス情報が
自動的に明かされるから。」
「………面倒だな。」
「ええ、まったくです。個人情報が自動的に明かされるとは
厄介なクラス別スキルですね。」
「でもさー……前々回の聖杯戦争からいたってことは
このルーラーっていうサーヴァントは限界を
維持していたってことになるんだよね?
マスターもいないのに。」
ココアを口にした和火の言葉に満月は腕を軽く伸ばした。
「ルーラークラスのサーヴァントは聖杯自身に呼び出されるから、
マスターはいらないんだよ。
聖杯の中にある魔力が1度も使用されていないのであれば
それを供与されているだろうから、限界を維持することはできる。
………加えて四神相応の地であるこの都市に留まりさえすれば
魔力が枯渇する心配はない。
連続して膨大な量の魔力をいっきに消費っていうことを
しなければね。」
「今までよく誰にも見つけられなかったな。そのルーラーは。」
「この都市自体が独特の気配を持っていますから、
微弱な気配がそれに混ざってしまうと感知することすらできなくなります。
木を隠すなら森の中、と言った方が分かりやすいと思いますけど……。」
「確かにこの都市を森に見立てるなら、
1本ぐらい違うのが混ざっていてもわかりづらいものな。」
「………彼女は復讐をすると言っていましたが。」
「何に対しての復讐なのかは予想がつかない。
ルール違反を犯して召喚されたのなら、
とっくにアインツベルンに対して
攻撃を仕掛けていると思うけど、聖人だし。
私と違ってそんなやたらと自分を召喚したマスターに
そういうことをするわけないもん。」
「では何故……。」
「考えられる要因としては、生前に復讐をしたいと
口にするような最期を迎えたかあるいは
聖杯の泥に飲み込まれて黒化してしまったかのどちらかだな。」
「……聖杯の泥?」
「それに飲み込まれてしまうと、属性とかが変わってしまう。
仮にセイバーの場合だと秩序・善から、秩序・悪にね。
まあ、聖杯の泥については1種の呪いのようなものと
思ってくれればいいよ。」
「待ってくれ。聖人が呼び出されることが多いルーラーって
呪いが通用しなくないか?むしろ弾くんじゃないか?」
「確かにルーラーは呪いに対して耐性はあるけど、個人差がある。
それに聖杯の泥の容量がもし、自分の器の容量よりも
上回るものだったら。……黒化してもおかしくないよ。」
「……まるでペットボトルから溢れる水みたいだな。」
「蓋をしているか閉めているかの違いだからね。」
「……呪いを解くことはできないのですか?」
「体の中にある聖杯の泥さえ取り除けば。
……ただどういう状態になっているかは
実物を診ないと何とも言えない。」
「あの黒い靄に包まれたルーラーが何処にいるのかを
突き止める必要があるよな。
聖杯の器であるエミリスフィールのいる場所は
ダニエルしか知らないが、
俺達よりも先に突き止められたらアウトだ。」
「使い魔を放ったところでことごとく燃やすもんね、
あのルーラーさん。」
「ルーラーには真名看破の他に
どんなクラス別スキルがあるのですか?」
「真名看破の他には10q四方にも及ぶサーヴァントを
知覚する能力を持っているよ。
サーヴァントの生存や消滅を確認するもので、
霊基盤を上回るほどの精度がある。」
「……それ、まずくないか?」
「………10q四方にも及ぶのなら、
有効圏内に入った時点で認識されてしまいますね。」
「例外としてアサシンだけは存在を確認することはできても
具体的な座標を掴むことはできないけど。」
「気配遮断スキルがあるからか。」
時雨の言葉に満月は首肯した。それを見た和火はソファに背を傾ける。
「なら、それをセイバーさんやランサーさんに
付与させることはできないの?」
「幾らなんでもそれは無理よ。
2人とも、奇襲や不意打ちを得手とする英霊ではないもの。」
「真正面からの勝負を基本とする2人が無理なら、
嬢ちゃんが奇襲や不意打ちをするっていうのはどうなんだ?」
「それも多分、無理。
英霊との融合体で半分ほど英霊じみたのになっているから、
知覚されると思う。
アルトリアの戦闘力を引き継いでいる関係とかで。」
「ルーラーの知覚能力を誤認させることは?」
「連続的には無理だけど、断続的になら。
でもあのルーラーの性格からすると、
そう何度も欺くことはできない。」
「……復讐だの、真実がどうのだとか言っていたぐらいだからな。」
「姫宮さんが飛ばした使い魔についても、
観測者がどうとかって言っていましたし。」
「何でそんな呼称をするのかなー………確かに
観測できることはできるけど、
そんなよっぽどのことがない限りはしないし。」
「座にいる英霊達は記憶を記録として統合していると
聞いたことがありますけど、観測することができるんですか?」
「うん。でも幾ら観測できるとは言っても、
特に用件もないのに記録を見るのは趣味じゃないし、
英霊に対して失礼にも程がありすぎる。
だから、観測については消極的。」
「……………ああ、つまるところプライバシー保護なんだな。」
「そゆこと。」
「あ、でもさ。真実を知らないとかどうとかって
ルーラーさんは言っていたけど、それってどういうこと?」
和火のもっともな疑問に瑠樹と時雨は首肯した。
「……まあ、聖杯戦争自体が茶番劇だっていうのは
前にも話したと思うけど。
そもそも、英霊召喚っていうのは
人類存続を守るための抑止力の召喚なんだ。」
「……抑止力って根源に到達しようとする魔術師がいると、
それを阻止しようっていうあれだったな。」
「うん。根源と接続している私は
そこに到達しようとする魔術師を全力で
阻止しなければならないっていう衝動っていうか
義務感に駆られるというか……これは抑止力が
影響しているせいなんだろうけど。」
「でもどうして英霊召喚が人類存続を守るものとして、
抑止力の召喚になっちゃうの?」
「霊長の世を阻む大災害となるただ1つの敵を討つために、
彼らは7つの器を以て限界するからだよ。」
「……霊長の世を阻む大災害?」
「星ではなく人間を築き上げられた文明を
滅ぼす終わりの化身。
文明より生まれ、文明を食らう自業自得の死の要因(アポトーシス)。
これを倒すために喚ばれるのが、
人理を守るその時代最高峰の7騎。
あらゆる英霊の頂点に立つ始まりの7つ。
7騎の英霊はある害悪を滅ぼすために遣わされる天の御使い。」
「……すまん、もうちょっとわかりやすく説明してくれ。」
「要は降霊儀式である英霊召喚は
元々霊長の世を守るための決戦魔術ってこと。
それを人間の都合で使えるようにしたのが聖杯戦争。」
「そうだったのですか……。」
「その、霊長の世を阻む大災害である害悪については警戒しなくていいのか?」
「そんな世界が崩壊するような、
よくある怪獣映画みたいにほいほいと出てきたりはしないんだし、
いちいちピリピリする必要はないよ。
その時がくれば嫌でもわかるし。
ああ、こういう言い方は怪獣映画に対して失礼かな。」
「………というか、比較対象がまったくもって違うだろ。」
「……それは本当なのか?」
ランサーに肩を貸してもらいながら、
リビングまでやってきた慎三は満月の話を耳にした。
「ああ、本当だ。ある害悪を討つための決戦魔術を
人間の都合で使えるようにしたのが聖杯戦争。
始まりの御三家の頭首がそれを知っていて、
世界の外側にある根源へ到達するための孔を穿つために
茶番劇を仕組んだのかどうかは知らないけど。」
「……仮に知っていたとしても、あのご老体の性格を
考えれば聖杯戦争の真実は墓場まで持っていくだろう。」
「………それっぽい性格をしていたものね、
あの魔術師は。」
「お体の容態はいかがかしら?」
「……おかげさまで。彼女の殺虫剤じみた薬のおかげで
体に巣食っていた蟲は完全に死滅しました。」
慎三の返答を聞いたジャンヌは穏やかな笑みを浮かべた。
容態が安定しているのは慎吾も同じなのだが、
ここ数日は狸寝入りを押し通している。
深雪に合わせる顔がないのか、
それとも変なところでプライドが邪魔して
素直になれないだけなのか。
慎三よりも先に回復しているにも関わらずに
部屋から出ようとしないのはそういった理由だろう、
これについては間桐親子の問題だという結論に
達した満月は変に踏み込まないことにした。






                                                                                                            続く。

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秋といえば、これですな<4>


鞘から刀身を抜いて、踊りながら2人は場内の中央まで
行くと満月は芝生にしゃがみこんだ。
「じゃ、おっぱじめるぜぇ!」
「いざ、しゅつじーん!」

小夜と満月の言葉を合図に、「刀剣乱舞」のイントロが流れた。

観客席が赤とピンクの二色に染まる中
小夜は立ち上がった満月と共に刀を鞘から抜いて歌い踊り始めた。

この場に不在の残りの4人のフレーズを交互に歌い、
踊る2人に午前中の競技でバテていた女子生徒達のテンションは上がった。

「刀剣乱舞」を歌い終わると、次に流れたのは。

今剣のソロである「きらきら」だった。

芝生の上を走り回って歌う満月の後ろで小夜はきらきら光るものを
掬い取るジェスチャーをしては満月の方に飛ばしていた。

にこにこと笑いながら、はしゃぐ満月に
観客席はピンク色のペンライトに包まれた。


そんな観客席を指差しつつ、ぐるりと見回した満月の横に
小夜が並んだ。


ゆったりとしたイントロが流れ、2人は
阿津賀志山異聞第1部のエンディングである「キミの詩」を歌った。


「キミの詩」が終わると、第2部の曲である「描いていた未来へ」の
イントロが流れた。

「この曲、私好きー!」
「あ、私もー!」

同級生の言葉に和火はにやにやと笑った。
(良い意味で)

「描いていた未来へ」を歌い終わると。満月は観客席を見回して、
バイバーイと手を振った。

「えーー!」

という女子生徒達の叫びに満月は両の手を胸の前で合わせると、
困った表情をして場内を後にした。

すると、清光のソロである「解けない魔法」のイントロが流れた。
それを聞いて、黄色い歓声をあげた女子生徒達を見た男子生徒達は。

「(あーのーやーろーーーー!)」
「(〆てやる、ぜってぇ〆てやるっ!)」


となんともまあ良くある嫉妬心(良い意味で)を出していた。

そんな彼らを見ていた秋貴は。

「(墓前に活ける花、何にしよう。)」

何やら真面目な表情でとんでもないことを考えていた。

 

更衣室に戻った満月は待機していたセイバーに外したウィッグを渡した。

「さよ兄ぃが歌っている間に着替えないと、あー大変だもう!」

「まだ5曲が残っていますから、気を抜かないでください。
マスター。」
「もっちろん、そのつもりだけどね!」

えっへんと威張る満月にセイバーはクスクスと笑った。

「では、着替えを済ませてしまいましょうか。」
「うん、頼んだ!」







                                                         続く。

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秋といえば、これですな<3>

 

「借り物競走、頑張るよー!」
玉入れ、障害走etc……と競技は順調に進行していき。
次は借り物競走となった。
借り物競走に参加するのは律と和火の兄である秋貴だった。

「いちについてー……よーい!」
パン、とピストルが鳴り、律と秋貴、そしてその他の生徒達は走り出した。
お題が書かれたカードのところまで行き、律と秋貴は
裏返しになっているカードをめくった。
「……え?」

「……は?」

秋貴がめくったカードには『オシャレな生徒』。
律がめくったカードには
『お団子頭をしている生徒からヘアアクセサリーを借りる』と
書かれていた。
「………オシャレな生徒って性別問わないなら……。」

「……お団子って言ったら……。」

秋貴と律は思い当たる生徒のところに一目散に向かっていった。

「柚木、悪い、来てくれ!」

「は!?」

「姫宮さーん、アクセサリー貸して!」

「へ?」

小夜は柚木に引っ張られて、トラックを走った。

事情を聞いた満月はヘアアクセサリーを律に貸した。

「ごめん、姫宮さん!」
「いいよ、借り物競走なんだし。ほら、早く行かないと。」

「ありがとう!」

ヘアアクセサリーを受け取った律は1着でゴールした秋貴に続いて、
2着でゴールした。

「……おい、小野。何ぶっすうとした顔をしているんだよ。」
「べーつーにぃー?」

「拗ねているんだな?」
「拗ねているんだろ?」
「拗ねているよな、どう考えても。」
「ほっといてくれぇぇえええ!」

「綱引き頑張ってくるよー。」
「が、頑張ってきます……!」
「和火、深雪。……ファイト。」

クラス混合の綱引きで和火と深雪ら4年生は頑張って何とか2位に入った。

 

お昼時になり、各学年バラバラとなり友達や兄弟姉妹と
和気藹々と昼食の弁当を口にした。
律と幸太は和火とその兄の秋貴、
そして深雪と一緒に昼食をとることにした。


「……あれ?姫宮さんは?」

「柚木と一緒に昼食を早めに食べて、更衣室に行ったぜ。
この後やるパフォーマンスの準備だと。」

卵焼きをもぐもぐと食べる秋貴に律はそうなんですか、と納得した。

「……更衣室?パフォーマンスっていっても、
フツー体操服なんじゃ……。」

「……柚木の奴、ガチでやるって言っていたぜ。」

秋貴の言葉に和火と深雪はコクコクと頷いた。

「それに2人とも、来月には祭りをするそうですから
余計ピリピリしているというか……。」
「祭り?」

「内容も日程も場所もまだ内緒だけど、来月やるんだって。
それのリハを体育大会でやりたいなー、みたいな?」
「な、なるほど………。」


ちらほらと生徒達が昼食を終えたのを見計らって、
場内にアナウンスがかかった。


『続いてのプログラムはパフォーマンスで―――……。』
『皆さーん、ペンライトの準備はできましたかあああああ!?』

『お前ぇぇ、邪魔すんじゃねぇえよ!』
『いいじゃないか、午後の競技ともなると
乗り気じゃなくなる人もいるんだから、
テンションをあげておかないと盛り上がれんだ……ぐふぁ!?』
『うっさい、黙れ!アナウンスを邪魔するんじゃない!
万死に値すっぞ!』
『それ絶対初期刀に選んだ歌仙の影響だろ、えぇ!?』

体育大会名物となっている実況のコントに観客席から爆笑が聞こえた。

『長々とした話はいらんよな!?いらねぇよなぁ!?』

「さっすが、吉原〜!」
「話がわかる〜〜!」

高等部女子生徒達からの声に吉原ははーはっはは、と高笑いをした。

『それじゃあ、行くぜぇ!
刀剣男士、出陣だああああ!』

吉原の叫びを合図に、ゲーム版のOPである「夢現乱舞抄」が流れ
清光と今剣の格好をした小夜と満月が場内に入ってきた。

それを見た(主に女子)生徒達は歓声をあげて
2人のイメージカラーである赤とピンクのペンライトを振った。


「え、ガチでやるってこーいうことだったんだ!?」

「……一学校の体育大会でここまでするのかぁー?」

「するから、ああいう格好したんじゃないの?」

律の突っ込みに幸太はそれもそっかと頷いた。

「(何か論点ずれてない?)」

「(入れるなよ、突っ込みいれるなよ!?)」

何処かがズレている、と思った同級生の隣で深雪はうふふと笑った。



                                                                                                  続く。

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