こんにちは!前回の46話を読み返してみたら、とても読みにくかったので少し手直ししました!

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「おかえりなさ・・・わぁ」

木の壁と枯れ草のような屋根でできた不思議な家の前で、シロウは止まりました。
エンとトウジはひょいと飛び降りて、エンに抱っこされたままのティカルはまだ体が揺れているような感じのままのような気分です。

そこにはいくつかの小さな明かりとともに男の人と女の人が待っていました。
「先に行くぞ」と言っていた大きな男の人と子犬はいないようです。

エンも、先ほどの人がいると思っていたのでしょう。面食らった顔で「あっ、こんばんは」といつもより小さな声で挨拶します。
はじめは家にいた二人も困惑している様子でしたが、エンよりも早く立ち直ってクスクスと笑いあいます。

「・・・うちの人が急に「酒と肴を見つけてくる」っていうから、どうしたのかと思ったけど…」

「煉鬼兄ちゃんたら、肝心なこと言い忘れたんだわ。お客さんが来るって言ってくれないとねぇ」

「あげてもいいか?」

トウジがそっと尋ねると、タミと呼ばれた女の人は微笑んで頷きました。

「どうぞ。あ、その不思議な履き物は脱いでくださいね」

家に入るときは履物を脱ぐのかと関心しながら、エンはもぞもぞと靴を脱ぎ、ティカルも逃げ回って汚れた足をきれいに拭いてもらいました。

その後は、待っていた男の人が、何も言わないトウジに「怪我をしてるね?診せなさい」と言い、遠慮するエンまでまとめて傷を清めたり、薬を塗ったり貼ったりをしていると、ようやく大きな男の人が帰ってきました。

「おかえりなさい煉鬼様。何かありました?」

「そこの稲荷から酒と饅頭を失敬してきた。シロウ、後でよろしく言っといてくれ」

片手に丸い入れ物と、片手に大きな草で包まれた何か…まんじゅうという何かを掲げて、煉鬼と呼ばれた人が入ってきます。稲荷が何なのかわからないティカルとエンでしたが、どうやらシロウの親戚か何かのようです。

「おぬしが話せばよかろうに」

「いたんだろうが、居留守を使われたんだよ」

クツクツと笑って、煉鬼は丸い入れ物の中身を小さな器に注ぎ始めました。ほわりと甘い匂いがします。

「飲めるか?」

「少し。でも俺の知っている酒とは違うみたいだ。空豚には水をもらえますか?」

「「「空豚?」」」

いっせいに不思議そうな声をあげられて、エンは面白そうにティカルを掲げると「この子豚、実は空から降ってきたんだ」と言って聞かせました。

「まぁ、空から?」「よく助かったね」「ただのウリボウじゃないとは思ったが、面妖な生き物がいたもんだな」と口々に感想が飛んで、それをきっかけに新たに増えた人たちとも打ち解けることができたのでした。


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ヤマもオチもないけど書ける所まで書いていきます〜。
臣に煉鬼のことを「うちの人」と呼ばせたかったのです。