話題:本の感想
完結編が出るのを待って一気に読み終わった(・∀・∩
そういえば何年か前に早川書房の年末のパーティーだかなんかで作者の小川一水さんが天冥の標シリーズのクライマックスについて語ってたのをツイッター上で読んだけど
シリーズの根底にあるのは「加害者と被害者」が最大のテーマらしいですね。
2巻で冥王斑と言う致死量95%って凶悪無比の伝染病が流行ってしまいかろうじて生き延びた回復者達は冥王斑ウィルスを宿らせたままと言う…そうなると非感染者からしたらどんな行動を取るのは想像出来るかと。
飛沫感染や粘膜感染など横の感染だけじゃなく親から子へと垂直感染するタチの悪さで感染者(救世群)はざっと500年も差別の対象とされ虐げられて来て、その積もり積もった怨みが遂に爆発してしまい最悪な行動をとってしまうわけで…
そんな6巻7巻の絶望感MAXの展開から10巻の人類謳歌な〆に誰が予想する(爆)
10巻冒頭の(2巻から)半世紀以上経った千茅宛ての青葉の手紙とエピローグの現代に生きる青葉の想いは涙ぐむ(ﾉ_･｡)
登場人物がとにかく良かったです。
終始トリックスターなノルルスカインが弟子としてアクリラに全てを託してミスチフと決着をつけたり、クライマックスになっても混爾(マージ)(至高のS○Xによる快楽)に拘り過ぎてアリ女王に論破されて凹むラゴスとか(爆)
最後まで暴れ回る可愛い妹ミヒルちゃん(棒)
しかし、このシリーズ読み終わって一番の驚きがミスチフが女？だったことが最大の驚き(笑)

でも、思い出すとジョズベル・ドロテア・ミヒル・カヨ(こいつはロボットだけど)…あと誰いたっけ？
ミスチフが現れる時はみんな女性(型ロボット)なんだよな…まぁ〜ただの死体の方も居ますが気にすんなξ

エピローグでヴァンディ姓を名乗るの子が出てたけど、ヴァンディ家って実は青葉の子孫なのかな？ってふと思う。
唐突に5巻の主人公として宇宙農家タック・ヴァンディってのも「なんで？」思うのはありますし
宇宙で生きるのに食糧問題を解決する必要があるわけだし、それで宇宙農家ってのもわかるけど(^^;
どう見てもイサリ(千茅)の子孫らしき人物もいるし
それならそれで「あーやっとなんだな」って思える(笑)
全巻合わせて17冊の大作ですが、現代の様々な問題もがっつり絡んでいて重い話は続きますが
長い、でも本当に大円団で〆られた。
緻密に計算された伏線や広げまくった風呂敷をきちんと畳む筆力には流石に脱帽です。
若干詰め込み過ぎるかな？印象とキャラが多過ぎて途中「誰？こいつ？」とか思いながら読んでたところはありましたが(苦笑)

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