ゆんの部屋

「そんなところには行きたくないよ」



と言っていた母だったが



いざ利用をはじめると



「みんな私が行くと喜んでくれるんだよ」



「今日も迎え、よろしくねぇ」



生き生きしている



連絡帳は帰ると毎日何度も読み返す(頭には入っていない)



デイサービスでは朝から洗濯物のタオルを畳んだり



施設の草取りを率先



本人は仕事だと思っている



今日はデイサービスでカラオケ大会があったようで



迎えに行くと首から金メダルをかけて嬉しそうな母が



「じゃあ、ちょっと行ってきますねぇ」



と私のクルマに乗り込んだ

家に帰ると我が家の田んぼの稲刈りが済んでいた



以前は勤めながら稲作を続けていたが



片手間で出来るほど農業も簡単ではない



というか、私が器用ではなかった



農業をやめて十五年程になるだろうか



今は農業を営む姉の家にお願いしている



今年は豊作らしい

「ケホッ、コホッ、、、」




美味しいがトロトロが喉に引っかかる




「あなた大丈夫？。まったく、年寄りなんだから(笑)、、、ケホッ、コホッ、、、人の事言えないわネ」