母と免許証〜2〜

仕事から帰り、まず母の生存確認をする



茶の間にいる母



母「あぁ、帰って来たね。お腹空いたからご飯炊き始めたところだよ」



私「何合炊いた?」



「3合だよ。ここに書いてある」



昔の大家族の感覚で普通に5合炊いてしまう母のために炊飯器の蓋に"3合炊く"と大きく書いた紙を貼っている



ん?



冷蔵庫に刺身のパック発見



「この刺身、どうしたの?」



「あぁ、それは買ってきたんだよ」



「どこで?」



「今日はね、電気治療に行ったら休みだったから買い物して帰ってきたんだよ」



「だからどこで?自転車で行った?。免許証無いからクルマに乗っちゃダメだよ。クルマに乗った?」



「、、クルマには乗ってないよ、、」



こりゃ絶対に乗ってるな(とりあえずクルマの鍵も抜いとくか)



洗濯機に洗濯物が入っている(スイッチを入れた形跡あり)



動かないから諦めたんだな。プラグ抜き作戦うまくいってる



今日は妻も遅くなるって言ってた



私が夕食の準備してるうちにご飯が炊きあがったものの



ご飯ボロボロ(これはもち米か)



やれやれ



水加減間違えてるよ



「もうご飯は炊かなくて大丈夫だからね。俺が炊くから。それと、はいこれ。今日は自転車に荷物をくくるゴムのロープ買ってきたから。自転車の荷台に巻き付けといてね」



「あら、ありがとう。これはいいねぇ。きっと高かったんだろうねぇ」



「うん、まぁね(ホントは200円でお釣りが来た)。」

母と免許証

「今度誕生日が来たらクルマの運転はやめなきゃダメだよ。85にもなって運転してる人なんて誰もいないんだから」



私も何度となく繰り返し言ってた最中、昨夜隣町に住む姉も家に来て母を説得



半ば強引に免許証を取り上げて私に託して帰って行った



可哀想な気もするが事故でも起こしたら命に関わる



「明日のゲートボールは自転車で行くんだよ」



念は押したが本人はどうも納得せず



今朝は「免許証が無い」としきりに探していた



「免許証は夕べ預かったから無いよ。今日から自転車自転車!」



困った様子の母だったが私も仕事があり、そのまま家を出た



(これで良かったのかも知れないな)



昨今は高齢者の交通事故が問題化しているが、認知症でクルマを運転する高齢者は氷山の一角



自動ブレーキの標準装備もおそらくまだ数パーセント



悲しい事だがこれからも高齢者による事故は増加の一途を辿ることだろう
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