「ほら、缶詰だぞ」




センターに野良猫が数匹住み着いている




「おいでおいで」




その中の一匹




ミャー




白にいくつかの黒丸模様の痩せた子猫




ミャー、ミャー




他の猫は人間に近付かないのに、その猫だけは体を擦り付けてくるので皆に可愛がられている




「そっちに行ったら危ないよ」




大人しくて可愛いのだが、野良猫なので毛並みはバサバサで、左後ろ足が奇形していて反対の方向を向いている




「お前はそんな足で痛くないのか?」




歩きにくそうに引摺り歩く




ミャー




生まれつきなのだろう




「あらあら、親猫と同じところ噛まれてるよ」




そして首元は喧嘩に負けたのか、骨が見えそうなくらいの噛まれた痕




ミャー




みんなに気にかけてもらいながら健気に生きている(ちょことは大違い)