呼鈴

電池が切れただけだと思い、入れ換えてみたが鳴らず



築40年にもなれば玄関の呼鈴も壊れるさ



何より不自由なのが郵便配達員がすぐに不在票を置いて帰る事



再配達にしても同じ。何度郵便局に足を運んだことか



修理を依頼した電気屋さんは月曜と言っていたが、夕方突然訪れた



「すいませんね〜。この時間ならいらっしゃると思いまして。おられて良かった」



「お世話になります」



電気屋さんとは20年来のお付き合いだ。我が家の大半の電化製品はお世話になっている。



「今日はお休みでしたか」



手際よく部品を取り替えながら電気屋さんが聞く



「ええ。実は今月で退職したんですよ」



「あら。そうでしたか。介護の仕事されてましたよね。ゆんさん、評判良かったですよ」



「え?。そうなんですか?ってか、どこから聞かれたんですか」



「まぁ、いろいろ家は回ってますから。‘とても優しくて良い方’という評判です」



「そうなんですね、、」



程なく我が家の呼鈴は新しくなった



「ありがとうございました」



「いえいえ。また、介護の仕事されるんでしょ?」



「はははは、、」



私は言葉を濁したが、よもやの電気屋さんからまさか心のチャイムを押されるとは思いもしなかった

下町ロケット

「そんなに面白いの?」



「うん。録画してるから見たらいいのに」



‘半沢’以降、日曜劇場には関心を示さない妻だった



とある日曜夜九時



「さて、見るとしますか」



ドラマはいよいよ佳境



「あ!見ないで!。友達に聞いたら面白そうだから私も最初から見ることにしたの。あなた、見るなら下の部屋のテレビで見てきて」



「え〜っ。まぁ、いーけど」



「私はあなたが居ない時に見るわ」



それから二週間



妻、一向に見る気配無し



「まだ見ないの?」



「うるさいわねぇ私、そんなに暇じゃないのよ」




今夜は「無痛(もち録画)」を見るらしい
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