外見では分からないが、右の耳がほとんど聞こえない
物心ついた頃からだ
片方の耳しか聞こえない
片方の目で遠近感が掴めないように、音がモノラルでは何処から聞こえて来るのか分からないのである
どうりで目隠し鬼ごっこの‘鬼’の役ばかりやっていた
母から「あの時は大丈夫だったかい?」という出来事があったらしいのだが、私は全く覚えていない
小学校の身体検査で難聴が判明
何年も耳鼻科に通ったが、医師から「治らない」と言われてから行くのをやめた
右側から話をされると聞き取りづらい
耳は平衡感覚も司っているのだろう、聞こえない耳でも塞ぐと頭がくらつく
多少の不便はあるが、片方聞こえるだけ幸せである。社会生活をおくる上での支障は少ない筈である
不便は常に感じているものの、外見が普通である以上、社会からは健常者としてしか見られない障がい者は多い
そんな人は正に‘人知れず’抱える悩みもきっと多いに違いないのである