虹はとても美しく、目を奪われるものだ



子供の頃、虹をくぐるとお金持ちになれると聞いて育った



お金が降って来るのかな



幼かった私は山に架かる虹を見つけると、とても幸せな気持ちになり、虹に向かって駆け出したものだ



だが、子供にとっての虹はいくら駆けても辿り着けない、遥か遠く、壮大な存在だったのである




そのまま大人になった




‘あの山の少し手前くらいだな’




私は虹を見つけると先ず、位置を特定する




‘走ってみるか’





私は今、‘クルマ’という、とても便利な道具を持っているのだ