ガガガッ
正義と偽善。はたしてそれはどちらかなんて決してわかりはしない。異端である故に異常であり異常であるからこその天才である。
ガッ、ガガガッガッ
どちらがどうということは無い。お互いが己を通そうとした結果がこれだ。
ただの喧嘩と言ってしまえばそれまでではあるが、これははたしてその枠に収まるのだろうか。
答えは否。
たとえこの学園の生徒会長が化けものでありそれが普通だとしよう。
しかしなかなかどうして。
生徒会室の一室が焼け焦げ砕け壊れひび割れ破壊され粉砕され、生徒会の書記と会計、雑務が倒れ伏していようか。
生徒会長であるバケモノが体に傷を負い、服は見るも無残な姿になっていようか。
風紀委員との喧嘩。それだけだ。ただそれが相手も異端だっただけである。
ガガッ
先程からの何かをえぐるようなこの音もただのスーパーボールが跳ねているだけだと誰が思うだろうか。
異端だからこそ成しえる正常の結果がこの部屋の惨状だった。
この生徒会長は今時珍しく。人間が大好きであると公言しその為に動く少女だ。
その彼女を怒らせた雲仙冥利は顔をひきつらせていた。
壁すら破壊するスーパーボールの跳ねまわる部屋を微動だにせずに平然と立ち。
老朽化した壁を一つだけで粉砕する火薬玉の数十をくらっても大した怪我は無く。
ダンプカーにはねられてもへっちゃらだという防護服を数メートル近くふっ飛ばし。
果ては一本で5トンの重量をつりさげる鋼糸を数百の単位で巻きつかられてなお、その糸が己の肌を引き裂こうとも、一緒に巻きつけられているコンクリートの巨塊とともに動いているのだから。
「なっ…ンだこりゃあ…!」
ビシビシ。音を立てて校舎に亀裂が奔る。
「貴様の糸がいかに頑丈であろうと…結んだ校舎の方はそうではないだろう?」
生徒会長、黒神めだかが口角を釣り上げる。
「ふ…っざけんな!そんなの校舎を引きずって歩くみてえなもんじゃねえか!」
「私は生徒会長だぞ!学園校舎の一つや二つ、動かせんわけないだろうが!」
叫ぶ。バケモノの咆哮。苛烈に声を張り上げる。
みしみし。
骨が悲鳴を上げるのも厭わずに、彼女は一歩を踏み出した。
パンッ。
柏手をたたく音ですべてが停まる。
「はい、ストーップ」
ぴたり。静寂が場を包む。
カツン、カツ。靴音が異様に響く。
「めだか。やり過ぎは程々にって僕は前云ったと思うんだけれど」
「あ……ぁ…」
「雲仙。君もね」
「アンタ…誰だよ…!?」
「貴方は…」
揺れるは銀の髪。長いまつげに縁どられた青い瞳が呆れたように見下ろす。
長い溜息をついて持っていたファインダーの角をめだかの頭に振り下ろした。
「〜っ!」
「久しぶりだね、めだか」
「零夜…さん…!」
驚くべきは
(黒神が敬称を付けた…だと…!?)
(彼は何者なんだ…!)
(あの人…いつ帰ってきたんだ!)
めだかちゃんが愛しすぎてやってしまっためだかボックス\(^O^)/
仕方ないね(´ω`)
っていうかレイヤさん少ししか出てないですね(笑)まあいいか。
添付はしょたれいやさんです。