*引き続き前記事からの妄想*


まあそんなんやって新八くんと何となくチューはしてみたんだけど、それでもまだ銀さん的には己の気持ちは分からなくて、でも真剣に自分に愛を囁いてくる新八くんを見てると悪い気はしないんですよ。だから今後は神楽ちゃんがいない時を見計らって(もしくは神楽ちゃんの目を盗んで)、たまぁに遊びでチューしてしまう関係になった銀新なのです。まだそんだけだけどね!

この銀さん的には、遊びくらいの感覚で新八くんに手ェ出してみるとか、そこまでは短慮じゃないはず。いやそれも萌えるけど(確かに)

でも、

「(単なる遊びで身内に手ェ出せっかよ。リスク高すぎるわ、てか遊びなら遊びで後腐れなく発散させてくるっつーの)」

という大人の考えもあるでしょう。だって遊べるじゃんね、銀さんだし。割り切って遊べる嬢の一人や二人は必ず連絡取れるでしょ?性欲発散させるだけなら、別に新八くんを選ばなくていい。敢えて新八くんにいく必要はない。

あとはね、何となくで新八くんに手ェ出して、後戻りできなくなるのも怖いと言うか……今の居心地いい関係を壊したくない。要は新八くんとの関係を失いたくないのですよ。自分の短慮で新八くんを失いたくない、そんな男心ももちろんあるのだろう。

銀さんだから言わないけど(言えよ)

だから何となく新八くんの可愛らしさ&優しさに負けてキスはするけど、そこからは踏み込んでないっていう。たまぁに神楽ちゃんの目を盗んでちゅってしてるけど、それだけ。

例えば神楽ちゃんが居間で定春と遊んでる時だとして、新八くんは和室でお裁縫をしてまして、ふらっと新八くんの元にやってきた銀さんがさり気なくちゅってする。屈みこんで、神楽ちゃんからはちょうど死角に入る位置から一回だけチューする、そんなのが既に坂田家の日常に組み込まれ始めているという次第です(アレ?大人だったよね銀さん)。
でもそんなんされたら新八くんはそりゃあもう慌てて、


「だ、だめっスよアンタ、何考えてんの!神楽ちゃんいるのに……」

なんて小声で言うが、銀さんもまた小声で、

「気付いてねーよ。いいから、ほら。お前が態度変だとその方がバレるわ」

ちょいちょいと新八くんの肩を抱いて囁いて、何回もちゅってしてるの。新八くんも躊躇いながらも身を任せてくるし。そんな、後ろを気にしつつもどこか嬉しげな新八くんのカワイイお顔に、自分をぽーっと見上げてきたその大きなお目目に、

何故かその時銀さんは初めてムラっ……として(オイオイ大人ァ!?)、

「(え?……今の何?今の擬音って何、『ムラっ』って言わなかった?今さっき俺の背後に入ってたよね、確かにムラって擬音が差し込まれてたよねェェェ!?む、無意識怖えェェェェェェ!!)」

と、銀さんが己の中にあるその劣情に戦々恐々とする場面も今はあります(あるんかいィィィ)

だから、だんだんとおかしなことになってきましてね。新八くんとキスするとおかしな気持ちになるというか。

まあ、皆に内緒でこそこそこそこそしてるのも楽しいじゃん?ごしょごしょごしょごしょ、二人で内緒話して。ゴソゴソちゅっちゅとしてるのも、銀新には似合うのですよ。
銀さんが新八くんのお家を訪ねてきても、何かしまいにはチュッてしてそうじゃないですか。今し方お妙ちゃんが善意の塊のような笑顔でにこやかにお茶を出して行ったのに、なのにそのお茶の乗ったお盆をスススと遠ざけた銀さん、
新八くんの手首をはっしと掴んで、

「(あ、何か今の銀さんヤバそう)」

と、銀さんの目を見た新八くんが本能的に察するより早く(新八くんも察するようになってきたらしい)、くるって手軽に抱き込んでチューしてますよ。何たって手軽といいますか、新八くんのサイズなら銀さんもちょちょいと抱き込んだり捕まえたりしやすいのです。新八くんも銀さんには中々抗えませんし(好きだから)

しかしそんなんやってチューしてたら、だんだん二人の息も上がってきて、ハアハアって浅く息吐きながら熱っぽく見つめ合ったりして、でも銀さんは唇だけじゃ物足りなくて、
舌先でちょんっと新八くんの唇突きながら、

「な、舌出して舌。吸われんの好きだろ?」

甘く言うんだけど、新八くん的にはもういっぱいいっぱいで、目がぐるぐる回りそうなほどテンパってて、

「ちょ……も、もうやめろよ銀さんっ!変なことしないで下さいよ、ばか!すぐそうやって調子にのるんだから!」

銀さんを押し返す。押し返すけど、銀さんの手のひらで急に口をガバッと塞がれてしまって。

「バカ、声がでけえっつーの。お前の姉ちゃんに聞こえたらどうすんだよ」

お妙ちゃんのことを匂わされたら、新八くんも黙らざるを得ない!そりゃあもう青い顔をして咄嗟に謝り……

「す、すみませ……んんっ!?」

って、こうして噤みかけたお口にすかさず舌を捻じ込まれてるね!まんまとしてやられている。
これには新八くんも目を白黒させつつ、でも銀さんの舌を噛む訳にもいかないから、我慢しちゃう。目元がほんのり赤らんだ色っぽいお顔で、銀さんの着流しの袂掴んで、はふはふ言いながらじっと耐えております。嫌なんだけど嫌じゃなくて、何もできずに耐えてる新八くんはとてもカワイイ。

しっかし、銀さんは新八くんの良心の呵責につけ込むのが本当に上手いなあ。


でもでも、そんな風にしてコソコソしてると周囲には変に思われもするでしょ?特に二人の周りの紅一点ですよ。
最近はやけに近い銀新の距離に神楽ちゃんも微妙に気が付き、

「お前ら何アルか。何か最近近いネ、うっとおしいアル。ホモかヨお前ら、女っ気なさ過ぎてついにはお互いで発散させることにしたアルな」

酢昆布しゃぶりながらジト目で銀新を見ております(神楽ちゃん)
そしたらめっちゃ拒否るけどね、銀新は。神楽ちゃんにあらぬ疑いをかけられたら、銀さんも、

「は、はあァァァァァァ!!??ねーし!俺が新八と!?ねーから!ありえねえこと言ってんじゃねーぞてめコラ神楽ァァァァァァ!!(ガタタッ)」

だし(動揺しまくってんじゃねーか)。新八くんだって、

「なっ、ないないない!!ないってば!僕らはいつも通りだけどォ!?だって僕と銀さんだよ!?前からこんなもんだったでしょ!(gkbr)」

って、もう身体が生まれたてのチワワのようにプルップルしつつも反論しますよ。眼球までプルップルだけどね(眼球までって)
そんな必死な二人を見たらば、神楽ちゃんも一応は黙って、

「……フーン。別にいいもん。私、お外で遊んでくるアル。これから三時間は帰らないアル、だからお前らもそのつもりでいろヨ。三時間だからナ、わかったアルな。全く仕方ない野郎共ネ、私が気を利かせなきゃ何もできないアルか(ペッ)」

って、どんな方向に気を使ってんのこの娘はッ!何でリミット設けて外出していくの!(神楽ちゅわはぁぁん!)

まあ神楽ちゃんが出て行った後のお部屋には、気まずくなった銀新が取り残されているばかりですけどね(オイ保護者ッ)。だから銀さんも、隣の新八くんをチラと見下ろして、その唇をチラ見して、すごく物惜しい気持ちになりながらも、


「(いい加減やめにしねーとな……)」


って、今更になってようやく思い始めたらしいですよ。


「(いい加減やめねーと万事屋の仕事に影響が……いやあんまり出てねえ、てか仕事自体がねえっつーか、まあ金もねーけど……)」


って、回想の中でも即座にお前らの金欠具合が垣間見えて寂しいわ!特に影響も出てないんかい!(ブワッ)

まあやめようと思ってやめられるなら、それは銀新じゃないのだけどもな。