さようなら。

11回目にはこんにちは。


目の前はゆらゆらした現実で、ぼんやりとした窓の中から鋭利な赤ペンが眉間を刺す。

刺さった先から、こぼれ落ちる砂。


そう、わたしは海。君たちの守護者。


頭や壁をかきむしっても、今朝の夢にはつゆも届かない。

伸ばした手のひらに液体が垂れる。


その色は。

僕にとっては紫にみえて、きみには無色にみえる。

12回目のさようなら。