ユニコという大きな漫画がある。手塚治虫らしからぬ、発想が先行してあとから気持ちがついてくる作品だ。ユニコだけが飛ばされていく、世界は切なくて美しい。


そういえば、漫画はブラックジャックしか読んだことがない、という女性がいていま思えば大人版ピノコだったように思える。


ユニコーンに戻ろう。『最後のユニコーン』の冒頭から森を出るまでの一連の文章は、ため息がでるほど美しい。ユニコの美しさとは違う美しさ、美しいといよりも悲しい。なぜなら、ぼくたちはユニコーンがいないことを知っているからだ。崩壊を見なくてはいけない自意識はなかなかけりが着く代物ではなく、かといって厄介ではない。腫れ物を抱いて、布団に入るんだ。


いまを生きる、は難しいから「生と死」がテーマの作品をみんなで作ることになった。今しかできないことを、書こう叫ぼう。