見えないマロニエ、見えない明日を。


紅の豚の表面上の教訓は、「外見以外のかっこよさは必ずある」こと。

真理は、「内面のかっこよさを主張する人は本当にカッコ悪い」こと。

似たようで似ていない。ひとえに言い切るのはどうかと思うが、ぼくたちわたしたちがジブリの作品に感じる良さは「圧倒的に非現実的な生き方」を見せつけるのではなく、じわじわと感じさせることにあると思う。

そして似たようで似ていないのは、ジブリと地図と新海誠。地図は幼さがかえって心地よい。新海誠は見せつけてくる。


似たようで似ていないものを、まっすぐみて。海風が耳の横を通り抜けていったら、キミは本物に近づいてる証。地球の声に、心血を傾けよう。


特に好きでないのに、つい読んでしまう作家、原田マハ。独立記念日読んだ。連作の短編集ってずるい。すぐに読んでしまえる。しかもストーリー性がある。おまえはハムとチーズなのか!と関西圏の調子で声をあげそうになるのを、しおりで必死に本の中に閉じ込める。


そうして、しおりが露となり右腕に垂れる。それが記憶と呼べないのなら、地面にぽたんと吸い込まれていく。踏ん張れ、両足で。