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暮らしを美しく生きる星地球

富山にいる。何かが引き寄せた。

書店のおばあちゃんに「ここは藤子・F・不二雄の出身地で、ここがなければドラえもんは生まれてないんだよ。それなのにみんな知らないのよねえ」と嘆いていた。文字通り悲しそうな顔をしていた。

そうかなあ。引き寄せれてくるぐらいがちょうどいい場所だと思ったよ。格別目を引く観光対象がない。でも、なんかいい。なんだかずっと居たい。すれ違う学生や、話をしてくれた色んなおばあちゃん、車で送迎してくれた歴史大好きおじいちゃん。みんなちょっとずつ、いい。なんだか富山に恋をしたみたい。ここ、じわじわとずっといたい。

話を恋にふってみよう。僕なりになぜ『君の膵臓をたべたい』にあそこまで惹かれたのかをずっと考えていた。基本的に考えとやらは、堂々巡りをする。お遍路さんになったら最後だ。途中で見切りをつけると案外事態は良くなる。これは、脈々と生きてきた過去の人たちの経験則の積み重ねだ。先人が死ぬ気で悩んでも答えが出なかったもの、そんな数きっと星よりも多い。

それで、なぜ惹かれたか。やはり共病文庫の内容だと思う。



僕はもともと、お母さんお父さんはまだしも、「先輩後輩恋人彼女」など人にレッテルを貼るのが苦手だし嫌いだ。よく結婚はやいねとか言われるけれど、「妻」となるのはごめん。だから、きっと一般的な結婚は無理だと思うし、意外かもしれないけれど、全く結婚願望がない。結婚したいは単なる褒め言葉の一つなんだろうね。


だからこそ、惹かれた。人と人の関係をそんな陳腐な名前にしたくないヒロインに。同時に、そうしてきた僕自身を肯定してくれたような気がした。言葉には、ちからがある。


雪雪さんは、今をやり直せと言う。僕はとりあえず一ヶ月くらい先から戻ってきてる設定でいいな。多分一ヶ月先は死んでいた。だから、1日1日を大切に生きるしかない。それが、僕を富山に連れてきた。

花森安治の叱咤激励を聞けたこと。藤子・F・不二雄の展示で泣いたこと。


いまの自分にしか響かない。昨日も明日も違う。今日だからこそ響いた。もう、するしかない。


こんど5人で本をだす。みんなの話を集めたい。昔より簡単だよね?グローバル化だもの。小説はそれをしたい、そして雑誌もそうしたい。もう一度、暮しの手帖を目指そう、そして、超えよう。やれると思う。さあそれがスタートだよ。


藤子・F・不二雄の遺志をついでいくのは、まだ光らぬ意志を持ったわたしたち。死んでもないのに、あきらめないで筆をすすめよう。だから涙が出たんだよ。心の奥にある水を使って発電したからね。人間は水でできている。残りは恋とスパイスと1%のアイデンティティー。



僕は試しに10キロ痩せてみようと思う。10キロ痩せる小説を書いているからだ。女の子だけどね。



旅をすると、男の子だって強くなる。
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