話題:今日見た夢


とあるビルの廊下を歩いていると、怪しい二人組がコソコソと会話をしていた。
何となく嫌な感じがし、相手に気付かれる前に物陰に身を隠して会話に耳を向けると断片的にしか聞こえてこなかったが、爆破やら復讐やら不穏な単語が聞こえてくる。

これは不味いのではないだろうか?

私はそっとその場を離れると階段を駆け降りた。
その途中、ガスが漏れるような音と共に白い煙が狭いビルに立ち込め始めると廊下に瞬く間に充満していく。
なるべく煙を吸わないよう手で口元を塞ぎ、一気に階段を降りると煙に気付いた人達と共に非常ドアから飛び出した。

その直後、耳を劈くような破裂音が背後からしたと思うと爆風で身体が吹き飛ばされ、周りに居た数人と共に地面に叩き付けられた。

痛みはないものの、吹き飛ばされた衝撃の所為かなかなか起き上がれない。
暫く地面でもがいていたが、何とか気合いで立ち上がり自分の身体を確認すると擦り傷だらけではあるが、どうやら大きな怪我はしていないようだった。
恐怖の為か身体が震えて仕方がなかったが少し落ち着き、自分が抜け出したビルの方を振り返ると爆破の衝撃でひしゃげ、半開きになった非常ドアから辛うじて直接の爆発に巻き込まれなかった人が何人か這うようにして出てくるのが見えた。

粉塵にまみれ傷だらけ、手足が変な方向に曲がっている彼らをビルから離れた所に引き摺っていくと、私と同じように大した怪我をせずに済んだ人達と介抱しつつ、中の状況を訊ねた。
どうやら逃げる途中で爆破に巻き込まれたようだ。
爆破で生じた熱風に炙られ、衝撃で吹き飛ばされ壁に叩き付けられたり、崩れてきた瓦礫にぶつかる等したからか大分怪我が酷い。

まだ中に人が居る。

息も絶え絶えになっている女性を介抱していると、彼女はそう云ってビルに目を向けた。

出来るなら助けてあげてほしいと云う彼女を他の人に任せると、状況を確認する為にビルに戻る。

ギィギィと嫌な音を立て、蝶番にぶら下がるように揺れる鉄製の非常ドアを開けると中は薄暗く、更に舞い上がっている粉塵で視界が濁っているので見通しが悪い。
それでも天井から落ちてきた配管や崩れたコンクリートがあちらこちらに転がっているのは見え、危険な状態になっているのが分かった。
取り敢えず見渡せる範囲で生存者を探すが、瓦礫に押し潰された多数の死体があるだけで息のある人は見付からなかった。
もしかしたら何処かに生きている人が居るのかもしれないが、幾ら声を掛けても静まり返ったままの此処にはきっと居ないのだろう。

この場に長居をするのは危険だ。

時折、パラパラとコンクリート片が崩れ落ちてくる天井を見上げると、外へ出るのに非常ドアを押す。

その直後、再び爆発音が耳を劈いたかと思うと、身体が吹き飛ばされた。







兎に角、音の凄まじい夢だった。
最後に吹き飛ばされた時の音で目が覚めたような気がする。