話題:今日見た夢




私はとある規模の大きなホテルの従業員として働いてた。

フロントでチェックアウトの対応をしていると、一人の客が何やら喚いていた。
どうしたのかと思い、近くに居た仲間の従業員に訊ねると、ドアが開かずホテルの外へ出られないらしい。

馬鹿な、と入り口へ行き確認するが彼の云う通りドアはピタリと閉じており、幾ら押しても開かない。
数人の従業員と体当たりしてみたが、それでも駄目だった。

仕方無く他の出入口から客を出すように指示をしたが、他の出入口や窓さえも開かなかった。
仕方無く外へ救助を求めるが、電話もメールも繋がらない。
どうやら外界から隔離されてしまったようだ。

一体何が起こったのか分からなかったが、外へ出られないと分かると客が次々喚き立てる。
これから商談があるんだ、とか、飛行機に間に合わない等と声が聞こえてきたがどうしようもない。
ただただ客を落ち着かせようと宥めていると、悲鳴が響き渡った。

一体何事かと悲鳴がした方へ目を向けると、一人の客が別の客に噛み付かれていた。
突然の出来事に唖然としていると、噛み付いている客が此方へ振り返る。

それは人間ではなく、人の姿をした何かだった。

人間の成り損ないのようなそいつは、爛れた顔を引きつらせると咆哮を上げる。口から血の飛沫が飛んだ。

忽ち周りから悲鳴が上がると、次々に伝播していく。

客も従業員も関係無く逃げ始めると、何処からか湧くように現れた化け物達が人を襲っていく。

連中は見境無く傍に居た人達に食らい付いていった。
食らい付かれた人達は悲鳴を上げ次々と倒れていくが、それからすぐに化け物達の仲間入りを果たし、誰彼構わず襲い始める。

悲鳴と咆哮、血飛沫が辺りを飛び交い阿鼻叫喚となった。

増えていく化け物相手にどうしようもなく、ただただ逃げた。
外へ
出ようが無い為、階段を使い取り敢えず上を目指す。

数人の従業員と客と一緒に逃げていたが、いつの間にか居なくなっていて、最上階の展望スペースに辿り着く頃には自分一人だけになっていた。

逃げ切れない。

背後から聞こえてくる呻き声に振り返ると、唯一の出入口を塞ぐように化け物が立っている。
その数はみるみる内に増え、じわじわと此方へ近付いてくると、先頭にいた化け物が飛び掛かってきた。
咄嗟に腕でガードする。

その際、私の手が化け物に僅かに触れた。
すると瞬間、目の前が真っ白になって化け物が蒸発するように消えていくのが見えた。

呆気に取られていると、他の化け物が雪崩れ込むようにして襲ってきた。
だが私が化け物に触ったり、化け物が私に触れると塵も残さずに消えていく。

そこからは私の一人快進撃だった。

相手に対し、抵抗する術があると分かると恐怖は無くなり、周りに居た化け物達を壊滅させ、生き残った人が居ないか探しながらホテル内を駆け回る。
途中、化け物と鉢合わせたがその度に消していった。


最終的に辛うじて生き残っていた人達を助け出し、彼らから英雄のような扱いを受けると、何故かそのホテルのオーナーとして祭り上げられたところで目が覚めた。