あら、大家さん。こんにちは。
どうなされたんですか?
ああ、お隣さん?
もしかしてまたお家賃滞納してるんですか?
…違う。ちゃんと払うこともあるんですねぇ。
お隣なら、もう出発したみたいですよ。
半助がまたしばらく家を空けるので宜しくってうちに挨拶に来ましたもの。
困るんですよねぇ、今月はお隣が月番なのに。
何の仕事してるんだか知りませんが、そんなに忙しいんですかねぇ?
あれじゃあいつまでたっても独り身ですよ。
ちょっとだらしないけど、顔はまあまあ悪くないのに…。
え? きりちゃん?
ああ、半助が子供を連れて戻ってきたって聞いたときは、驚きましたよ。
親戚の子供だって言ってますけど、ほんとですかねぇ。
…半助の所に来るくらいだから何か事情があるんでしょうね、深くは聞きませんが。
でもきりちゃんは良い子ですよ!
小さいのに働き者でしっかりしててねぇ。
何より綺麗な顔した子だって皆言ってますよ。
将来どんな美形に育つか、あたしは今から楽しみで…ほほほ。
半助もきりちゃんのおかげで毎食ちゃんと採ってるみたいだし。
正直、半助には勿体無いくらいの…あ、お嫁さんじゃないんでしたねぇ。
え? そうですよ、こっちが微笑ましく思うくらい仲が良いんですよ。
そりゃあ喧嘩して夜中でもうるさくしてるときも…ほとんど毎日かしら?
でも、朝になれば仲直りして二人で洗濯してますよ。
きりちゃんの笑顔が可愛くってねぇ。
半助もきりちゃんの笑顔には弱いみたいですよ…まるで自分の弟…子供…うーん、何かしらねぇ…とにかく大事にしてますよ。
ええ。
分かりますって、半助見てれば。
楽しそうに笑うようになりましたもの。
ほんと、きりちゃんがもうちょっと年頃で、女の子だったらねぇ。
あぁ、やっぱり大家さんもそう思いました?
あたしも最初見たとき、女の子だと思ったんですよぉ。
あれだけの器量良し、探してもなかなかいませんって。
まるで、若い頃のあたしを見てるみたい。
あら? もうお帰りになる?
いえいえ、こちらこそ宜しくお願いします、ほほほ。
………。
大家さん、何しに来たんだろうかねぇ。





終わり。
まずは、ごめんなさい!
隣のおばちゃんは土井先生が忍者だって知ってるんでしたっけ?
知ってたら内容がおかしいですね。
そこは目を瞑って下さいませ。
それにしても、よくこんなものしか考え付かないな、と自分でも呆れます。
素敵なお題なのにもったいないっ。

夜中騒がしい理由については深読みして下さい。
駄目保護者土井。












-エムブロ-