#4話


「俺と戦えサイタマ!」

あーうるせぇ!こんな夜中に目が覚めちまったじゃねぇか!
いつも一度寝たら朝まで起きねぇのに…ていうかスーパーのチラシを片手に握り締めたまま寝てたし。どんだけだよ。

そういやあいつはメンテナンス中か。
おかげでずーっとパニックに付き纏われた一日だった。しつこいっつーの。
今考えるとこのうざさのラッシュに毎っ回かわりに相手してくれてたってことだよな。…なんだっけ…例えるならえーてぃーふぃーるど?がない状態だとこんなに厄介なもんなのか。
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#3話

迷子のこどもを肩車。
こどもってちょっと屈んだ隙に乗ってくるもんなんだな…知らなかった。
ちっせぇ背中に大きいリュックを背負ってるから、まあ両親と遠出しにきてそんままどっかではぐれたんだろう。

どうにも参ったな〜…。
どこから来た?どこに行くんだ?
名前もなにも教えてくれねぇし…っていっても相手は赤の他人の俺だからな。こどもながらにしっかりしてるってことか?
つーかこういう日に限ってしょうもない怪人に襲われまくるんだよな。
昼間のうちにさっさと交番へ行けばいいものをすっかり日が暮れちまった。



「腹減ってるだろ」



って聞けば素直に頷くからとりあえず立ち食い蕎麦に連れて行った。
この時点でもう結構どっぷり暗くなってきてたし、どうするかな〜やっぱ警察だよな〜…とか呑気に考えたりなんだり。
んで俺の全財産はここで尽きたわけだが腹ごしらえをしたから元気がでたのか、こどもはにっこり笑って「ごちそうさま!」の一言を残して店を出ていった。
そりゃもうビビるくらい全速力で。

「ちょろそうな大人をつかまえてはタダ飯をかっくらってるタチの悪いクソガキではありませんか!先生はちょろいから付け込まれたんです…!ちょろいんです!ちょろすぎるんです!」

ジェノスに話したら第一声がこれだった。なるほどね〜…俺はちょろいのか、そうかそうか。
わかったから連呼すんな。



えーと…あれだ、細かいことは置いておいて達者でやれよ。
俺からはそんだけ。
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#2話

今日食った美味いもの。

・シュークリーム
・たこ焼き
・白菜
・キャベツ

うっめぇ〜…!
ジェノスの手料理も楽しみだけど、一人でキャベツを丸々一個たいらげたりするのもなかなかおつだな。

は〜…食った食った。退屈な一日の締め括りにはやっぱ美味いものを食うに限るわ。
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#1話

俺はサイタマ。
趣味でヒーローをやっている者だ。

──でも、ヒーローだからといって敵なしってわけでもない。一人で怪人に立ち向かうことはできても、自分と向き合えるかどうかはまた別の話ってわけだ。

今年もまた雪の降る季節になっちまった。…あれから一年。どうしてまだこんなことを続けてるんだっけな?ぼんやりと記憶をなぞってみるけど手掛かりが見つかるわけもなく…もやもやしたまんま。まあ、そらそうだな。
昨日の晩飯すら思い出せないんだから。

わかっちゃいるが俺からヒーローの肩書きを取っ払ったら何も残らねぇんだ。なんて泣き言を誰にも知られず、これからここでひっそりありとあらゆるもんを書き殴りまくろう。
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