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30代/二次元/メンタル/お洒落
新卒さんクビになる
02:18 2017/10/2
新卒さんは先月末でクビになりました。もういろいろ端折りますが、店長と茶髪パーマさんはまたお休みをとり、新卒さん最終出勤の日はわたしとのふたり稼働だったのですね。

「ハウさん、明日ちょっと大変だと思うけど、ごめんなさイ。新卒さんのことはもうコワモテサブにも伝えましタ。爪磨きのこととカ。そしたら、は?テ言って、もうよっぽどだったら帰らせていいヨて許可出ましタ。わたしとパーマさんこころ疲れてますデ、また休んじゃうケド、ごめんなさイ。何かあったら電話してきてネ」

当日、クレームの案件がありました。ご高齢者でかなり癖の強い男性です。

新卒さんに任せたら間違いなく二次クレームになるのでカウンター席でわたしが対応し、なんとか温度感を下げつつあったとき、新卒さんがいきなり隣から「てかハウさんほんと色白くて羨ましい。いいなーハウさんみたいになりたい」と話しかけてきました。

もう意味がわからず「今わたしはお客様とお話をさせていただいているので、不必要な発言は控えてください」と諌めると「いや会話中なのは見ればわかるけど、ちょうど言葉が途切れたからそのタイミングで話しかけた」と言います。

それでお客様はまた激昂してしまったのです。案件がどうしても店舗で解決できない問題だったので、上長に確認をとってから進捗を連絡させていただくことにしました。

そのクレーム報告メールをまとめている間も新卒さんはずっと、仕事に関係のないことで話しかけてきます。AKBのまゆゆがどうとか、化粧品がどうとか、そういうこと。

わたしはイライラを隠せず「あの、わたしさっきのクレームをサブマネやGMへ報告する必要があるんですね。なのでしばらく話しかけないでもらえるかな?仕事のことでわからないことがあれば、それについては質問をしてください」と結構強めに言ったのです。

そしたら彼女はお客様の対応をしました。だけど二件とも間違った知識を伝えてしまい、それもまた小クレームになったのです。

たとえばうちが八百屋さんだとしたら、ジャガイモの賞味期限が本当は1週間なのに1日だと伝えてしまうとか。ジャガイモの値段がひとふくろ100円なのに1000円と言うとか。

お客「えっ、賞味期限は1週間でしょ?袋に書いてあったよ」
新卒「いや1日ですよ。逆に袋をなんで信用するんですか?誤字とかもあるし」
お客「だって袋はそっちが用意したんでしょ?そしたらそれが正しいでしょ」
新卒「いやだからぁ、誤字もあるって言ってんじゃん!言ってる意味わかります?」
このくだりをお客様から聞き、謝りに行って新卒さんに正しい知識を共有したら「あ、そうなんだ。普通に1日だと思ってた。だってわたし今まで売れてないじゃないですか。ってことは売る機会がないイコール袋も見ないじゃないですか。じゃあ忘れてても仕方ない」というかんじ。

結局接客をさせるとトラブルになるし、事務作業をさせたらわからないところを確認せずミスするし、「もういいですよ。こっちは全部わたしがやるので、パソコンもコピー機もレジも触らないでください」と言っちゃったんです。

自分はその間にクレームのお客様へ電話をかけていました。消費者センターへ接客クレームを持ち込むとおっしゃるので、これにかなり時間を要し、新卒さんのほうをなかなか、いえまったく見ていませんでした。

するとお店に、現GMと新GMが入ってくるのが見えたのです。わたしは受話器を耳に当てながらも、目と口の動きだけでお疲れ様ですと挨拶をしました。そしてすぐ新卒さんのほうを見やり、焦りの視線でサインを送りましたが、彼女はまったく来店者の気配に気付きません。

ちょうど電話を切ったのであわてて立ち上がり「いつも大変お世話になっております、◯◯派遣会社のハウです」と頭を下げると、新GMがチラッと新卒さんを見ます。彼女はまだ手元に視線を落としたままです。

「はじめまして、来月からGMになりますだれだれです」という挨拶を受けた後、面識のあと現GMが小声で「今日ふたり?」とわたしたちを指差しました。「はい。店長とパーマさんはお休みで明日出勤されます」「そっか。……」「新卒さん、ご挨拶……」「あ、いいよ」

新卒さんをじっと眺めたおふたりはそれ以上何も言わずお店を出て行きました。

彼女が何をしていたかというと、カウンターでスマホゲームをしていたようなのです。それを注意すると「でもハウさんはさっき、こっちは全部自分でやるって言ったじゃないですか。それって、わたしは休んでていいって意味だと思いました。ゲームしたらダメって言われればそれはやらなかった。GMに挨拶してほしかったなら事前に説明してほしかったですよ」……

彼女は定時前に上がりました。
もう怒る気もなく、そのまま見送りました。
残りの仕事をしていると店長から電話がかかってきて、新卒さんは帰ったこと、クレームがあったことやGMたちに失礼な態度になってしまったこと、自分がうまく新卒さんを見れなかったことなど報告すると「ハウさん。大丈夫。大丈夫だヨ。今日ありがとございマス。よくがんばりマシた」ととても優しい声が響きます。

電話を切った後、ノートパソコンのまえで泣いてしまいました。店長がすべてわかってくれることでやっと一息つけたというか。結局新卒さんになんにも響かせることができなかったなとか。いろんな思いがこみ上げた日でした。

あんまりこういうことを書くのはよくないんですけど、新卒さんが辞めた翌日から店長とパーマさんが復帰して、三人の現場はとても和やかに戻りました。ふたりとも、今月は苦しかった辛かったと涙ぐんでいました。

人間関係ってほんとに大事だなって……。

凛さんへ
読んでて気持ちのいい記事じゃないのにありがとうございます!そうですね、組織だと協力的じゃない人は間違いなく反感を買いますよね。ご年配の方だともう考え方もずいぶん固まっているでしょうから、若い方とはまた違った苦労がありそうで……!

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